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2004年3月14日

全国保険医団体連合会

新点数検討会

保険で良い医療を保障する診療報酬の実現を求める決議


 今次診療報酬改定は、公的医療費の総枠抑制と医療の市場化をめざす小泉「構造改革」の一環として実施されたものであり、前回に引き続き2回連続のマイナス改定となった。医療の質、安全確保の国民要求に背を向け、人員確保の困難など医療経営、医療機能の弱体化を招き、地域医療の基盤を危うくするものである。

 東京保険医協会による新旧点数比較では、引き下げ率の大きい薬価、検体検査実施料が影響して、投薬等の薬剤料や検体検査の比率が高い医療機関では3%程度の引き下げとなる。また、糖尿病の患者に対する在宅自己注射指導管理料の注入器加算算定例では、注入器を「使用している場合」から「処方した場合」に変更されたため、5〜6%の引き下げになる。

 理学療法や消炎鎮痛等処置における算定制限は廃止されず、「急性発症した脳血管疾患等の患者」に対してやや緩和されたとはいえ、前回改定の不合理は依然として残されたままである。

 特定機能病院に導入された診断群分類別包括評価(DPC)を試行的とはいえ民間病院に対象拡大したねらいは、急性期への包括制の導入、定着とともに、疾病・病態別の包括点数を拡大し公的医療費の抑制をはかることである。

 また、差額病床割合5割超の要件として過剰病床圏域が明確にされ、療養病棟や有床診療所にも適用された。今後、食事療養費も含め「ホテルコスト」を保険給付から外し、全額利用者・患者負担とすることも検討されている。

 このように、今次改定は、保険給付範囲の限定化と保険外領域の拡大、医療の市場化と競争原理の導入をめざす、まさに政策改定である。

 今次診療報酬改定を第一歩とする医療保険制度、介護保険制度の連続改悪に反対し、国民が安心して保険で良い医療を受けることができる診療報酬制度、医療保険制度の実現を強く要求する。