歯科訪問診療に関する会員アンケート調査結果の概要
1, 調査の目的
本調査は、高齢社会において今後一層必要とされる歯科訪問診療について、特に2002年4月の診療報酬改定の影響調査とともに、実際に取り組んでいる歯科医師の立場からの問題点や要望を把握し、歯科訪問診療の今後の改善課題を明らかにするための基礎資料を得ることを目的に実施した。
2,調査の対象、調査方法
本会に所属する都道府県の保険医協会毎に、1協会5人を目処に歯科会員にアンケート用紙を郵送(もしくはFAX)する方法で行った。
3,調査の時期・集計結果
03年8〜9月に実施した。29協会より100医療機関から回答が寄せられた。
調査結果の主な特徴
●2002年4月の診療報酬改定後の変化では、患者負担増と算定制限などが訪問診療を抑制
1,2002年4月以降の訪問件数の変化については、増加8、変化なし40,減った40と回答し、40%の医療機関で訪問診療の件数の減少が起きている。
このうち減少の理由でもっとも大きいのは患者の「負担金」が13件、次いで「他科通院」6件、「条件不足」3件となっている。
負担金では「介護保険導入による1部負担金の増加」「負担金が増加したので患者の家族が断って来るケースが増えた」「1割負担になった老人は減少」など、他科通院・条件不足などでは「内科、眼科等に月1回ほど車イスで通院している人など対象外となったから」「訪問診療の要件が厳しくなったため、主として施設からの依頼が減少した」「訪問診療の制限強化により条件に当てはまらないと思われる患者(こちら側の判断で)訪問診療の中止」など患者負担の増加と診療報酬改定による制限強化が訪問診療を抑制していることが指摘されている。
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