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  2006年診療報酬改定・介護報酬改定に対する要求       



(はじめに)

 社会保険診療報酬は、日本国憲法第25条の理念を具体化したもので、患者・国民にとっては社会保障としての医療を受ける権利と給付内容を規定するものであるとともに、医療従事者の待遇改善や設備更新に必要な経営の原資となるものです。

 しかし、現在の診療報酬は、医療機関の健全経営を維持する点からも、患者・国民の医療を受ける権利を保障する面においても十分なものとはなっていません。

 これは、欧米諸国に比べて技術料が全般的に低くおさえられていることや、GDPに占める医療費の割合も歴史的に低い水準であった上に、1980年代以降特に顕著になった政府の公的医療費抑制政策の結果です。その上、2000年からの小泉構造「改革」によって、公的医療費縮小政策が推し進められ、混合診療の実質的な解禁など国民皆保険は空洞化しつつあります。

私たちは、疾病や負傷に関する医療は全て医療保険・診療報酬で保障されることを原則とすべきであり、それを実現するための提言「医療改革提言2005---憲法25条に基づく医療の実現をめざして」「歯科医療改革提言」を決定しました。

私たちは、2006年の診療報酬・介護報酬改定にあたり、政府・財界が進める公的医療費削減と混合診療の実質解禁・特定療養費の拡大の道ではなく、保険診療を充実し、いつでも、どこでも、誰でもが、必要な医療を受けられるような診療報酬・介護報酬にすることを強く望み、この要求を掲げるものです。

 以下に2006年診療報酬改定と介護報酬改定にあたっての保団連の「基本要求(医科・歯科一体)」を掲げるとともに、基本要求に沿った具体的な点数改定の明示として「具体的要求(医科・歯科別)」を掲げました。

私たちの要求が実現することで、医療の質の一層の向上につながることを確信するものです。

 なお、相次ぐ窓口負担の引き上げによって、患者の受診が抑制されています。 

 私たちは、診療報酬の引き上げとあわせて、下記の点の実現を強く求めるものです。

(1) 国庫負担と企業負担を増やして、医療保険の健保・国保の患者負担率を2割に引き下げ、高齢者負担も2003年10月前に戻すこと。また、介護保険における窓口負担の引き上げやいわゆるホテルコストや食事にかかわる費用の保険給付外しを行なわないこと。

(2) 患者負担を増大させ、患者から医療を受ける権利を奪う混合診療の解禁や特定療養費の拡大を行なわないこと。


【J】 2006年度診療報酬改定に対する基本要求≪医科・歯科共通≫                

[J-1] 中医協を形骸化せず、中医協の改革と民主化を図るために以下の項目を実現すること。また、診療報酬改定におけるルールを整備すること。

(1) 中医協改革に対する意見

@ 中医協は国民医療保護の観点から、医療行政に責任を有する厚生労働大臣の諮問機関として設置されるものであり、解体や厚生労働省外への再設置を行なわないこと。

A 中医協の機能を限定・縮小することなく、保険適用に関する事項及び診療報酬体系のあり方等の政策に関わる事項についても引き続き中医協において検討すること。

B 中医協委員の任命にあたって、次の改善を行なうこと。

・ 現場の医療従事者や患者・国民の代表を中医協委員に加えること。

・ 全国保険医団体連合会の推薦する委員を中医協委員に加えること。

・ 下村元健保連副会長が厚生労働省OBだったことが中医協内での発言力の増大につながり汚職を生み出した原因の一つになったと考えられる。厚生労働省の出身者を中医協委員にしないこと。

C 中医協に委員を出していない様々な医療関係団体や患者団体等からの診療報酬改定に対する意見聴取を十分に行なうシステムを構築すること。

D 中医協の会議は全て公開し、非公開での会議開催を行なわないこと。議事録は原則として2週間以内に全て公開すること。

(2) 診療報酬改定におけるルールづくり

@ 告示案を国会に報告し承認を求めること。保険給付対象から外す場合や特定療養費制度の拡大、療養担当規則の改定については、給付内容に大きな影響を与えることから、国会審議に付すこと。

A 診療報酬改定にあたっては、官報告示から実施までの周知期間を十分に保障するようにすること。特に通知の発出にあたっては、実際の発出日を通知の日付とし、少なくとも3か月以上の周知期間を設け、新点数の算定開始日までに不明確な解釈を残すことのないようにすること。

B 点数告示の誤りについての訂正は、ルールにのっとって、中医協での確認を経た上で訂正すること。そのことを前提に、誤りがあった場合は速やかに告示の訂正を官報に掲載すること。また正式に訂正され、周知が図られるまでは、医療機関に不利益とならない取り扱いとするようルールを確立すること。

[J-2] 医師・歯科医師の技術料を正当に評価するとともに、看護師・歯科衛生士・薬剤師等必要な有資格者を確保し、安心、安全で質の高い医療を提供できるよう、7%以上の診療報酬引き上げを行なうこと。

 臨調「行革」がはじまって以降、世界一の医療費抑制政策が取られており、これが日本の医療の貧困さを生み出している。

 臨調「行革」がはじまった1981年と比べて、現金給与総額指数は2003年に136.4%であり、同期間の消費者物価指数は124.49%になっている。

 ところがこの間の診療報酬改定は、1981年対比で1997年に108.34%となったのを最高に、その後マイナス改定がつづき、2004年には、101.56%まで下がっている。

 こうした結果、2000年の医療費の対国内総生産(GDP)比は7.5%で、OECD加盟29カ国中18位という低さであり、ヨーロッパ先進国の対GDP比9%以上に比べると異常に低い。

これは、欧米諸国にくらべて医師や看護師の配置が診療報酬上5分の1〜2分の1しか評価されていないなど、低診療報酬政策の結果である。特に医師や看護師等は、少ない人員で過重労働となっている実態がある。人員配置を見直すと同時に、適正な技術料を点数に反映すべきである。特に医師や歯科医師の技術料は不当に低く、この改善が必要である。

医療水準を落とさず、安全で安心な医療を提供するためには、物価や人件費のコストに見合う診療報酬の引き上げは、最低限必要である。本来ならば、現金給与総額指数や消費者物価指数なみの20〜30%の診療報酬引上げが必要である。

次回改定にあたっては少なくとも1997年の水準に戻した上で、安全、安心な医療を提供できるよう、総枠で7%以上の診療報酬引き上げを実施すべきである。

[J-3] 混合診療の解禁、特定療養費の拡大を行なわないこと

 日本の健康保険制度の窓口負担は、欧米に例を見ない高い負担率となっている。にもかかわらず、混合診療の解禁や特定療養費制度の拡大によって、さらに患者負担を拡大しようとしている。これは、保険証1枚で、貧富の差なく、一定の水準の医療を全国民が享受できる国民皆保険制度の根幹を突き崩すものであり、決して容認できない。

これ以上の患者負担は不可能であり、次の点を求めるものである。

(1) 安全性・有効性が確立した医療技術等は速やかに公的医療保険に導入すること。

@ 安全性と有効性が確立した医療技術、薬剤、治療材料等で、患者や医学会、専門医会から要望が出されたものは、普及性にかかわらず速やかに中医協審議を経て保険導入を行なうこと。そのためのルールの透明化と迅速化を実現すること。

A 未承認薬等の治験は、原則開発メーカーと国の責任で安全性、有効性を検証すること。また、有害事象(いわゆる副作用)の救済等については、開発メーカーと国の責任と財源で救済・補償を行なうこと。

B 保険給付については、回数制限、予防給付制限などを速やかに見直し、必要なものは保険給付の改善や、主治医の裁量を尊重する(薬理作用重視の審査への改善など)などの改善を図ること。

C 欧米に比べて高い薬価や医療機器・材料の是正を図ること。

D 現行の「180日超入院」は、入院基本料等を引き上げ直ちに廃止すること。

(2) 新たな枠組みの「保険導入検討医療(仮称)」は安全性・有効性確立までの検証期間、過渡期の医療制度とすること。

@ 「保険導入検討医療(仮称)」は、審査段階では安全性、有効性が確認された新規の医療技術や未承認薬、治療材料などの検証期間、保険導入までの過渡期の制度とし、検証期間は診療報酬改定にあわせて原則2年以内とすること。

A 「保険導入検討医療(仮称)」の患者負担については、保険給付と開発メーカー負担、公費を組み合わせた制度を新たに設けて医療費を保障すること。

(3) 「患者選択同意医療(仮称)」制度を創設しないこと。

@ 「制限回数を超える医療行為等」の保険外化を行なわないこと。

A 「医学的な根拠が明確なものについては直ちに保険導入を行なう」ことを前提に、制限回数の妥当性や要否の見直しを行なうこと。

(4) 大学病院などの高次先端医療について

   研究・試験段階の高次先端医療は、保険給付とは切り離して国の学術研究予算を適用すること。大学病院などがその機能を発揮できるよう研究予算の拡充を行なうこと。

[J-4] 新たな保険給付外しを行なわないこと

 @ 市販類似医薬品等を保険給付対象外にしないこと。

 A 入院医療に関わる食事療養や室料を保険給付対象外にしないこと。

 B 保険免責制度は導入しないこと。

[J-5] 医療従事者の技術と労働、医療提供のコストを正当に評価すること。

@ 医師・歯科医師をはじめ医療従事者の技術と労働を適正に評価すること。

A 点数表の点数は、個別評価点数方式での設定を原則とし、算定(支払)方式は個別点数積算方式、すなわち、全ての医療行為、管理業務、医療安全管理や褥瘡対策、院内感染防止対策にかかわる諸費用、医療用物資について個別に点数を設定して、各部門に配置し、実際に行われた医療行為あるいは医療関連行為に即して点数を積算して請求するものとすること。

B 評価がされていないものや包括評価となっている、「衛生材料(ガーゼ、脱脂綿、絆創膏)」「治療材料(包帯、伸縮性包帯、縫合糸、片眼帯など)」「外来看護料」「事務職員の人件費」「外来の療養環境費」「診療録、検査データ、フィルム等の保管・管理費」「材料・薬剤の損耗管理費」「医療廃棄物処理委託費」等について、診療報酬上で評価すること。

[J-6] 歯科の初・再診料をはじめとした基本的技術料を正当に評価し、医科と同等とすること。

 小外科的な治療が連続する歯科では、患者毎に十分な時間と手間が医科以上に必要とされている。こうした歯科の特性を正当に評価し、不当に低い歯科の技術料を引き上げること。

[J-7]  従来から問題とされている不合理を改善すること。

 2002年の診療報酬改定で各医療団体が特に問題ありと指摘する点数項目のうち、2004年改定において下記の4点については何ら改善されておらず、医療現場にさらなる混乱を招いており、2006年改定においては、必ず撤廃を図ること。

@ リハビリテーション等の月内逓減制撤廃

A 手術の施設基準で、医師経験年数が基準に満たない場合は減算する措置の撤廃(J-8でも要求)

B 180日超入院の保険給付外しの廃止(J-3でも要求)

C 手術料や医療安全管理体制、褥瘡対策、院内感染防止対策における減算方式の撤廃

 

[J-8] 病床規模や手術症例数、平均在院日数など、根拠の乏しい指標に基づく点数格差をなくすこと。

[J-9]  施設基準の届出の改善

 「地方社会保険事務局等への施設基準の届出」を要する医療は、人員や施設に規定を設けなければ患者への影響が大きいものに限定すること。

 また、手術の届出にあたっては、症例数を届出とする取り扱いを廃すよう、強く求めるものである。

[J-10]  入院患者の他科受診に対する制限を行なわないこと

@ 一般病棟の入院患者に対して、専門外の治療が必要になったなどでやむを得ない場合は、他の医療機関の外来を制限なく受診できるようにすること。

A 特定入院料等を算定する患者が当該医療機関で実施できない検査や治療を他医療機関で行なう必要がある場合は、当該診療にかかる費用を他医療機関において請求できるとともに、入院医療機関では当該特定入院料を減額することなく算定できるようにすること。

[J-11]  医科歯科とも、老人点数を廃止し、一般点数に一本化すること

[J-12]  医療行為ごとの個別評価点数とその積み上げ算定方式(所謂出来高払い)を原則とし、包括点数は限定したものにすること。

@ 医療行為ごとの個別評価点数とその積み上げ算定方式(所謂出来高払い)を原則とし、個別評価点数の基準を明確化すること。

A 包括点数は、安定期の慢性疾患や検査が毎月繰り返される人工腎臓時の検査、手術前後の検査などに限定すること。その場合でも、医療機関ごとの選択制であること、急性増悪時は個別評価点数方式に転換できること、包括された医療行為を適正に評価し、その評価基準を明確にすることなどが必要である。なお、包括点数を廃止する場合にあっては、現在の収入が確保できるような配慮を行なうこと。また、小児科等の特殊な困難を抱える診療科においては、診療報酬で特別な手立てをとるとともに、診療援助体制の確立などをはかること。

B 再診料に検査や処置を包括する外来基本料を導入しないこと。

C 入院基本料については、入院時医学管理料、看護料、入院環境料に区分し、大幅に引き上げること。また、原則として検査、投薬、注射、画像診断、リハビリ、処置等を包括せず、これらは個別評価とすること。

D 検査、処置等を包括している指導管理等を廃止し、指導管理の費用と検査、処置等の費用は別に算定できるようにすること。

E 在宅療養指導管理料について同一月に他の在宅療養指導管理料や注射料、処置料が算定できないとする扱いを廃止すること。

[J-13]  同一医療行為に対する診療所・病院間の格差や病床規模等の格差を廃止すること。

[J-14] 「月何回まで」等の算定制限を設定する際には、医学的根拠が明確なものに限定すること。

[J-15] 要支援者・要介護者に対する十分な医療の提供

@ 介護保険給付サービスのうち、医療系サービスは医療保険給付に戻すこと。(医療系サービスとは、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション(デイケア)、短期入所療養介護、居宅療養管理指導、介護老人保健施設及び介護療養型医療施設におけるサービスをさす)

A 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)入所者及び介護老人保健施設(老人保健施設)入所者に対する必要な治療が実施できるよう、入所者に対する医療の算定制限を撤廃すること。

[J-16] 診療報酬の算定要件の取り扱い

 診療報酬点数表の各項目の算定要件は、算定根拠を明確にしたものとすること。現場の声を無視した事務連絡等で算定制限を行なわないこと。

 算定要件に関わる内容については、事務連絡ではなく、告示・通知により正式に示すこととし、一出版社が発行するQ&Aが審査の現場で通知のように取り扱われることのないよう、取り扱いを明確にすること。

また、各項目の算定要件はすべて自院による取り扱いとし、他医療機関における算定状況に影響されないことを明確にすること。

[J-17]  経済効率を優先するDPCやRUGLなど入院医療に対する包括点数の拡大・導入をやめること。


【K】 医科診療報酬に関する具体的要求                                  

1 医科診療報酬点数表全般を通じての要求                               

[K-1-(1)]  医療従事者の技術と労働、医療提供のコストを正当に評価すること。  

[K-1-(1)-@] 医師・歯科医師の技術と労働を適正に評価するとともに、看護師・歯科衛生士・薬剤師・放射線技師・栄養士・理学療法士、作業療法士・言語聴覚士、精神保健福祉士、MSW、臨床心理士、事務職員、クラークなどの技術と労働・人件費を適正に評価すること。

要求理由:安全で質の高い保険診療が提供できるだけの医療従事者が確保できるよう、また必要な人件費等を診療報酬で適正に評価すべきである。

[K-1-(1)-A] 診療録、検査データ、フィルムなどの保管、管理費を個別評価すること。

要求理由:保管・管理費の費用を診療報酬で保障すべきである。

[K-1-(1)-B] 「材料・薬剤損耗管理費」「医療廃棄物処理委託費」を新設し、それぞれの費用が保障できるようにすること。

要求理由:材料・薬剤の損耗管理費や、医療廃棄物処理委託費等の費用を診療報酬で保障すべきである。なお、「材料・薬剤損耗管理費」「医療廃棄物処理委託費」は、個々の患者への医療提供によって発生することから、個々の患者への医療提供にあわせて請求できるようにする。

[K-1-(1)-C]  療養指導・管理料において、診療計画作成・説明の費用を保障する「診療計画作成・説明料」を評価すること。

要求理由:「診療計画作成・説明」は、長期的な見通しを含めて計画を作成し説明を行なう行為であり、通常の「指導・管理」にかかる行為とは異なる。こうした費用を別途評価することが患者への療養指導の一層の向上につながると考える。

[K-1-(1)-D] 医療材料費・薬剤費については、他の点数に包括したり、患者や医療機関の負担にせず、特定保険医療材料等として個別評価点数方式で算定できるようにすること。なお、保険請求できないものを下記に例示する。

○ 蓄尿バッグ(例:ウロバッグ)

○ 衛生材料代(ガーゼ代、絆創膏代等)

○ 手術に通常使用する材料代(縫合糸等)

○ 診療情報提供に際し、エックス線フィルム等をコピーした場合のフィルムコピー代等

○ 「弾性包帯」、「創傷閉鎖用テープ(例:ステリストリップ、ロイコストリップ)」。

○ 胃瘻注入時のカテーテルチップ

○ ディスポシリンジ代

○ 腹腔鏡下胆嚢摘出術に用いるトロッカー

○ 「在宅中心静脈用輸液セット」の中にまるめられているIVHポートのポート針やポンプ用のルート

○ 腸X線検査・大腸内視鏡検査のための検査食を外来患者に提供した場合

○ 人工肛門の便バッグ

○ 処置等に用いるカテーテル、チューブ類であって、設置後24時間未満で抜去した場合。(設置後24時間未満で抜去しても認めること)

○ 訪問看護(ステーションによる)の指導に際して使用する褥創処置に使用するデュオアクティブ(在宅処置指導管理に係る材料として認めること)。

○ 経管栄養用セット(経鼻用及び胃ろう用)

○ 固定シーネ(頸部用=例:ポリネック)

○ 固定帯(鎖骨用=例:クラビクルバンド)

○ 在宅医療以外で使用する人工鼻(特定保険医療材料として、在宅医療だけでなく、その他の部でも使用できるように価格設定すること)

要求理由:材料や薬剤等は、治療に不可欠のものであるとともに、患者の状態に応じて使用する量が異なる。どの部位であっても、どの場所であっても必要があって提供した場合には、保険請求できるようにすべきである。

[K-1-(1)-E] 外来においても、療養環境の費用(待合室の確保や院内感染防止のための諸費用等)を保障すること。

要求理由:外来における療養環境管理費を診療報酬で保障すべきである。

[K-1-(1)-F] 「外来看護料」を新設し、外来の看護職員の人件費を保障できるようにすること。また、

要求理由:外来における看護師の技術と労働を診療報酬で保障すべきである。

[K-1-(1)-G] 入院基本料を「入院時医学管理料」「看護料」「療養環境管理費」に区分し、それぞれの費用を保障できるようにすること。

要求理由:従前のように分割することにより、それぞれの報酬が正当な評価であるかどうかの点検が可能となる。

[K-1-(1)-H] 入院・入所中の患者が退院後に訪問診療を開始する等の場合であって、患者の家族があらかじめ、来院し訪問診療の相談や療養上の指導を行った場合の費用を算定できるようにすること。

要求理由:訪問診療の開始にあたり、紹介状を持って家族のみが来院し、相談や指導を行なうことが増えているが、診療報酬上で何らかの保障ができるようにすべき。

[K-1-(2)] 医療安全管理体制、褥瘡対策、院内感染予防対策等、減算方式の点数設定を撤廃すること。

要求理由:医療の安全確保のためには、何よりも十分な人員の確保と管理体制の強化が必要であり、そのためには、診療報酬の評価が必要である。低い入院基本料をさらに減額をするような制度では、医療の安全確保は図れない。

2 医科診療報酬点数表に沿っての個別要求                               

… 初・再診料 …

[K-2-(1)] 初診料(A000)、再診料(A001)、外来診療料(A002)

[K-2-(1)-@] 初・再診料を基本的技術料として十分に評価し、引き上げること。初・再診料の病診格差、病床数格差を解消すること。

要求理由:基本的技術料である、初・再診料の引き上げは優先して実施されるべきものである。同時に、患者側から見て、病診・病床数格差には正当性がなく、解消する必要がある。

[K-2-(1)-A] 乳幼児加算を大幅に引き上げること。

要求理由:乳幼児医療に対する評価と乳幼児医療体制の確保のために加算を大幅に引き上げること。

[K-2-(1)-B] 複数科標榜であって、それぞれに別の専任の医師が診療する場合で、それぞれ初診・再診が行われた場合には、従たる診療科においても、初診料又は再診料の算定を認めること。

要求理由:最初内科に受診し、必要があり眼科に受診するような場合、眼科医の診察料を全く認めないのは不合理である。

[K-2-(1)-C] 時間外加算の算定は、「診療応需体制」を解除しているかどうかにかかわらず、標榜時間を基準とすること。

要求理由:診療応需体制を解除していることを時間外加算の算定要件にするのは、正当性がなく、「標榜時間」を超えているかどうかを判断材料にすべきである。

[K-2-(1)-D] 診療所から診療所への紹介患者加算を例外なく認めること。

要求理由:現在、診療所においては、原則算定できない取り扱いだが、紹介患者に対する加算を算定できるようにすること

[K-2-(1)-E] 継続管理加算を廃止し、再診料の所定点数を引き上げること。

要求理由:点数の趣旨及び算定方法をみても無意味な点数で、患者にもわかりにくい。

[K-2-(1)-F] 精神科におけるEメールによる相談や、聴力障害・言語障害があって電話を使用することが困難な場合については、EメールやFAXによる相談を電話再診に準じて算定できるようにすること。

要求理由:これらの相談が認められれば、患者の療養の改善が期待できる。

[K-2-(1)-G] 一般病床200床以上の病院における外来診療料の検査の包括範囲から、HbA1c、尿蛋白定量検査、尿アルブミン検査等を除外して出来高算定できるようにすること。

要求理由:基本的には行った検査等が出来高で算定できるべきだが、特に上記の検査は不合理である。

[K-2-(2)]  外来管理加算(A002への加算)

[K-2-(2)-@] 外来管理加算を引き上げ、病診格差をなくして一般と老人を同一点数とすること。

要求理由:一般と老人、病院と診療所による格差をなくすべきである。

[K-2-(2)-A] 処置・リハビリ等を行った場合で、外来管理加算より点数が低くなった場合、外来管理加算での算定を認めること(労災での取り扱いと同様)。

要求理由:処置等を行なえば、行なわないときより点数が低くなる取り扱いは、おかしい。労働災害保険でも認められており、同様に認めるべきである。

[K-2-(2)-B] どのような検査を行なった際にも、外来管理加算を算定できるようにすること。

要求理由:外来管理は、本来検査等に基づき行なうべきものである。

… 指導管理等 …

[K-2-(3)] 指導管理等の全体に係るもの

[K-2-(3)-@]  指導管理料は、それぞれ独立した医療行為に対する点数として、併算定できるようにすること。

要求理由:必要があって複数以上の指導管理を行なう場合は、さらに知識と技術を要するものであり、併算定できないのは不合理である。

[K-2-(3)-A]  初診の日に確定診断がつき、かつ、所定の指導を行ったものについては、初診の日から指導管理料を算定できるようにすること。

要求理由: 初診の日から所定の指導を行っているのに、初診の日には算定ができないのは不合理である。

[K-2-(4)] 特定疾患療養指導料(B000)、老人慢性疾患生活指導料

[K-2-(4)-@] 特定疾患療養指導料、老人慢性疾患生活指導料を「慢性疾患生活指導料」として一本化し、月2回の算定から月1回の算定に変更すること。所定点数を引き上げ、200床以上の病院も含め医療機関の種別にかかわらず同点数で算定できるようにすること(450点)。

要求理由:患者側から見て、病診・病床数格差には正当性がなく解消すべき。

[K-2-(4)-A] 特定疾患療養指導料・老人慢性疾患生活指導料は、内科系疾患に限らず、治療計画を作成し、服薬、運動、栄養等の療養上の指導を要する疾患すべてに対象を拡大すること。

例)心筋症、房室ブロック、心臓弁膜症、低血圧症、高尿酸血症、変形性膝関節症、緑内障、網膜剥離、アルコール依存症、非定型抗酸菌症、認知症、塵肺症、貧血(悪性、鉄欠乏性)、関節リウマチ、慢性腎炎、慢性腎不全、慢性肝炎(非ウイルス)、肝硬変症、逆流性食道炎、更年期障害、急性腎炎、骨粗鬆症、バージャー病、血栓性静脈炎、前立腺肥大症、神経因性膀胱、再発性尿路結石、性腺機能不全

要求理由:治療計画を作成し、服薬、運動、栄養等の療養上の指導を要する疾患は、内科系疾患に限らない。こうした指導を要する疾患に対する指導を評価することは、疾病の重症化をおさえることになる。

[K-2-(5)] 特定薬剤治療管理料(B001の2)

テオフィリン投与の小児の喘息患者については、血中濃度の測定回数に応じた加算点数を設定すること。また、4月目以降は所定点数の100分の50の算定しか認めない逓減制を廃止すること。

要求理由:小児の場合にはこまめな血中濃度のチェックが必要でありコストがかかる。また、50/100の点数では検査に要する費用との間で逆ザヤとなること、とくに「治療管理」の中断、再開の規定がないために一度「治療管理」を始めると、治癒まで50/100の算定となり、逆ザヤの状態が継続する。

[K-2-(6)] 悪性腫瘍特異物質治療管理料(B001の3)

悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ 測定方法が精密なもの」に新たに「3項目以上の場合」の点数を新設すること。

要求理由:必要に応じて実施した場合の費用を弁償するため

[K-2-(7)] 小児科特定疾患カウンセリング料(B001の4)

1年を限度とする算定制限を廃止すること。

要求理由:対象となっている小児心身症及び神経症の患者については1年以上のカウンセリングを必要とする場合が多い。

[K-2-(8)] 手術後医学管理料(B001の5)

[K-2-(8)-@]  手術後医学管理料の算定対象を、入院の日から10日以内の手術に限定しないこと。

 要求理由:入院後10日以内の手術を予定して入院しても、その後の検査結果等により手術の実施が遅れることはある。例えば合併症を多く持つ患者では慎重な術前検査が必要となり、入院から10日を過ぎることは珍しくなく、このような患者ほど術後管理は大変で、むしろ術後管理を手厚く評価されるべきであり、手術後医学管理料の算定対象から外すのは不合理。せめて入院から30日以内の手術まで対象を広げるべきであると考える。

[K-2-(8)-A] 手術後医学管理料を算定する同月に、同一の手術について手術前医学管理料を算定する場合に、手術後医学管理料を100分の95で算定する取り扱いを廃止すること。

要求理由:手術前医学管理料は手術前に行われる検査・画像診断を評価した点数であり、手術後の医学管理にかかる費用は含まれていないことから、手術前医学管理料の算定の有無により減点される根拠がない。

[K-2-(9)] 難病外来指導管理料(B001の7)

難病外来指導管理料について、特定疾患療養指導料と同じ点数に引き上げること。

要求理由:難病の指導管理は他の疾患より手間と時間を要することが多く、他の指導管理料と比べても評価が低い。

[K-2-(10)] 皮膚科特定疾患指導管理料(B001の8)

 皮膚科特定疾患指導管理料(K)については年齢制限を撤廃し、アトピー性皮膚炎の患者に対する「外用療法を必要とする」との要件をなくし、16歳未満の患者も対象とするとともに、小児科、アレルギー科標榜の医療機関も算定対象とすること。また、皮膚科特定疾患の点数を引き上げること。 

要求理由:アトピー性皮膚炎については、外用療法を行なわず生活指導等のみで治療にあたる場合があるが、指導に時間を要するため評価すべきであると考える。また、小児においても計画的な医学管理が必要であり、年齢制限の根拠はない。また、アトピー性皮膚炎の専門科は皮膚科とは限らない。

[K-2-(11)]  外来栄養食事指導料(B001の9)、入院栄養食事指導料(B001の10)、集団栄養食事指導料(B001の11)

外来栄養食事指導料、入院栄養食事指導料、集団栄養食事指導料を大幅に引き上げること。また、対象食に「食物アレルギー治療食」を追加すること。

要求理由:食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎の場合、外用・内服薬だけでなくアレルゲンとなる食物の除去療法というものがある。小児科で、アレルゲンを特定したものの、それを除去する食事については、簡単に除去できるものから、代用となる食材や献立を細かく説明しないといけないケースがある。

[K-2-(12)] 高度難聴指導管理料(B001の14)

人工内耳埋込術を行った日から起算して3月以内の患者以外の患者に対しても、主治医の判断で必要な期間月1回に限り算定できるよう改めること。

要求理由:人工内耳埋込術をしない患者の場合、1回のみの算定となっている。専門医会でも要望がある内容。

[K-2-(13)] 慢性維持透析患者外来医学管理料(B001の15)

他院に入院した月の場合にも算定可能とすること。

要求理由:本項目が新設された時の厚生省(当時)の疑義解釈では算定可能であった。

[K-2-(14)] 小児科外来診療料(B001-2)

小児科外来診療料の所定点数を引き上げるとともに、「一日につき」の規定を改め、同日再診の場合でも別途算定を認めること。また診療情報提供料の別途算定を認めること。

要求理由:3歳未満の患者が同日に再診となる場合は症状が悪化していることが多く、治療により多くの手数がかかることが多く、点滴注射の場合など不採算となることが多い。

[K-2-(15)] 診療情報提供料(B009〜B011-2)

[K-2-(15)-@] 入院中の患者を、検査等の目的で他医療機関に紹介した場合も診療情報提供料を算定できるようにすること。

要求理由:入院先医療機関で行なえない専門的な検査を行なうにあたり、診療情報提供書による患者紹介の必要があるため。

[K-2-(15)-A] 診療情報提供料について、生活習慣病指導管理料との併算定を認めること。

要求理由:診療情報提供の費用を包括すべきではない。

[K-2-(15)-B] 情報提供の対象によって点数格差を設定せず、診療所と診療所、又は病院と病院間での診療情報提供料(A)についても290点の算定にすること。

要求理由:情報提供の対象によって点数格差を設定する根拠がない。

[K-2-(15)-C] 紹介を受けた側から照会元へ返事(情報提供)をした場合の評価を新設すること。

要求理由:紹介を受けた側から照会元への返事(情報提供)をした場合等の医療機関間の連携を評価すること。

[K-2-(15)-D] 同一月に、同一医療機関の異なる診療科の医師に文書を添えて患者を紹介した場合に、紹介診療科毎に診療情報提供料の算定を認めること。

 要求理由:診療科毎に異なる医師が勤務する医療機関に対して、複数科に患者を紹介する場合、情報提供書はそれぞれ診療科毎に作成しなければならず、同一医療機関毎に月1回算定という取り扱いは不合理。

[K-2-(16)] 指導料の新設

[K-2-(16)-@] 外来において要件を満たした場合に薬剤管理指導料が算定できるようにすること。

要求理由:外来で算定できないのは、不合理である。

[K-2-(16)-A] セカンドオピニオン相談料を新設すること。

要求理由:よりよい医療を提供するためにセカンドオピニオンについては、健康保険で認める必要がある。

[K-2-(16)-B] 患者や家族から社会生活上の問題や心理的な不安などの相談があり、専任のカウンセラーが15分以上対応した場合の点数を新設すること。

要求理由:社会生活上の問題や心理的な不安などに対する相談は、専門的知識と時間を要するものであり、一定時間がかかる相談に応じた場合の点数を設定すべき。

[K-2-(16)-C]  障害者等生活指導料を新設すること。

 障害(視覚障害、聴覚障害を含む)により低下した生活の質をできるだけ元のレベルにまで高めることが重要であり、そのための生活指導を評価する「障害者等生活指導料」を設定すべき。

… 在宅医療 …

[K-2-(17)] 在宅医療に係る全般的事項

[K-2-(17)-@] 「寝たきり老人在宅総合診療料」や「在宅時医学管理料」などは、一般・老人にかかわりなく算定できるようにすること。

要求理由:年齢による差を設ける正当な理由がない。

[K-2-(17)-A] 在宅の部で算定する薬剤についても、投薬の部に準じて処方料、処方せん料の算定対象とすること。

要求理由:在宅の部の薬剤は臨時的処方というよりは、継続的、長期的使用が多い。

[K-2-(17)-B] 「保険医療機関は訪問診療料等のうち、いずれか1つを算定した日においては、他のものを算定できない」とする取り扱いを廃止すること。

要求理由:訪問診療等後に他の訪問診療料等(特に訪問看護)が必要な患者がある。

[K-2-(17)-C] 「一つの保険医療機関が訪問診療料等のいずれか1つを算定した日については、当該保険医療機関と特別の関係にある他の保険医療機関は訪問診療料等を算定できない」「保険医療機関と特別の関係にある訪問看護ステーションが、当該保険医療機関の医師から訪問看護指示書の交付を受けた患者について、訪問看護療養費を算定した日においては、当該保険医療機関は訪問診療料等を算定できない」とする取り扱いを廃止すること。

要求理由:訪問診療等後に他の訪問診療料等(特に訪問診療)が必要な患者がある。また、難病等複数回訪問加算の対象患者や、急性増悪、末期のために一時的に頻回訪問が必要な患者については、一日複数回訪問が必要な場合があるが、事業所が一カ所の場合、対応が困難な場合がある。

[K-2-(18)] 往診料(C000)

[K-2-(18)-@] 往診料を引き上げること。

要求理由:往診料は、1996年に570点から650点に引き上げられてから10年を超える間据え置かれている。基本的な費用である往診料の引き上げが必要である。

[K-2-(18)-A] 難路加算、暴風雨雪加算を設けること。

要求理由:困難な往診に対する評価を行なう。

[K-2-(18)-B] 休日加算、早朝往診加算(おおむね午前6時〜9時までの)を設けること。

要求理由:特別な時間帯における往診に対する評価を行なう。

[K-2-(18)-C] 緊急往診については、おおむね午前8時〜午後1時までとの要件を廃し、標榜時間内であって、入院中の患者以外の患者に対して診療に従事している場合に緊急に求められて往診をした場合は午後であっても算定できるようにすること。また、緊急往診の加算の対象疾患については医師の裁量に任せること。

要求理由:午前も午後も要件は同じである。また、具体的な疾病として例示された傷病名でしか算定を認めない都道府県があるが、そもそも診療を中断してでも緊急に往診を要する場合しか算定ができないものであり、対象疾患は医師の裁量に任せるべきである。

[K-2-(18)-D] ケアハウス、グループホーム等における「同一患家二人目」の取り扱いをやめ、患者の支払いに不平等が生じないようにすること。

要求理由:ケアハウス等における2人目以降患者への往診料の不合理を是正する。

[K-2-(19)] 在宅患者訪問診療料(C001)

[K-2-(19)-@] 「医師又は看護師等が配置されている施設に入所している患者については算定の対象としない」となっているが、この取り扱いは、介護老人保健施設等常勤の医師が配置されている施設に入所している患者のみに限定すること。

要求理由:常勤の医師が配置されていない施設への訪問診療料の制限は、適切な医療の提供を阻害している。

[K-2-(19)-A] 週3回の回数制限をなくすこと。

要求理由:回数制限を設けて必要な回数の訪問診療の実施を規制するべきではなく、必要に応じて訪問ができるようにすべきである。

[K-2-(19)-B] 急性増悪時の頻回訪問について、医師が必要と認めた場合は14日の制限を超えて算定できるよう要件を緩和すること。

要求理由:[K-2-(18)-A] が実現できれば、この要求の必要はないが、少なくとも、急性増悪期の緩和を実施すべきとの意味から要求

[K-2-(19)-C] 往診の翌日に行った訪問診療料の算定を認めること。少なくとも急性増悪時の頻回訪問を実施している期間は認めるべきである。

要求理由:急性増悪期の緩和を実施すべきとの意味から要求

[K-2-(19)-D] 急性増悪時については、同一患者に1日に2回以上の訪問診療の算定を認めること。

要求理由:同一日に2回の訪問診療を定期的に要する患者がおり、必要に応じて実施した場合の費用を評価すべき。

[K-2-(19)-E] 1人の寝たきり患者を診療科の異なる複数の医師で管理する場合、双方で訪問診療料の算定を認めること。

要求理由:外来通院している患者は、疾病の状態によって複数の医療機関を受診し、それぞれ専門的な治療が受けられるように、在宅でも複数の診療科からの訪問診療が認められなければ質の高い医療の提供が困難になる。

[K-2-(19)-F] ケアハウス、グループホーム等における「同一患家二人目」の取り扱いをやめ、患者の支払いに不平等が生じないようにすること。

要求理由:ケアハウス等における2人目以降患者への在宅患者訪問診療料の不合理を是正する。

[K-2-(20)] 在宅患者訪問看護・指導料(C005)

[K-2-(20)-@] 在宅患者訪問点滴注射管理指導料の算定の可否に関わらず、医師が診療に基づき看護職員に在宅での注射を指示した場合の注射手技料及び注射に用いた薬剤料の算定については認めること。またこのような注射が必要な患者の場合には介護保険の訪問看護から医療保険での訪問看護に切り替え算定できるようにすること。

要求理由:必要があって実施した皮下・筋肉内注射、静脈注射、点滴注射に関わる手技料及び薬剤料の算定は、認めなければ不合理である。

[K-2-(20)-A] 頻回訪問の限度日数を撤廃し、また、難病等複数回訪問加算を病名に関わらずすべての患者に適用すること。

要求理由:頻回訪問の必要性及び訪問日数(回数)はあくまでも患者の容態によるものであり、頻回訪問の14日間を限度とする規定や複数回訪問の病名による制限は撤廃すべきである。

[K-2-(20)-B] 在宅移行管理加算を廃止し重症者管理加算を新設すること。

要求理由:在宅移行管理加算と訪問看護ステーションの重症者管理加算に算定回数の格差を設けることには合理的理由がなく、重症者管理加算を医療機関の訪問看護にも適用すべきである。

[K-2-(20)-C] 医療機関からの「在宅患者訪問看護・指導料」を、訪問看護ステーションの基本療養費、管理療養費と同等に引き上げて是正すること。

要求理由:医療機関においても訪問看護を行なう場合は、それなりに施設整備を要しており、格差を設ける正当性がない。

[K-2-(20)-D] 「末期の悪性腫瘍その他厚生労働大臣が定める疾病等の患者」に「全ての特定疾患治療研究事業の対象疾患」「認知症その他特に頻回の訪問看護を要する患者」を加えること。

要求理由:当該疾病以外にも、認知症等で頻回の訪問看護が実施されなければ施設入所を検討しなくてはならない事例が少なくない。また、全ての特定疾患治療研究事業の対象疾患を加えるべきである。

[K-2-(20)-E] ターミナルケア加算の算定要件のうち、「死亡前24時間以内のターミナルケア」の規定を削除すること。

要求理由:ターミナルケア加算は、1ヵ月以上の訪問看護・指導の実施と死亡前24時間以内のターミナルケアが要件となっているが、死亡前24時間以内に医師と一緒に訪問した場合、在宅患者訪問看護・指導料の算定のみならず訪問看護のターミナルケア加算までが算定できなくなる矛盾がある。在宅患者訪問診療料のターミナルケア加算と同様に「1カ月以上の訪問看護・指導の実施」のみを算定要件にすべきである。

[K-2-(21)] 在宅患者訪問点滴注射管理指導料(C005-2)

 在宅患者訪問点滴注射管理指導料は、週1日以上の点滴注射を行なう必要を認めたものについて算定するようにすること。

要求理由:在宅患者への訪問点滴は、症状の急変により3回以上ではなく、1〜2回程度必要になることがある。

[K-2-(22)] 訪問看護指示料(C007)

指定先ごとに月1回の算定を認めること。

要求理由:複数の訪問看護ステーションに指示書を記載する場合は、それぞれに指示する内容が異なるものであり、2箇所に指示をしても1回しか認めないのは不合理である。


[K-2-(23)] 在宅療養指導管理料全体について

[K-2-(23)-@] 寝たきり老人在宅総合診療料(在宅総合)と在宅療養指導管理料の所定点数との併算定をできるようにすること。

要求理由:在宅総合における管理の内容とは別に療養指導管理がそれぞれに必要であり、併算定を禁止することが不合理である。

[K-2-(23)-A] 複数の在宅療養指導管理を行った場合に、それぞれの在宅療養指導管理料の算定を認めること。

要求理由:在宅での療養に際して、異なる内容の指導管理を行ったにも関わらず、主たる指導管理の費用しか算定できないのは不合理であり、従たる指導管理についても適正に評価すべきである。

[K-2-(23)-B] 在宅療養指導管理料を算定した月に行った特定疾患療養指導料など指導管理等の部の併算定ができるようにすること。

要求理由:在宅療養指導管理と指導管理等の併算定を禁止することは、不合理である。

[K-2-(23)-C] 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料を算定できる使用薬剤の未消化態タンパクを含まないものという制限を外すこと。

要求理由:在宅患者に対して、鼻腔栄養で在宅成分栄養経管栄養法指導管理料の栄養管セット(加算)を使用し、エンシュアリキッドを投与する医療機関がある。この場合、エレンタール等未消化態たんぱくを使用していないため、在宅寝たきり患者処置指導管理料で算定することになり、栄養セット加算は算定できないのは不合理である。

[K-2-(24)] 在宅自己注射指導管理料(C101)

[K-2-(24)-@] 在宅自己注射指導管理料を引き上げること。

要求理由:在宅自己注射指導管理料における注入器加算の取り扱いの変更による実質的な引下げ分を、本体点数の引き上げによって補うべき。

[K-2-(24)-A] 在宅自己注射指導管理料算定患者について、訪問診療の日に併せて行った皮下・筋肉内注射(当該指導料に係る薬剤以外)、静脈内注射及び点滴注射は別に算定できないとする制限を廃止すること。

要求理由:在宅療養指導管理料に含まれていない注射を訪問診療時にあわせて算定できないとする算定制限は、在宅療養指導管理料の包括する費用の拡大解釈であり、不合理である。

[K-2-(24)-B] 在宅自己注射指導管理料の血糖自己測定指導加算を独立させて在宅血糖自己測定指導料を新設し、回数による点数をそれぞれ引き上げること。また血糖測定器は特定保険医療材料として請求ができるようにすること。

要求理由:糖尿病患者は生活様式の変化によって生活習慣病として増加している。インスリン投与に至らないまでに血糖を自己測定させ生活改善を指導することは厚生労働省の提唱する「健康日本21」の理念にも合致するものである。また、血糖自己測定を頻回に行っている場合、データに目を通して細かく指導を行い、時間がかかるにも関わらず、測定回数の差による点数幅が、試験紙代、穿刺器代に見合わないため引き上げるべきである。血糖測定器の費用は「物代」として指導管理料とは分離し、特定保険医療材料として請求ができるようにすべきである。

[K-2-(24)-C] 注射針回収及び感染性廃棄物の処理の費用を保障すること。

要求理由:注射針は、その患者に対する医療行為の結果発生するものであり、その費用は、その患者の診療費の請求にあわせて請求すべきものである。

[K-2-(25)] 在宅自己導尿指導管理料(C106)

 在宅自己導尿指導管理料算定時に使用する間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル以外のカテーテルの算定を認めること。

要求理由:材料は別に算定すべきである。

[K-2-(26)] 在宅人工呼吸指導管理料(C107)

在宅人工呼吸指導管理料の点数を引き上げること。

要求理由:在宅人工呼吸の指導は複雑で、検査に機器も人手もかかる。また人工呼吸装置に必要な回路部品その他の付属品にかかる費用は別に算定できないため、指導管理料の点数としては複雑さに見合うものとなっていない。指導管理料の引き上げを行なうべきである。

[K-2-(27)] 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(C107-2)

在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を引き上げること。

要求理由:在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料は250点であり、あわせて算定できないとされている「特定疾患療養指導料」450点(225点、月2回算定)より低い。例えば、高血圧症で通院中の患者が睡眠時無呼吸症候群であることがわかり、持続陽圧呼吸療法装置による療法を開始することにした場合、器具加算を算定するためには同指導管理料(250点)を算定しなければならず、これまでの特定疾患療養指導料算定時よりは、実質的に点数が下がるということになる。

[K-2-(28)] 寝たきり老人在宅総合診療料(在宅総合)

[K-2-(28)-@]  初診月において、初診の日の往診を含め月に2回以上の往診又は訪問診療があった場合は在宅総合を算定できるようにすること。

要求理由:初診月は、初診日以外に月2回以上の往診又は訪問診療が必要となる扱いであるが、初診である往診時における診察により在宅療養計画を作成する。したがって、在宅総合の算定要件を満たす。

[K-2-(28)-A ]24時間連携体制加算(J)における「特別の関係にある医療機関同士の連携を認めない」とする規定を削除すること。

要求理由:緊急時の連携において「特別の関係」による制約は不必要と考える。同一医療機関の親子連携を認めて、2つの医療機関での親子連携が認められないのは不合理である。

[K-2-(28)-B ]ターミナルケア加算における「前月に在宅総合診療料を算定している場合」という規定を削除すること。

要求理由:告示の「1カ月以上算定」という規定で十分である。継続して在宅総合を算定して(1カ月以上在宅総合を算定)、たまたま前月に月1回の訪問となって算定できなかった患者が月初めに死亡したケースで、死亡日前日と死亡日に往診しており、月2回の往診により在宅総合の算定が可能であっても、前月算定していなければターミナルケア加算は不可というのは不合理なため。 

[K-2-(29)] 寝たきり老人訪問指導管理料

一般にも同様の指導管理料を新設すること。

要求理由:年齢によって差を設けることは、不合理である。

[K-2-(30)] 退院患者継続訪問指導料

一般と一本化し、一般患者にも認めること。

要求理由:年齢によって差を設けることは、不合理である。

… 検査 …

[K-2-(31)] 検査の全般的事項

[K-2-(31)-@] 院内で行った場合に算定する検査の所定点数を引き上げること。

要求理由:尿沈渣顕微鏡検査など、医師の経験が必要かつ多大な手間を要するのに27点では低すぎる。

[K-2-(31)-A] 腫瘍マーカーの算定回数の制限をなくすこと。少なくともじん肺患者への定期的な腫瘍マーカー検査や前立腺癌患者に対するPSA検査の算定回数制限をなくすこと。

要求理由:専門医会からも要望がある。必要に応じて認めるべき、医学的に不合理。腫瘍マーカーPSA高値の場合、PSA検査料を1ヵ月2回以上認めるべきである。

[K-2-(31)-B] 同一検体に対し複数の検査を行っても主たるもののみの算定になる取り扱いを止め、個々の検査ごとに算定できるようにすること。また、検査の種類や回数は、医学的な必要に応じて実施できるようにし、種類や回数にあらかじめ上限を設けないこと。

例)特異的IgE検査が14項目以上になった場合や皮内反応検査が15項目を超えた場合など。

要求理由:必要に応じて実施した検査が認められないのは、不合理。

[K-2-(31)-C] 検査において、実施方法の如何にかかわらず、使用したフィルム代、電子媒体等の費用を算定できるようにすること。使用する薬剤は、15円以下であっても算定を認めること。また、涙液分泌機能検査で使用するシルメル試験紙の材料費を保険請求できるようにすること。

要求理由:検査に伴う材料代などは、使用した量に応じて請求できるようにすべき。

[K-2-(32)] 検体検査

[K-2-(32)-@] HbA1c、HbA1、フルクトサミン、グリコアルブミン、1,5AGについて同一月に主たるもの1回のみの算定とする取り扱いを改め、主治医が必要と判断した場合は、算定を認めること。

要求理由:糖尿病学会からの是正の申し入れあり。

[K-2-(32)-A] BNP、HANPが1週間以内に行った場合はあわせて算定できないが、根拠が明確でないので算定できるようにすること。

要求理由:BNPとHANPの併算定禁止の根拠がない。

[K-2-(32)-B] RSウイルス抗原精密測定について、「入院中の」患者に限定する算定要件を改め、入院外の患者にも認めること。

要求理由:入院外の患者の算定を禁止する根拠がない。

[K-2-(32)-C] 血液ガス分析について、院外検査でも算定を認めること。

要求理由:院内検査でなければならない明確な根拠がない。

[K-2-(32)-D] 赤血球沈降速度測定を院外検査でも認めること。

要求理由:院内検査でなければならない明確な根拠がない。結核が増加しているなどの問題もあり、院外検査でも請求を認めるべき。

[K-2-(32)-E] 大腸菌検出のため細菌培養同定検査を行った後、O抗原H抗原の同定を行なうと細菌培養同定検査が算定できなくなり、大腸菌同定検査に変更となる。月またぎの時など請求に混乱を来たしているので、両方とも算定できるようにすること。

[K-2-(32)-F] 検体検査の点数については、検査委託費と逆ざやにならないよう十分に実態を配慮して設定すること。また、検体検査判断料を引き上げること。

要求理由:検体検査の一部に、検査委託費よりも低い点数設定がある。

[K-2-(32)-G] 排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査は検体が隣接部位であっても検出する部位ごとに点数を設定すること。

要求理由:必要に応じて実施した検査が認められないのは、不合理。

[K-2-(32)-H] ノロウィルス検査(迅速法)を新設すること。

要求理由:ノロウィルス感染による死亡事故の発生状況等を報告した。感染したら検査をして原因を調べるよりも適切な治療をすることが大切であるが、療養病床、施設などで高齢者が集団生活をしている場合はあわせて原因を調べることも必要なので、ノロウィルス検査を保険点数に収載するよう要望する。

[K-2-(32)-I] 血中IGF-1、ペプシノーゲン検査を保険適用すること。

要求理由:専門医会からの要望。


[K-2-(32)-J] 生化学1の固定化酸素電極による血中糖検査を別に設定すること。

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(32)-K] 真菌・皮膚寄生虫顕微鏡検査を分離し、新点数を設定すること。

 要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(33)] 生体検査

[K-2-(33)-@] 検査の難易度や検査にかかる時間、医師の技術料を評価して、汎用点数を引き上げること。

例)

@ D215「超音波検査(3)UCG」は800点(断層撮影法、Mモード法)、D210「ホルター型心電図検査(8時間超)」は1500点である。一方D211「トレッドミルによる負荷心機能検査、バイシクルエルゴメーターによる心肺機能検査」は700点となっている。器質的心疾患を有する患者に負荷をかけるというこの検査の危険性、また緊急時に対応可能な人的配置の必要性、さらに得られる情報の大きさを考えると、他の生体検査に比して著しく評価が低い。

A D273細隙燈顕微鏡検査、D255眼底検査の点数は十年来引き上げられていない。

要求理由:生体検査は医師の技術によるところが大きく、現在の検査機器の価格に偏重した点数評価を改めるべき。

[K-2-(33)-A] D263矯正視力検査とD261屈折検査を併施した場合には、屈折異常の疑いがあるとして初めて検査した場合又は眼鏡処方箋を交付した場合に限りあわせて算定できる、という通知を削除し、必要な場合は算定を認めること。

要求理由:必要に応じて、屈折検査を行った後に矯正視力検査を行った場合は、双方の手技料を認めるべきである。

[K-2-(33)-B] D263矯正視力検査に含まれる屈折異常に対する眼鏡処方せん料を別に認めること。

要求理由:眼鏡処方せんの交付の費用は、別に評価されるべきである。

[K-2-(33)-C] D219ノンストレステストは入院中以外の患者にも算定可能にすること。

要求理由:胎児性仮死(潜在性を含む)の診断は、入院して行なうものだけでは不十分である。通院中にも仮死を疑って実施している現状だから、実状に合致した取り扱いとすること。

[K-2-(33)-D] D223経皮的動脈酸素飽和度測定の対象に喘息発作時等の呼吸困難状態を追加すること。

要求理由:飽和度測定の対象として認めるべき

[K-2-(33)-E] D245鼻腔通気度検査の算定制限を撤廃すること。

  要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(33)-F] 嚥下機能検査を点数化すること。

 要求理由:専門医会からの要望。摂食嚥下障害が大きくクローズアップされ、嚥下障害例の診断や嚥下機能評価等が耳鼻咽喉科の専門診療領域のものとして増加してきている。

[K-2-(33)-G] D279角膜内皮細胞顕微鏡検査の適応範囲を拡大すること。

 要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(33.)-H] D302気管支ファイバースコピーの点数を引き上げること。

 要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(33)-I] D313全結腸内視鏡(盲腸まで)の点数を引き上げること。

 要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(33)-J] 「生体検査料」項目において、ダーモスコピーを新設し「皮膚科学的検査」とすること。

 要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(33)-K] 内視鏡検査、超音波検査の記録に要した費用(従来のものに加え、CD-ROM等の電子媒体等を含む)を点数化すること。

 要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(34)] 検体採取料

非常に低い血液採取料の点数を引き上げること。入院中の患者にも算定できるようにすること。

要求理由:入院外に限る正当な理由がない。また、静脈12点、その他6点は技術と労働の評価としてあまりにも低い。

… 画像診断 …

[K-2-(35)] 画像診断

[K-2-(35)-@] 別の医療機関で撮影したCT・MRIフィルムを診断した場合、再診患者にもコンピュ−タ−断層診断料の算定を認めること。

要求理由:初診の場合だけでなく、再診患者であっても別の医療機関で撮影したCT、MRIフィルム診断を要する場合がある。

[K-2-(35)-A] 透視下での手術・処置の場合、補助手段として行なう透視についても透視診断料の算定を認めること。

要求理由:実際に行った透視診断料を算定できるようにすべきである。

[K-2-(35)-B] 6歳未満の乳幼児に対するフィルム料の加算(10%)を引き上げるとともに、胸部・腹部のみに限らず、写真・診断の場合すべてに加算を認めること。

要求理由:損耗量が多いために10%の加算が設定されているが、10%の加算率では、医療機関の持ち出しになっているのが現状である。胸部・腹部のみならず、頭部・上肢・下肢についても損耗量が多い。

[K-2-(35)-C] 振戦の激しいパーキンソン病患者、多動な障害者等についても、フィルム料の加算を認めること。

要求理由:損耗量が多い。

[K-2-(35)-D] 同一部位・同時・同一方法の撮影において、診断及び撮影費用の逓減制をなくすこと。

要求理由:撮影は実際に行っている。

[K-2-(35)-E] デジタル映像化処理加算について、後日であってもプリントした場合にフィルム料を算定できるようにすること。

要求理由:実際にプリントしたフィルム料を算定できるようにすべきである。

…投薬…

[K-2-(36)] 調剤料(F000)

[K-2-(36)-@] 調剤料を引き上げること。

要求理由:投薬に対する評価が低すぎる。

[K-2-(36)-A] 院内処方を行なう医療機関のうち薬剤師が調剤に従事する場合の評価を、保険調剤薬局と同等とすること。

要求理由:薬剤師が行なう技術は同等に評価すべきである。

[K-2-(37)] 処方料(F100)

[K-2-(37)-@] 処方料を引き上げること。

要求理由:医師の技術料を適正に評価すべきである。

[K-2-(37)-A] 多剤投与の場合の処方料、処方箋料、薬剤料を減額する措置を廃止すること。

要求理由:症状が多様である又は重症等のために、多剤投与するのであり、診療にも時間がかかり、薬剤もたくさん使用する。減額の根拠も不明であり、減額措置は不当である。

[K-2-(37)-B] 緊急やむを得ず院内処方と院外処方による投薬を行った場合は、院内処方の処方料、調剤料と処方せん料の算定を認めること。

要求理由:院内処方分の処方や、調剤に対する技術評価をすべきである。

[K-2-(37)-C] 特定疾患処方管理加算について、厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者に処方を行なった都度、投与日数に応じた加算点数を算定できるようにすること。

要求理由:投与のたびに処方管理は行われるべきであり、処方日数を基礎に同一月内2回以上の算定ができるべきである。

[K-2-(37)-D] 特定疾患処方管理加算について、厚生労働大臣が定める疾患に「難病外来指導管理料の対象疾患を主病とする患者」を加えること。

 要求理由:難病の処方管理は他の疾患より手間と時間を要することが多く、特定疾患療養指導料の対象疾患を主病とする患者と同様の評価をすべき。

[K-2-(38)] 薬剤料(F200)

[K-2-(38)-@] 同一薬効・同一薬価のジェネリック薬剤については、一般名での保険請求を認めること。

要求理由:銘柄別収載方式は、同一成分・同一規格の薬価を見比べて活用することがしづらく、大手製薬メーカーの一方的な利益を保障する要因の一つともなっていおり、銘柄間の格差に顕著なものが生じている。したがって正当な薬価を形成するためにも、一般名収載にすべきである。

[K-2-(38)-A] 薬剤の保管損耗管理料を新設すること。

要求理由:技術料や薬剤購入価格以外に、薬剤の有効期限切れやアンプル破損など、保管・損耗経費が必要である。

[K-2-(38)-B] 薬価は、薬剤の製造原価と流通費用、保管費用に基づいて設定すること。

要求理由:いわゆる薬価差は長い間潜在的な技術料といわれてきた。そして、「薬漬け」との誤評を招いた。また新薬の薬価基準収載価格の設定方法の透明性を高める必要がある。

[K-2-(38)-C] 安全性・有効性が確立しており、医学会・専門医会等から適応症の追加が妥当であるとの指摘があるものについては、すみやかに大規模試験かRCTをすること。

要求理由:必要がある場合、厚生労働省は、すぐに対応すべきである。

[K-2-(38)-D] 抗結核剤の適用を拡大し、非定型抗酸菌症に対する使用を認めること。

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(38)-E] 薬価を告知する際の価格は、1円未満の端数をやめ、1円単位にすること。1000円以上の薬価の場合は、10円単位とすること。

要求理由:例えば、フルナーゼ点鼻液1,153.40円/Vは、1回に1本を処方するケースがほとんどであり、端数をつける意味がない。

[K-2-(38)-F] 薬剤料の算定方法が煩雑すぎるので、簡略化をすること。薬価から点数への換算は特定保険医療材料と同一の方法(合計薬価を10で割り端数は四捨五入)すること。

要求理由:薬剤料の計算における端数処理の方法は非常に独特で常識では理解しがたい。社会通念上常識的な取り扱いとすること。

[K-2-(39)] 調剤技術基本料(F500)

 常勤の薬剤師が配置されている医療機関で算定する調剤技術基本料を大幅に引き上げるとともに、調剤薬局で算定が認められている各種指導料の算定を調剤技術基本料算定医療機関でも認めること。

要求理由:薬局との格差を設ける根拠は希薄であり、薬剤師の技術は同等に評価すべきである。

…注射…

[K-2-(40)] 注射料

[K-2-(40)-@] 入院患者に対する皮下・筋肉内注射、静脈注射の手技料の算定を認めること。

要求理由:注射手技に対する技術料評価の観点から、入院患者に対する注射手技料は、別に算定できるべきである。

[K-2-(40)-A] 在宅療養指導管理料算定患者に対する算定制限を止めること。

要求理由:注射手技に対する技術料評価の観点から、在宅患者に対する注射手技料は、別に算定できるべきである。

[K-2-(40)-B] プラスチックカニューレ型静脈内留置針の算定制限を廃止し、医師が必要と認めた場合には算定できるようにすること。(現行:概ね24時間以上にわたって経皮的静脈確保を必要とする場合、6歳未満の乳幼児、ショック状態又はショック状態におちいる危険性のある症例で翼状針による静脈確保が困難な場合に限る。)

要求理由:6歳以上であってショック状態の予見がない症例であっても、患者の心身の状態によって留置針を要する症例がある。必要に応じて使用できるようにすべきである。

[K-2-(40)-C] ビタミン剤の投与制限を廃止すること。少なくとも、IVH・点滴注射及び入院患者についてはビタミン剤の投与制限をしないことを通知で明記すること。

要求理由:医師が医学的に必要と認めた投与を制限することは不合理である。

[K-2-(40)-D] 手技料が算定できない点滴注射を行った場合にも、精密持続点滴注射加算の算定を認めること。

要求理由:少量の薬剤を精密に注射する場合が多い。

[K-2-(40)-E] ショック管理を要する注射を実施する場合の加算点数を新設すること。

要求理由:ショックの管理に通常よりも注意が必要であるため、技術評価の点数を設定すべきである。

[K-2-(40)-F] 回路により点滴を行った場合、回路に係る費用の算定を認めること。

要求理由:点滴に伴う材料代が請求できるようにすべきである。

… リハビリテーション …

[K-2-(41)] リハビリテーション料の全般的事項

[K-2-(41)−@] リハビリテーションの理学療法、作業療法、言語聴覚療法に対する月内逓減制及び算定制限を撤廃すること。撤廃にあたって、点数の引き下げを行なわないこと。

要求理由:実際に行っている行為は同じであり、必要な医療を制限する逓減は全く不当である。

[K-2-(41)-A] 圧迫骨折に対する早期リハビリテーション加算を認めること。

要求理由:圧迫骨折に対する早期リハビリは有用であり、適正に評価すべきである。

[K-2-(42)]  理学療法L(H001-3)

理学療法(L)の通知中、「…看護師、あん摩マッサージ指圧師等…」に准看護師も含めるよう明記すること。

要求理由:理学療法(K)の届出を行った医療機関で実施した理学療法(L)については、准看護師も含むことが明記されており、理学療法(L)についても同様に扱うことを明記すべき。

[K-2-(43)]  摂食機能療法(H004)

 摂食機能療法の算定制限(1月に4回限度)を撤廃すること。撤廃にあたって、点数の引き下げを行なわないこと。

要求理由:専門医会の要望。


… 精神科専門療法 …

[K-2-(44)]  精神科専門療法全般

 対診の場合、対診した医療機関で精神科専門療法が算定できるようにすること。

要求理由:入院患者に対する対診を求められることがあるが、入院先の病院が精神科を標榜していなければ、算定できない。精神科専門療法を実施できるようにすることは、精神科患者に対する専門的治療を確保する上でも重要である

[K-2-(45)]  精神科専門療法の新設

[K-2-(45)-@] 患者の職場(学校)における人間関係の相談等を評価した「精神疾患相談料」を新設すること。

要求理由:人間関係に関する相談については、時間と技術を要するものである。

[K-2-(45)-A] 緊急時における電話相談を評価した「応急精神療法」を新設すること。

要求理由:緊急時に相談できる体制を組むことが重要であり、精神科領域においては通常の再診行為を超える相談を要する。

[K-2-(45)-B] 精神保健福祉士による相談料を新設すること。

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(46)] 通院精神療法(I002)

[K-2-(46)-@] 通院精神療法を引き上げ、回数制限を撤廃すること。

要求理由:必要に応じて通院精神療法を実施できるようにすべき。

[K-2-(46)-A] 主治医が居宅に赴いて行なう通院精神療法と同等の療法を行った場合の評価を「在宅精神療法」として新設し、訪問診療料等にあわせて算定できるようにすること。

要求理由:在宅において、通院精神療法と同様の治療を行なう必要があっても現在は評価されていない。今後、在宅における患者への療法を評価することは重要である

[K-2-(46)-B] 初診時における精神保健指定医と非指定医の点数格差を撤廃すること。

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(47)] 心身医学療法(I004)

 心身医学療法の点数を、通院精神療法並に引き上げること。

 特定疾患療養指導料、ウイルス疾患指導料、小児特定疾患カウンセリング料、小児科療養指導料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、皮膚科特定疾患指導管理料、慢性疼痛疾患管理料、小児悪性腫瘍患者指導管理料、老人慢性疾患生活指導料、認知症患者在宅療養指導管理料又は寝たきり老人訪問指導管理料を算定した月においても心身医学療法の算定を認めること。

要求理由:心身医学療法は、心身症の患者を対象として、当該療法に習熟した医師が行った場合に算定できるものであり、その他の特定疾患療養指導料とは指導対象も方法も異なるものである。

[K-2-(48)] 精神科デイケア、ナイトケア、デイナイトケア(I009〜I010-2)

精神科デイ・ケア等における3年超の算定制限をなくすこと。

要求理由:3年を超える場合に算定制限をする理由がない。

[K-2-(49)] 精神科訪問看護・指導料(I012)

精神科訪問看護・指導料(J)(K)について、週3回の算定制限を撤廃すること。

要求理由:精神障害者(精神疾患患者)は他の疾病患者に比べても容態の変化が激しく、それにより頻回訪問が必要な場合があるため。

… 処置 …

[K-2-(50)] 処置に係る全般的事項

[K-2-(50)-@] 処置に使用する衛生材料等は個別評価点数方式で別途保険請求できるにすること。また、使用する薬剤は、15円以下であっても算定を認めること。

要求理由:処置に使用する衛生材料等を請求できない取り扱いは不合理である。ガーゼ等は日常診療の中で使用する量が多く、治療に際して必要性が高い。

[K-2-(50)-A] 処置の通則の「対称器官に係る処置の各区分の所定点数は、特に規定する場合を除き、両側の器官の処置料に係る点数とする」を削除し、片側ごとに算定できるようにすること。その際、点数の引き下げを行なわないこと。

要求理由:片側を行っても両側を行っても同一なのは不合理である。

[K-2-(50)-B] 「腰部固定帯使用加算」の名称を「固定帯使用加算」に変更するとともに、ポリネック等「頸部固定帯」については、特定保険医療材料に追加すること。

要求理由:ポリネックについては既製品であり、現物提供が可能である。

[K-2-(50)-C] 労災医療と比較して著しく整合性を欠く次の点数の改善を図ること。

ア) 労災医療では、消炎鎮痛等処置は3部位、又は3局所まで算定できるが、保険点数では種類、回数、部位数等に係わらず1日1回しか算定できない。取り扱いを労災医療並に改めること。

イ) 労災医療では、マッサージ等の手技による療法及び器具等による療法と湿布処置をそれぞれ異なる部位に行った場合、湿布処置とは別にマッサージ等の手技による療法及び器具等による療法の点数(2部位まで)が算定できるが、保険点数では算定できない。取り扱いを労災医療並に改めること。

ウ) 労災医療では、消炎鎮痛等処置と理学療法を同時に行った場合、理学療法の点数の他、別途消炎鎮痛等処置の点数(1部位(局所)分のみ)が算定できるが、保険点数では消炎鎮痛等処置は理学療法に含まれ、別途算定ができない。取り扱いを労災医療並に改めること。

要求理由:労働災害に対する医療と同様に取り扱うべきである。

[K-2-(51)] 術後創傷処置(J001)

 術後創傷処置は、術後の経過日数にかかわりなく、術後創傷処置としての算定を認めること。

 要求理由:例えば、二人の患者に同じ手術を行い、ともに14日を超える術後創傷処置が必要となった場合、14日以内で退院ができた患者は、その後も外来で術後処置を行なえば創傷の大きさに関わらず創傷処置としての算定が認められるが、14日以内に退院できない患者は、手術創の大きさによっては、同じ術後処置を行っても算定が認められないのは不合理。

[K-2-(52)] 絆創膏固定術(J001-2)

 絆創膏固定術に使用した絆創膏の費用を別に算定できるようにすること。

要求理由:絆創膏固定に使用した材料を別に算定できるようにすべき。

[K-2-(53)] 摘便(J022-2)

 摘便の点数を引き上げること。また困難な摘便に対する加算を設けること。

要求理由:摘便にかかる経費や労力から見て低すぎる。

[K-2-(54)] 人工腎臓(J038)

 [K-2-(54)-@] 人工腎臓の実施時間によって加算点数を設定すること。

要求理由:医療費抑制のために人工腎臓の実施時間による評価が廃止されたが、実施時間によって費用の格差があり、これを診療報酬で評価すべきである。

 [K-2-(54)-A] 人工腎臓の食事加算を復活すること。

要求理由:医療費抑制のために食事加算が廃止されたが、これを診療報酬で評価すべきである。

[K-2-(55)] 皮膚科光線療法(J054)

[K-2-(55)-@] 長波紫外線又は中波紫外線療法の対象として「重症アトピー性皮膚炎、痒疹、強皮症(全身性、限局性)の皮膚硬化、角化性湿疹」の疾患を追加すること。

要求理由:必要があって皮膚科光線療法を実施した場合は、部位によらず算定できるようにすべき。

[K-2-(55)-A] 皮膚科光線療法と消炎鎮痛等処置の併算定を認めること。

要求理由:必要があって皮膚科光線療法と消炎鎮痛等処置を実施した場合は、双方が算定できるようにすべき。

[K-2-(56)] いぼ焼灼法(J055)

イオントフォレーゼの使用薬剤を別途算定できるようにすること。また、イオントフォレーゼに使用する薬剤の適応を拡大すること。イオントフォレーゼの対象を帯状疱疹後神経痛にも適応を拡大すること。

要求理由:使用した薬剤は別途算定できるべきであり、適応を拡大すべきである。

[K-2-(57)] 鶏眼・胼胝処置(J057-3)

鶏眼・胼胝処置の「一連の治療について、その範囲にかかわらず1回のみ算定」という通知を廃止し、「その範囲にかかわらず、1回の処置ごとに所定点数を算定」とすること。

要求理由:高齢者が健康のためによく歩くようになり、鶏眼・胼胝が両足蹠や各趾に多数できて来院する。スピール膏を何日も貼り続け、1回に何か所もメスで根元まで削っても所定点数を最初に1回のみの算定となる。おまけに翌月にまだ痛いからと受診して来ても何も算定できないのは不合理。

[K-2-(58)] 導尿(J064)

現行の導尿の点数を引き上げるとともに尿道拡張を要しない導尿の点数を新設すること。

要求理由:一般50点、老人35点の導尿の点数は、実際に行なう手技に比べて安い。また、尿道拡張を要しない場合には、導尿を行っても算定できないのは不合理である。

[K-2-(59)] 消炎鎮痛等処置(J119)

[K-2-(59)-@] 消炎鎮痛等処置及び介達牽引に対する算定制限を廃止すること。

要求理由:実際に消炎鎮痛等処置と介達牽引を実施しているのに算定ができないのは不合理である。

[K-2-(59)-A] 消炎鎮痛等処置は、部位ごとの算定を認め逓減制を廃止すること。廃止にあたって点数の引き下げを行なわないこと。

要求理由:専門医会からの要望

[K-2-(60)] ギプス(J129)

[K-2-(60)-@] 治療装具の採型ギプスについて片側ごとの算定にすること。

要求理由:手間・時間を考えると点数設定が低く、かつ、片側を行っても両側を行っても同一なのは不合理である。

[K-2-(60)-A] 治療装具の採型ギプスについて、足底板採型の算定基準を明確にすること。

要求理由: 1 義肢装具採型法(200点)、2 義肢装具採型法(四肢切断の場合)(700点)のどちらをとるのか紛らわしい。通知で「義肢装具採寸法は1」「治療装具採型法は2」となっているだけでわかりづらい。

[K-2-(61)] 処置料の新設

[K-2-(61)-@] 胃ろうチューブ、気管切開チューブ、ガストロボタン、気管カニューレ等の交換手技料を設定すること。

要求理由:各種チューブ・カテーテルの交換には専門性が求められるとともに危険を伴うにも関わらず、手技料が一切評価されないのは不合理である。

[K-2-(61)-A] 気管切開術後のカニューレ交換処置を新設すること。

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(61)-B] 褥瘡処置の点数を別に設定すること。

要求理由:特に深い褥瘡などは、現行の瘡部の範囲に応じた評価では、間に合わないことが多い。

… 手術 …

[K-2-(62)] 手術に係る全般的事項

[K-2-(62)-@] 施設基準で、医師経験年数や症例数が施設基準に満たない場合は減算する措置を撤廃すること。

要求理由:医師の経験年数や症例数によって点数に格差を設ける根拠はない。

[K-2-(62)-A] 手術に使用する衛生材料、針や糸等は個別評価点数方式で別途保険請求できるようにすること。また、使用する薬剤は、15円以下であっても算定を認めること。

要求理由:手術に使用する衛生材料等を請求できない取り扱いは不合理である。

[K-2-(62)-B] 複数手術料の算定において従たる手術は一つに限るとの扱いを廃止し、行った手術の手技料をそれぞれ算定できるようにすること。

要求理由:必要があって実施した手術料が算定できないのは、不合理である。

[K-2-(62)-C] 手術当日の注射に関連する手技料、酸素吸入、酸素、胃ゾンデ(24時間以上留置しないもの)は手術の手技料に含まれ別に算定できない扱いとなっている。それぞれ別に算定できるようにすること。

要求理由:注射手技等は、手術とは別の手技であり、手術当日に実施した場合に算定できないのは、全く不合理である。

[K-2-(62)-D] 乳房温存手術、乳癌等の縮小手術、癌手術時のセンチネルリンパ節(sentinel node)造影、手術前内視鏡点墨又は複雑な痩孔摘除術時の痩孔造影の際使用する色素剤(インジゴカルミン等)の算定を認めること。

要求理由:乳房温存手術、乳癌等の縮小手術、癌手術時のセンチネルリンパ節(sentinel node)造影、手術前内視鏡点墨については、癌手術が従来の「拡大手術」から、必要最小限の「縮小手術」へ移行しつつあることを踏まえ、切除範囲の同定上必要であるため。複雑な痩孔摘除術時の痩孔造影については、手術時、痩孔の取り残し、不必要部分の切除を防ぐ上で必要であるため。

[K-2-(62)-E] 胸腔鏡下手術・腹腔鏡下手術の対象を限定せず、胸腔鏡・腹腔鏡を用いて実施した手術は全て保険給付の対象とすること。

要求理由:現在は、保険適用されているもの以外について胸腔鏡・腹腔鏡を用いて手術を実施した場合は、その都度内義して準用が通知されたものしか保険給付の対象とならず、それ以外の場合は、診療全体が保険適用外となってしまうため。

[K-2-(62)-F] 経鼻腔手術の内視鏡加算を新設すること。(例:K227眼窩骨折観血的手術、K340鼻茸摘出術、K341上顎洞性後鼻孔ポリープ切除術、K342翼突管神経切除術、K346後鼻孔閉鎖症手術、K435術後性上顎嚢胞摘出術、等)

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(62)-G] レーザー手術加算を復活すること。

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(63)] 脳動脈瘤流入血管クリッピング(K176)、脳動脈瘤頸部クリッピング(K177)

両側の脳動脈瘤のクリッピング術を、左側→右側の順で、同日に行った場合、それぞれ算定を認めること。

要求理由:通則では「同一手術時又は同一病巣とは原則として、同一皮切により行ない得る範囲」とされており、簡単な手術を除いては、この原則を徹底すべきである。

[K-2-(64)] 角膜異物除去術(K253)

角膜異物除去術について、深層の異物除去を評価した点数を復活すること。

要求理由:表層と深層の異物除去の技術評価が同じなのは不合理。

[K-2-(65)] 眼内レンズ挿入術(K283)

[K-2-(65)-@]眼内レンズの費用については、別途材料費を保険請求できるようにすること。

要求理由:眼内レンズの費用が、手術料の中に含まれるのはおかしい。現在の挿入術は、そのままとし、別途材料費を請求できるようにするべき。

[K-2-(65)-A] 眼内レンズ挿入術について、K282白内障手術との併施の場合、いずれかの点数の請求を50%にするという複数手術の算定制限を撤廃し、併算定を認めること。

要求理由:専門医会からの要望。


[K-2-(66)] 舌悪性腫瘍手術(K415)

 切除にも、亜全摘と同様に頸部廓清術加算を新設すること。

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(67)] 大腸ポリープ切除術(K721)

内視鏡的大腸ポリープ切除について、部位ごとの算定を認めること。

要求理由:大腸内視鏡検査では、到達部位(観察部位)によって異なる点数が認められている。生検も大腸だけで4部位に分けられ、最大3臓器までの請求ができる。しかし、ポリープ切除術は、どこのポリープを切除しても点数が同じなのは不合理。

[K-2-(68)] 尿管手術

 尿管内視鏡下手術時のラジフォーカスガイドワイヤーの使用を認めること。

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(69)]  輸血(K920)

[K-2-(69)-@] 輸血等にあたって、ガイドラインに沿って実施した検査や、血液保存の費用を保険請求できるようにすること。

要求理由:輸血等に関するガイドラインが厚生労働省等から示されているが、ガイドラインに沿って実施しても保険請求が認められないケースがある。これは全くおかしいことであり、早急に改善を要する。

[K-2-(69)-A] 輸血を予定して、照射血を購入したが、患者の死亡や不適合など、結果として輸血できなかった時の血液代の請求を認めること。

要求理由:他の患者にも使えず、日赤側が返品を受け付けてくれないので医療機関の負担になってしまう。

[K-2-(70)] その他

内視鏡下等で手術を行い、内視鏡のフィルムを使用した場合はフィルム代が算定できるようにすること。

要求理由:実際に使用したフィルム代は請求できるべき。

[K-2-(71)] 手術点数の新設

 乳がん術後等における乳房再建術を、独立した手技として保険適用するとともに、再建に伴う材料の保険適用を行なうこと。

要求理由:乳がん術後の乳房再建は、審美性の範囲ではなく治療の範囲であり、保険適用されるべきである。

… 麻酔 …

[K-2-(72)] 麻酔

[K-2-(72)-@] 麻酔に使用する衛生材料等は個別評価点数方式で別途保険請求できるにすること。また、使用する薬剤は、15円以下であっても算定を認めること。

要求理由:麻酔に使用する衛生材料等を請求できない取り扱いは不合理である。

[K-2-(72)-A] 浸潤麻酔の点数を新設すること。

要求理由:浸潤麻酔の手技料を認めるべきである。

[K-2-(72)-B] 麻酔管理料の算定要件として「手術」に伴う麻酔と限定されている。検査、処置に伴う全身麻酔にも算定を認めること。

要求理由:検査や処置において、全身麻酔を実施した場合は、麻酔管理料を算定できるようにすべき。

[K-2-(72)-C] 硬膜外麻酔、神経ブロックの手技料を大幅に引き上げること。

要求理由:リスクが高い上に、高度な技術・専門性が求められる手技にも関わらず評価が低いため、大幅な引き上げが必要である。

[K-2-(72)-D] off pump A-C bypass手術の麻酔点数を改善(200/100加算)すること。

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(72)-E] 局所麻酔管理料を新設すること。

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(72)-F] エピドラスコピーによる腰痛治療を新設(腰膜外内視鏡癒着剥離術)すること

要求理由:専門医会からの要望。

[K-2-(72)-G] 術後疼痛管理を評価すること。

要求理由:術後疼痛管理は、術後合併症を予防するために重要であり、術後疼痛管理を診療報酬で積極的に評価すべきである。

… 施設入所者の医療 …

[K-2-(73)] 施設入所者の医療

[K-2-(73)-@] 特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設における入所者に対する必要な治療が実施できるよう、入所者に対する医療の算定制限を撤廃すること。

要求理由:インフルエンザやノロウィルスによる入所者の死亡等が発生しているが、再発させないためにも入所者に対する必要な医療を提供できるようにすべきである。

[K-2-(73)-A] 特別養護老人ホームについて、配置医師を複数契約している施設については、主たる配置医師以外は、配置医師としては取り扱わないこと。

要求理由:内科医師の他に皮膚科などの医師を嘱託契約する場合など、専門分野のみに限って診療を行なう医師も同じ算定制限を受けるのは不合理。契約して支払われる報酬は月3万円程度であり、診療にかかる経費と収入が見合わない

[K-2-(73)-B] 介護老人保健施設について、所属する医師の専門外にわたる治療の場合等、特に必要があって、他の医療機関の医師が診療にあたるときは診療料その他の点数の算定制限を撤廃すること。

要求理由:老健施設に入所する要介護者への専門的医療を確保する観点から、認めるべきである。

[K-2-(73)-C] 介護療養型医療施設で、特定診療費の理学療法を実施した場合に使用した薬剤費については、医療保険で出来高算定ができるようにすること。

要求理由:介護保険では薬剤費が算定できない扱いになっており、不合理のため。なお、原則は医療保険給付に戻すことを要求している。

… 入院 …

[K-2-(74)] 入院基本料

[K-2-(74)-@] 入院部門における赤字体質は一向に改善していないことから、病院・有床診療所をとわず、全ての入院基本料を大幅に引き上げること。また、180日を超えて入院している患者の入院基本料の一部を保険給付から外す扱いをやめること。

要求理由:入院医療に係る費用を適正に評価することが急務である。また、入院の必要性ではなく入院日数によって保険給付の一部が外され患者負担にされるのは、正当性がない。入院が必要な患者が退院を余儀なくされるなど、必要な入院が提供できない事態が発生しており、少なくとも適応除外範囲の拡大は早急に実施すべきである。そもそも入院日数によって保険給付を制限する扱いを国会審議もなく診療報酬改定で行なうことはおこなうべきでない。

[K-2-(74)-A] 入院期間による逓減制や平均在院日数要件を廃止すること。

要求理由:平均在院日数を入院基本料の届出の要件とすることは不合理である。また、入院期間によって入院基本料が逓減されることも、根拠が希薄である。

[K-2-(74)-B] 医療安全管理体制、褥瘡対策、院内感染防止対策については、減額方式をやめ、適切な加算点数を新たに設けること。

要求理由:医療の安全確保のためには、何よりも十分な人員の確保と管理体制の強化が必要であり、そのためには、診療報酬の評価が必要である。低い入院基本料をさらに減額をするような制度では、医療の安全確保は図れない。

[K-2-(74)-C] 一般病棟に90日を超えて入院する老人長期入院患者(特定患者)に対する入院基本料の減額措置は廃止すること。

要求理由:入院の必要性ではなく入院日数によって保険給付が減額され定額にされるのは、正当性がない。また、一般病棟は平均在院日数の制限を受けており、90日を超えて入院を継続せざるを得ない患者を抱えること自体がすでにペナルティである上に、点数が引き下げられるのは大変不合理である。

[K-2-(74)-D] 2対1以上の看護を評価する点数を設定すること。

要求理由:安心、安全な医療を提供するためには、2:1以上の看護体制を評価すべきである。

[K-2-(74)-E] 夜勤体制の評価を高めること。

要求理由:夜勤体制の評価が低い。安心、安全な医療を提供するためには、夜勤体制の評価を高めるべきである。

[K-2-(74)-F] 一般病棟において、3.5:1看護、4:1看護病棟を2006年4月以降も当面の間存続すること。

要求理由:直ちに3:1以上にできないが、地域の実情から一般病床として存続してほしい病院も少なからずある。直ちに廃止することは適当ではない。

[K-2-(74)-G] 個別評価点数方式の療養型病床群を復活すること。少なくとも「交換用胃瘻カテーテル」については、包括点数の療養病棟入院基本料等とは別に算定できるようにすること。

要求理由:長期入院であっても個別評価方式で評価できる病床を復活すべき。

[K-2-(74)-H] 療養型病床群において、3.5:1看護、4:1看護病棟を新設すること。

要求理由:一般病床が3:1で、療養病床が5:1という区分は、差が大きい。3.5:1と4:1の看護体制を評価すべきである。

[K-2-(74)-I] 100床未満の病院については、一般病床と療養病床を合わせた1看護単位を複合病棟として認めること。

要求理由:複合病棟が医療法では認められているのに、診療報酬では認められていないのは全く不合理である。

[K-2-(74)-J] 褥瘡患者管理加算について、次の取り扱いとすること。

ア) 診療計画を変更し、実施・評価を行った都度、算定できるようにすること。

イ) 褥瘡対策に係る業務は病棟勤務時間から省かず病棟勤務とすること。

要求理由:褥瘡患者管理管理に係る費用を正当に評価すべき。

[K-2-(74)-K] 診療所の入院料を大幅に引き上げること。

ア) 療養病床については、「5:1以上の看護職員・看護補助者配置を評価し、看護師比率に応じた加算」を設けること。

イ) 一般病床については、7人の看護職員配置を新設するとともに、「入院患者対看護職員比率+看護補助者比率を評価する方式」を新設し、医療機関の選択制とすること。

ウ) 有床診療所J群入院基本料1の複数医師等加算は、入院基本料1以外の有床診での算定も認めること。

要求理由:診療所の入院点数の評価を病院に準じて正当に行なうべき。

[K-2-(74)-L] 入院環境料、看護料、入院時医学管理料を統合した入院基本料を廃止し、それぞれ個別に評価点数とすること。

要求理由:包括された入院基本料では、入院環境、看護、医学管理に関するそれぞれの費用が妥当適切に設定されているかが困難である。

[K-2-(75)] 入院基本料等加算

入院医療の応需体制を確保するため、辺地、山村、過疎、豪雪地等にも離島加算と同様の点数の算定を認めること。

要求理由:辺地、山村、過疎、豪雪地等における入院医療の応需体制を確保するため。

[K-2-(76)] 特定入院料

[K-2-(76)-@] 特定入院料等基本診療料が包括されている点数(小児入院医療管理料など)を算定する病棟に初診から即入院になった場合については、初診料の算定を認めること。

要求理由:初診行為は、入院料とは別に評価されるべきであり、特に小児については、算定を認めるべきである。

[K-2-(76)-A] 特定入院料のうち、特定入院料等に含まれる診療を他医療機関で行った場合であっても、専門外の治療や検査・投薬の費用等は、入院点数を減額することなく、他の医療機関でも算定できるようにすること。

要求理由:入院患者に対する専門的医療の提供を確保すべき。

[K-2-(76)-B] 小児入院医療管理料の点数を引き上げること。

要求理由:小児の入院医療を確保するため、特別な手だてを行なうべき。

[K-2-(77)] 短期滞在手術基本料

短期滞在手術基本料1を算定できる疾患に、鼓膜形成術、内視鏡下の副鼻腔手術を加えること。

要求理由:専門医会でも要望がある内容。

[K-2-(78)] その他

[K-2-(78)-@] 経済効率を優先するDPCやRUGLなど入院医療に対する包括点数の拡大、導入をやめること。

要求理由:経済効率を優先させるために導入したDPCは、主病と関係のないところで医療資源の投入に着目したものであり、平均在院日数の縮小や必要以上の医療の効率化を招くものである。低診療報酬政策のもとでのRUGなどによる包括点数は、医療従事者に限度を超えた過密労働を強いることになり、ひいては患者の受ける医療の質の低下をもたらしかねない。

[K-2-(78)-A] 外泊時について、入院基本料の15%となる措置を改め、従来の入院環境料相当分の点数が算定できるようにすること。また、外泊中における患者への療養指導管理や他の医療機関への連絡、情報提供を評価する点数を新設すること。

要求理由:外泊における管理料や情報提供の費用を評価すること。

‥‥ 施設基準 ‥‥

[K-2-(79)] 施設基準

[K-2-(79)-@] 入院患者数及び看護職員の員数の計算方法について、医療法における医師数の計算方法に準じ、以下の取り扱いとすること。

ア) 入院患者の数、看護要員の必要数について、小数点以下は切り上げないものとして計算すること。

イ) 要員換算にあたって、小数点以下を切り捨てないものとして計算すること。

要求理由:医療法における医師数との整合性を取るべき。

[K-2-(79)-A] 施設基準の届出受理後の措置について、次の取り扱いとすること。

 看護要員と入院患者の比率並びに看護職員の最小必要数に対する看護師の比率については、許可病床数が100床未満の病院及び特別入院基本料を算定する病院は、「暦月で3か月を超えない期間の1割以内の変動は、変更届を要しない」とされているが、患者対職員比率等の変動が小規模病院では大きいことから、許可病床数が60床未満の病院については、暦月で3か月以内の2割以内の一時的な変動は、変更の届出を要しないよう改めること。特に60床未満の療養病床の変動については、特別な手立てを講じること。

要求理由:中小病院においては、1割以内の変動の扱いはあまり特例措置としての意味がない。

[K-2-(79)-B] 離島、辺地等について、次の取り扱いとすること。

ア) 離島、辺地等を有する人口5万人未満の市町村の取り扱いは、「自治体合併前の行政区分による人口5万人未満の市町村」とすること。

イ) 離島、辺地等を有する自治体合併前の行政区分による人口5万人未満の市町村であって人員確保計画が定められている場合は、基本診療料及び入院時食事療養だけでなく、特掲診療料の施設基準の届出を受理すること。

要求理由:自治体合併による影響への対応を行なうべき。

‥‥ 医療と介護の給付調整に係る具体的要求項目 ‥‥

[K-2-(80)] 医療と介護の給付調整に係る具体的要求項目 

[K-2-(80)-@] 医療系サービスについては医療保険給付に戻し、介護保険給付は福祉系サービスに限定すること。

要求理由:そもそも医療行為は医療保険で給付されるべきである。また、介護保険の場合は、医療の必要性が無視され、支給限度額の範囲でしか実施できないため。

[K-2-(80)-A] 当面、介護保険の要介護度別の区分支給限度を超える訪問看護、訪問リハビリについては、医療保険から給付できるようにすること。

要求理由:訪問看護、訪問リハビリを区分支給限度額の枠の中で実施しなければならないことは医療上問題がある。

… 入院時食事療養 …

[K-2-(81)] 入院時食事療養費の引き下げや、各加算の廃止を行なわないこと。

要求理由:保団連が有床診療所を対象に実施した入院時食事療養にかかる費用の調査では、外注委託費だけでも入院患者一人当たりの収支差は1日157円の赤字であり、管理や配膳にかかる経費を考えるとさらに赤字幅は増大する。また、院内調理でも、入院患者一人当たりの収支差は1日1064円の赤字であった。入院時食事療養は、治療の一環として重要であり保険給付外しを行なわないことは当然であるが、患者に対する治療の一環として行なう療養に相応しい費用を保障すべきであり、引き下げるべきではない。

… その他 …

[K-2-(82)] レセプト記載事項

[K-2-(82)-@] 審査上、必要のない記載を求めないこと。

ア) 在宅酸素療法指導管理料算定における、毎月の動脈血酸素分圧又は経皮的動脈血酸素飽和度の記載。

イ) PSA精密測定算定における検査値及び検査月日の記載。

要求理由:請求実務の簡素化を行なうべき。

[K-2-(82)-A] 在宅患者訪問点滴注射管理指導料算定における、点滴注射を行った日の記載を省略するなど、事務の簡素化をはかること。

要求理由:請求実務の簡素化を行なうべき。


【L】 歯科診療報酬に関する具体的要求                                 

[L-1] 基本診療料

 歯科では過去数次にわたる改定を通じて、長期維持管理、すなわち継続的な管理をさせるために1年、2年、また、それ以上の長期間の患者管理を義務づけるシステムが作られた。2000年改定では基本診療料にも「かかりつけ歯科医初診料」としてこのシステムが導入された。「か初診」はスタディモデル(又は口腔内写真)と情報提供を包括した上で患者への文書提供も義務づける一方で、歯科初診料を引き下げ、補管未届け医療機関の30%減算や補綴関連点数の実質引き下げが行われた。

しかし、補強線など義歯の長期使用に必要な点数の包括(廃止)や歯周疾患指導管理料の引き下げは、良質な義歯の製作を困難にし、本来の長期維持管理に反するものである。

これまでの中医協でも診療の現場で「歯科初診料」に比べ、継続的な歯科医学的管理が「か初診」で実現しているなどの、根拠ある資料は明らかにされていない中で、歯科の低診療報酬政策や初診料の医科歯科格差による歯科医院経営が危機に瀕しており、診療の現場ではやむなく「か初診」を選択しているのが実態である。しかも中医協での贈収賄事件以降、多くの歯科医療機関では患者、住民からの疑惑と厳しい視線にさらされている。こうした矛盾と混乱を解消するため、歯科だけに導入された二本立ての初診料は直ちに廃止しすべきである。

その上で、理想的には一日の歯科医師の診療人数は20人程度と考えられており、患者一人毎に時間を要する歯科の診療実態、また、チーム医療で不可欠な従業員の確保や診療情報の患者との共有の時間の保証、感染予防対策などが行える点数評価に適切に引き上げることが必要である。

 なお、基本診療料では「P総診」に続いて「G総診」が新設され、いずれも継続的な管理が義務づけられた。小児のC管理も含めこれらのシステムは、包括点数による成功報酬評価や施設基準の新設による医療機関の機能別再編など将来の歯科診療報酬と歯科医療機関のあり方まで根底から変更していく危険な側面を持っている。

このため、こうした継続管理システムをこれ以上拡大すべきではない。

@ 「か初診」「か再診」は廃止し、二本立ての初・再診料を一本化すること。

A 「か初診」を導入するために引き下げ・包括化された歯科の基本技術料を復活するとともに、時間と手間のかかる歯科の診療実態に即した評価を行い低診療報酬を是正すること。

B 検査や患者への文書による情報提供については包括評価をやめ、それぞれ個別に評価すること。

C 「障害者加算」の名称は、実態に即して「困難加算」とすること。対象者は歯科治療が困難と主治医が判断した患者とし、歯科医師の裁量を尊重すること。

D P総診については、歯周疾患の急性症状に対する処置についても実態通りに算定を認めること。

E G総診については、歯科衛生士の実地指導料をP総診と同様に独立した評価とすること。

[L-2] 特掲診療料

[L-2-(1)] 特掲診療料に係る全般的事項

幼児に関する特掲診療料の50/100加算を6歳未満に戻すこと。

[L-2-(2)] 指導管理等

@ 患者の自己管理の重要性を指導することが重要なことは、とりわけ歯科の二大疾患においては顕著である。P管理、口衛指などの指導料の評価を大幅に引き上げること。

A 歯科衛生士の技術と労働を適正に評価するため歯科衛生実地指導料を引き上げ、月1回の算定制限を緩和すること。

B 歯科衛生実地指導を歯科医師が行った場合も算定を認めること。

C 齲蝕歯の多寡による給付差別をやめること。C特療を廃止するとともに成功報酬方式の継続管理システムを抜本的に改めること。

[L-2-(3)] 在宅

@ 歯科訪問診療の基本的考え方

「歯科訪問診療を行うにあたっては、日本歯科医学会の『歯科訪問診療の基本的考え方』(2004年)を見直し、在宅歯科医療の実態を反映し、患者の要求に応えられるようにすること。

A 対象者については従前の「通院困難な患者」に戻すこと。

B 歯科訪問診療料の現行の注1及び2のイ、4について、従来の解釈に戻し、歯科往診を復活させること。

C 施設における、二人目からの減算をやめること。

D 煩雑な事務を簡素化し、患者の求めに応じた歯科訪問診療に専念できるようにすること。

E 施設や在宅における治療に支障がないよう、算定制限を廃止すること。

F 施設における口腔管理を、衛生士の配置など制度的に確保できるまでは、訪問衛生指導なども含めて抑制しないこと。口腔衛生状態が全身疾患へ波及する影響が大きいことも十分考慮すべきである。

G グループホーム、ケアハウスに入所している複数の患者に対して同日に歯科訪問診療を行った場合もそれぞれ歯科訪問診療の算定を認めること。

H 調A算定日以外に、切削器具を訪問先に携行し切削や有床義歯の調整などを行った場合は、切削器具加算を独立点数にするなどして、実態に応じて算定できるようにすること。

I 地域医療連携体制加算について、地域医療連携体制加算算定医療機関の算定要件となっている病院歯科初診料算定医療機関を飛躍的に増大すること。そのため病院歯科初診料算定の紹介率等の施設基準を大幅に緩和すること。

J 訪問看護指示料を算定できるようにすること。

[L-2-(4)] 検査・画像診断

@ 口腔内写真、診断用模型のかかりつけ歯科医初診料への包括を廃止すること。

A 歯科治療時の動脈血酸素飽和度監視を独立した評価とすること。

B G総診の施設基準とされている「常勤の歯科衛生士の配置」を外すこと。

C 基本診療料に包括されたEPT検査(電気的歯髄検査)を独立して評価すること。

[L-2-(5)] 投薬

@ 薬理作用による投薬を容認すること。

A 歯科領域の医薬品の適応症拡大をはかること。また長期にわたる臨床で安全性、有効性が確立された歯科領域における効能を有する医薬品の安定供給ができるよう製薬企業等への指導を行うとともに、当該医薬品の薬価基準は稀少医薬品に準ずるなどの措置を講じること。

[L-2-(6)] 処置・手術

@ 処置・手術等のうち同じ診療行為については医科歯科格差を是正すること(口腔咽頭処置、外科後処置など)。

A 補綴物維持管理料未届医療機関への加圧根充の算定制限を廃止すること。

B 歯周基本治療の評価を引き上げること。

C 歯周治療装置については歯周外科手術の有無に係わらず算定を認めること。

D 抜髄、感染根管処置をはじめ歯内療法の評価を引き上げること。

[L-2-(7)] 麻酔

@ 120点以上の処置・手術料に包括されている浸潤麻酔を独立して算定出来るようにすること。

A 局所麻酔剤、特定薬剤の算定方法を医科と同様に薬価から15円を控除した後10円で除した点数に1点未満の端数を切り上げた点数に10円を加算するという算定方法に改めること。

[L-2-(8)] リハビリ

@ 摂食機能障害の対象を拡大し、機能回復指導など口腔機能の回復を評価すること。

A 摂食嚥下障害に対する指導=摂食機能療法の対象疾患(現在は脳血管障害と舌切除のみ)を拡大するとともに、点数を引き上げること。

[L-2-(9)] 歯冠修復及び欠損補綴

@ 補綴物維持管理料については廃止も含め見直すこと。当面、診断や印象採得、咬合採得等の技術料を大幅に引き上げること。また、施設基準の扱いや未届け医療機関の30%減算は取りやめ、医療機関単位でなく症例毎の算定を認めること。患者の外傷などによる補管算定補綴物の破損は再製作の費用を算定出来るようにすること。

A 窩洞形成については、窩洞単位で評価すること。

B 歯質を残す治療の評価である大臼歯の5分の4冠を再度評価すること。

C 健全歯質を残す観点から5分の4冠とインレーの間の治療評価としてアンレーを新設すること。

D 小臼歯の前装鋳造冠を保険適用すること。

E 昭和60年改定で独立評価として認められなくなった暫間被覆冠は、歯髄あるいは残存歯質や歯肉の保護や咬合維持等のために欠かせない治療冠であり、独立して評価すること。

F 義歯の技術への加算等は適正に評価すること(遊離端、難度加算やろう着等)。

G 補強線を使用した場合の費用は別途算定を認めること。

H 補綴の点数の算出根拠を明確にすること。

I 歯科技工士の技術と労働の評価を適正にすること。

J 技工指示書の評価を行うこと

[L-2-(10)] その他

@ 良質な歯科材料が治療に生かせるよう、適切に点数評価すること。そのため、これらの材料価格調査などの基礎資料を公開すること。

A 必要以上の記載事項等が増加しており、診療に専念できるよう煩雑な事務は簡素化すること。


M】 2006年度介護報酬改定に対する要求≪医科・歯科共通≫              

[M-1] 全般的事項

[M-1‐(1)] 必要な人員が確保でき、安心、安全な介護を提供できるよう、3%以上の介護報酬引き上げを行なうこと

 2003年の介護報酬マイナス改定(−2.3%)の影響もあり、現在の介護報酬は必要な介護サービスを提供するものとしては不十分である。2006年の改定では、安心、安全で質の高い介護サービスが提供できるだけの設備、人員、材料等必要なコストに見合った介護報酬となるよう、大幅な引き上げを行なうべきであり、介護の重要性に鑑み若干の改善を含め実質改定幅として3%以上の改定幅を確保すべきである。

 なお、介護報酬の引き上げ幅は、下記(2)で掲げた医療系サービスを医療保険給付に戻す前の段階の改定幅である。

[M-1‐(2)] 介護保険給付サービスのうち、医療系サービスは医療保険給付に戻すこと。  

要介護者に対する十分な医療を確保するために、介護保険給付サービスのうち、医療系サービスは医療保険給付に戻すこと。(医療系サービスとは、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション(デイケア)、短期入所療養介護、居宅療養管理指導、介護老人保健施設及び介護療養型医療施設におけるサービスをさす)

[M-1‐(3)] 食事、療養環境費用を保険給付から外さないこと  

施設サービスや短期入所療養介護・短期入所生活介護に係る建物の費用、光熱水費、物件費等(いわゆるホテルコスト)や食事にかかわる費用を保険給付から外さないこと。

[M-2] 現行の介護報酬に対する改善要求

[M-2−(1)] 居宅介護支援費

[M-2‐(1)‐@] 居宅介護支援費を大幅に引き上げ、居宅介護支援を専門に行なう場合であっても人件費等のコストが保障されるだけの介護報酬とすること。

要求理由:現在の支援費の水準は、施設に併設された居宅介護支援事業者を前提としたものであり、不当に低く設定されており、評価が不十分である。また、給付管理を行なえば手一杯というのでは、必要な支援は行なえない。

[M-2‐(1)‐A] 住宅改修理由書作成に係る費用について、介護報酬を設定すること。

要求理由:住宅改修は、介護保険給付であるが区分支給限度とは別に設定されている。住宅改修理由書を作成した場合には、別途介護報酬が請求できるべきである。

[M-2‐(2)] 居宅療養管理指導

[M-2‐(2)‐@] 臨時の投薬にも対応できるよう、医療保険における在宅患者訪問薬剤管理指導料と介護保険における薬剤師の行なう居宅療養管理指導は、医師の判断により必要に応じてあわせて利用できるようにすること。

要求理由:臨時の投薬にも対応できるようにすべきである。

[M-2‐(2)‐A] 医師・歯科医師による居宅療養管理指導は、単位数を元に戻し月1回の算定とすること。

要求理由:これまで月1回で算定していたものを2回にわけて1回の単位数をほぼ半分にした。しかし、これは実態に合わないものであり、特に歯科においては、介護保険で『居宅療養管理指導』(500単位)を算定すると、医療保険で『老人訪問口腔指導管理料』(430点)と、同管理料の文書指導(20点)が算定できなくなり、月1回しか居宅療養管理指導が算定できない場合は、実質的に50点の評価しかされないこととなる。

[M-2‐(2)‐B] 歯科医師の居宅療養管理指導と医療保険の給付調整を廃止し、歯科医師の居宅療養管理指導を実施しても医療保険で算定制限をしないこと。

要求理由:歯科医師の居宅療養指導管理と医療保険給付の内容は異なり、給付調整は不合理である。

[M-2‐(2)‐C] 2003年5月30日付事務連絡通知において、居宅療養管理指導につき「医療保険による訪問診療を算定した日において、医療機関の薬剤師・管理栄養士の居宅療養管理指導を算定できない。ただし、医療機関の薬剤師・管理栄養士の居宅療養管理指導を行った後、患者の病状の急変等により、往診を行った場合についてはこの限りでない」とのQ&Aを出しているが、「医療保険による訪問診療を算定した日において、医療機関の薬剤師・管理栄養士の居宅療養管理指導を算定できない」とする法的根拠及び通知がない。「医療保険による訪問診療を算定した日において、医療機関の薬剤師・管理栄養士の居宅療養管理指導を算定できる」よう改めること。

要求理由:「医療保険による訪問診療を算定した日において、医療機関の薬剤師・管理栄養士の居宅療養管理指導を算定できない」とする法的根拠及び通知がない。

[M-2‐(3)] 訪問介護

[M-2‐(3)‐@] ホームヘルパーを専門職として確立し、事業者が人材の維持・確保ができるよう 介護報酬を引き上げること。

要求理由:現在の訪問介護の費用は、施設に併設された事業者を前提としたものであり、不当に低い。

[M-2‐(3)‐A] 認知症ケア加算を新設する等、認知症高齢者に対する介護が行き届くよう改善すること。

要求理由:認知症高齢者に対する介護が行き届くようにする。

[M-2‐(3)‐B] 通院等乗降介助を利用した場合で、病院内の移動介助が必要で、なおかつ長時間にわたる場合は、通院等乗降介助又は身体介護のいずれかを算定できるようにすること。

要求理由:病院内の移動介助が必要な場合の対応を図るべき。

[M-2‐(4)] 訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションの必要に応じて実施できるようにするため、区分支給限度枠から外すこと。

要求理由:医療上の必要に応じて実施できるようにすべき。

[M-2‐(5)] 通所リハビリテーション

[M-2‐(5)‐@] 通所リハビリテーションの実施前後に併設医療機関を受診した利用者についても、通所リハビリテーションの送迎加算の算定を認めること。

要求理由:送迎した場合は、送迎加算を算定できるようにするべき。

[M-2‐(5)‐A] 通所リハビリテーション費の人員基準について、1人でも利用者がオーバーすると所定単位数の100分の70にする取り扱いを軽減し、常態として人員基準を満たしているのであれば減額が免除される等、弾力的な措置を講じること。

要求理由:ペナルティとして、厳しすぎる。

[M-2‐(5)‐B] 通所リハビリテーションの必要に応じて実施できるようにするため、区分支給限度枠から外すこと。

要求理由:医療上の必要に応じて実施できるようにすべき。

[M-2‐(5)‐C] 通所リハビリテーション実施中に医療保険における診察を行った場合は、診察にかかる時間を控除して通所リハビリテーション費を請求できるようにすること。なお、通所介護においても同様の措置をとること。

要求理由:本来は、居宅で療養を行っている要介護者等を送迎してリハビリテーションを実施しており、リハビリテーションの日に医療保険による診療ができることが望ましい。この場合、時間で実施している検査等もあり、現在のように通所リハビリの時間中に中抜けで医療保険による診察が実施できない扱いは大変不合理である。

[M-2‐(6)] 訪問看護

[M-2‐(6)‐@]  必要に応じて訪問看護を実施できるようにするため、訪問看護について区分支給限度枠から外すこと。

要求理由:訪問看護は、必要に応じて実施できるようにすべき。

[M-2‐(6)‐A] 注射が必要な患者の場合には介護保険の訪問看護から医療保険の訪問看護に切り替え算定ができるようにすること。介護保険給付とする場合は、指示に基づいて実施した注射の手技料及び薬剤料等は別途医療保険で算定できるようにすること。

要求理由:必要があって医師の指示に基づいて実施した手技料と薬剤料は算定できるべき。

[M-2‐(6)‐B] 緊急時訪問看護について、実際に緊急訪問を行った場合の費用は、区分支給限度額とは別に算定できるようにすること。

要求理由:本来訪問看護は、必要に応じて実施できるようにすべきであるが、少なくとも緊急訪問は、別に算定できるべき。

[M-2‐(6)-C] 医療機関からの訪問看護費を、指定訪問看護ステーションの訪問看護と同等に引き上げて是正すること。

要求理由:医療機関においても訪問看護を行なう場合は、それなりに施設整備を要しており、格差を設ける正当性がない。

[M-2‐(7)] 介護保険施設全体

[M-2‐(7)‐@] 介護保険施設における感染防止対策、入所・入院安全対策、褥そう防止対策の費用について、適正に評価すること。

要求理由:感染防止や安全確保のためには、何よりも十分な人員の確保と管理体制の強化が必要であり、そのためには、介護報酬の評価が必要である。

[M-2‐(7)‐A] 施設の介護支援専門員について、独立した報酬を設定すること。

要求理由:介護療養型医療施設等における介護支援専門員の役割を評価すべき。

[M-2‐(7)‐B] 基本食事サービス費について、転換型老人保健施設と介護療養型医療施設が厨房を共用している場合は、管理栄養士はあわせて1人常勤で配置されていれば、基本食事サービス費2120円を算定できるようにすること。

要求理由:同一施設内で、老健と介護療養病床を設置できるようになったが、厨房を共用していても管理栄養士をそれぞれに配置しなくてはならない。これは不合理である。

[M-2‐(8)] 介護療養型医療施設

[M-2‐(8)‐@] 介護療養型医療施設に対する報酬を引き上げ、医療保険から給付すること。

要求理由:そもそも医療行為は医療保険で給付されるべきである。

[M-2‐(8)‐A] 介護療養型医療施設を退院し、介護福祉施設に入所する患者について介護福祉施設に情報提供を行った場合は、退院時指導加算を算定できるようにすること。

要求理由:現行は、他の社会福祉施設等に情報提供を行なえば算定できるが、介護福祉施設については算定できない規定がある。

[M-2‐(8)‐B] 2室8床の届出において「介護療養型医療施設の算定に係る看護師等の配置基準と同一のものに相当する入院基本料を届け出る」こととされているが、「当該病棟の医療保険適用病床の算定に係る看護師等の配置基準と同一のものに相当する入院基本料を届け出る」ことに変更すること。

要求理由:現行では、当該病床は実際には高い基準の看護職員を配置していても療養病床特別入院基本料2を算定することとなる。

[M-2‐(8)‐C] 退院後の口腔管理を重視し、「退院時情報提供加算」の算定について、退院後の主治の歯科医師に対して行った場合も算定できるようにすること。

要求理由:退院後の口腔管理を重視するため。

[M-2‐(8)‐D] 介護療養型医療施設入院患者が、他医療機関での治療を必要とした場合は、「所定単位数に代えて1日につき444単位を、月に4日まで算定する」とする扱いを止め、他科受診の必要が発生した場合には、介護療養型医療施設は通常の施設サービス費を算定し、他科では医療保険の請求に制限を設けないようにすること。

要求理由:入院患者に対する専門的な治療を確保すべき。

[M-2‐(8)‐E] 入院患者3人に1人の介護職員を配置している医療機関に対する評価を行なうこと。

要求理由:十分な介護を提供できるようにすべき。

[M-2‐(8)‐F] 急性疾患発症時等に、一般病棟に移せずに治療を継続せざるを得ない場合は、検査、投薬、注射並びに厚生労働大臣が定める画像診断、リハビリテーション及び処置の費用を出来高算定できるようにすること。少なくとも、1)中心静脈注射やモルヒネ等疼痛緩和薬の投与、2)肺炎の場合の、抗生物質の点滴注射や胸部レントゲン検査については、出来高算定ができるようにすること。

要求理由:急性疾患発症時等における十分な医療を提供できるようにすべき。

[M-2‐(8)‐G] 嚥下障害が著しく1対1で食事介助を行なう場合の加算を設けること。

要求理由:嚥下障害者に対する介助を評価すること。

[M-2‐(8)‐H] 特定診療費のリハビリテーションのうち集団療法が算定できなくされたが、個別療法よりも集団療法が効果的な場合もあるので、集団療法を復活すること。

要求理由:個別療法よりも集団療法が効果的な場合もある。

[M-2‐(8)‐I] 特定診療費のリハビリテーションにおいて、1月に合計11回以上行なった場合は、所定単位数の100分の70に相当する単位数を算定するとなっているが、減算しないようにすること。

要求理由:11回以上の実施が必要な患者へのリハビリテーションを減額すべきではない。

[M-2‐(9)] 介護老人保健施設

緊急時治療管理の算定日数(現行:3日間を限度)を拡大すること。

要求理由:入所者の重症化等による医療的管理・処置を確保すべき。

[M-2‐(10)] 指定介護老人福祉施設

[M-2‐(10)‐@] 入院中の患者に係る外泊時介護報酬の算定日数を延長し、在籍措置期間(3か月)との整合性を図ること。

要求理由:在籍措置期間(3か月)との整合性を図ること。

[M-2‐(10)‐A] 医学的管理・医療的処置を要する入所者が増加していることから、

ア) 常勤の医師、歯科医師・看護職員を配置できるような介護報酬に改善すること。

イ) 医務室での診療について通常の医療保険診療の扱いとすること。

要求理由:医学的管理・医療的処置を確保すること。

[M-2‐(11)] 短期入所療養介護・短期入所生活介護

[M-2‐(11)‐@] 短期入所療養介護・短期入所生活介護の利用日数については、区分支給限度額を超えても算定ができるようにする等、家族側の事情を踏まえた弾力的な運用を図ること。

要求理由:家族側の事情を踏まえた弾力的な運用を図ること。

[M-2‐(11)‐A] 短期入所療養介護の利用者が、他の専門医の往診を必要とした場合は往診を認めること。また、他医療機関での治療を必要とした場合は、他科を受診し、医療保険で請求できるようにすること。

要求理由:短期入所の間に、短期入所療養介護の専門外にわたる治療を要するが、短期入所を取りやめるまでは至らない事例が多い。このような要介護者等に対応するために、算定を可とすべき。

[M-2‐(11)‐B] 個室・ユニットケアの居室の利用者についても介護福祉施設サービス費と同様の利用者負担軽減対策を行なうこと。

要求理由:短期入所においても低所得者に配慮した対策を図るべき。

[M-2‐(12)] 認知症対応型共同生活介護(認知症老人対象のグループホーム)

入所者の重症化等による医療的管理・処置が求められていることから、介護職員のうち1人を看護師又は准看護師とする等の人員配置の見直しを行なうこと。又は、訪問看護の算定を認めること。

要求理由:入所者の重症化等による医療的管理・処置を確保すべき。