5章 日本の医療 世界からみると








 日本における医師・看護職員数を、国際比較してみると、人口1000人あたりの日本の医師数は1.9人で、ドイツの6割、アメリカの7割という状況です。一方、看護師数は7.8人で、ドイツの8割、アメリカの9割となっています。
 国民の関心事となっている医療事故を防止し、医療の安全を確保するためにも、低すぎる人員配置基準の抜本的な改善が必要です。







 「日本人は医者にかかりすぎている」という話は、ある意味では当たっています。確かに、国民1人当たりの年間平均受診回数は21回であり、国際的にみて4倍となっていました。2000年には、14.4回となっており、国際的にみて、その差は少なくなっています。しかし、年間平均受診回数が多いからといって医療費が高い、というわけではありません。
 受診回数に1回当たり医療費をかけた年間医療費は、日本が14万7,200円に対して、アメリカは32万8,600円、フランスは18万7,200円となりますから、日本の医療費が高いということはありません。
 1回の受診あたり医療費をみると、7,000円と一番低くなっています。これは、早期発見・早期治療の表れで、重症化しないためには大切なことです。どうも調子が悪いと思ったら、保険証1枚でどこでもかかれる、日本の国民皆保険制度の優れている点です。