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こんな経験はありませんか?


2 医療の価格と内容を決めているのが診療報酬です。

 診療報酬とは、医療保険から医療機関に支払われる治療費のことです。
 1点10円で、すべての医療行為について点数が決められています。さらに、医療の価格だけでなく、リハビリ(集団療法)は月160分まで、ガンの検査は1回だけ、など医療の内容も規定しています。

診療報酬は、医療機関の収入というだけでなく、患者さんが保険で受ける医療と密接にかかわっています。

 


INDEX

1,こんな経験はありませんか?

2,医療の価格と内容を決めているのが診療報酬です。

3,02年4月からの診療報酬の引き下げのためにこんなことが…。

4,日本の医療は高くてムダが多いのでしょうか。

5.これが薬剤費が高い理由です。

6,安心、安全、あったか医療を保障する診療報酬の改善・引き上げの提案

7.診療報酬を引き上げると患者負担が増える?

 

 

これが「こんな経験」の理由です。

@同じ薬をもらって、検査もしていないのに、前回と窓口負担が違うことがあります。それは指導管理料など、月1回請求すると決められている点数があるために、該当する受診日は他の受診日より負担が高くなるのです。

A数万円もの差額ベッド代は、厚生労働省が、入院料を低く抑えるかわりに、患者の希望で病室の広さなど一定の条件を満たせば、特別料金の徴収を認めているからです。

B「2週間で退院を勧められた」というのも、これは14日を超えると入院費用が低くなることや、「平均在院日数」という規定があって、これを超えると入院料が下がってしまうので、医療機関の側としてはそうならないように入院期間を短縮しようとするからです。

C看護師さんの過密労働が医療事故の原因の一つとしても問題になっています。これも診療報酬で看護師さんの配置人数が決められているために、増員がなかなかできないことによるものです。

 また歯科では、「自費診療」というものがあります。これは歯科の診療報酬が医科に比べても低額なことや、保険がきかない治療行為が多いこと、などによるものです。

 
3 2002年4月からの診療報酬の引き下げのためにこんなことが…。

@入院180日を超えると月4〜5万円の保険外負担

 入院期間が180日を超えた場合、医療機関に支払われる入院料が月4〜5万円減額になります(経過措置あり)。厚生労働省は減額分またはそれ以上を患者さんから徴収してよいとしています。

A近くの病院で手術が受けられない

 110種類の手術について、その病院で年間一定数以上の症例がなければ、手術料が30%カットされることになりました。例えば、心臓のペースメーカーの手術は年間30例以上が基準です。人口の少ない地域では、それらの手術をやめる病院もでています。

B大病院で治療を受けるには特別料金

 厚生労働省は200床以上の大病院で患者さんが受診をつづけたいと希望した場合、特別料金(差額徴収)をしてよいこととしました。
 来年4月からは、大学病院の診療報酬が引き下げ(疾病別の定額制で総額抑制)となります。
 ここでも厚生労働省は、採算が取れなければ差額ベッドを全ベッドの7割まで増やしてもよいとしています。

C透析の食事代がカットに

 腎臓病の患者さんが受ける透析は、4時間以上かかります。仕事が終わってから受けると、終わるのは夜の10時過ぎです。これまでは、診療報酬で食事加算が認められていましたが、2002年4月からカットになりました。腎臓病の患者さんの食事は、食塩の制限などが必要な治療食であるにもかかわらず、多くの患者さんが自前で弁当などを調達しています。

D訪問歯科診療に制限

 2002年4月から訪問歯科診療の対象となる患者さんが「常時寝たきりの状態」などに限定されました。これにより、訪問歯科診療が受けられなくなった患者さんがいます。

 


4 日本の医療は高くてムダが多いのでしょうか。

 「このまま医療費が伸びると保険財政が破綻する。抑制のために医療改革が必要だ」と、政府は主張し、マスコミの多くもそうした論調です。小泉首相などは、「これからは負担は軽く、給付は重くとはいかない」と繰り返しています。
 しかし、先進諸国の中で日本の医療費は決して高いわけではありません。医療費が低いために、医師や看護師の数などが異常に少ないのが実態です。

   


「政府がお手本とするアメリカでは」

(解説)アメリカでは、疾病別の入院費定額制や民間保険会社による医療費の管理制度などにより、受けられる医療が制限されて大きな問題になっています。それでも、自由競争と市場原理にもとづく運営の結果、医療費と患者負担は世界一です

 
5 これが薬剤費が高い理由です。

 日本の薬価が欧米諸国に比べて1.5〜3倍も高いことは、国会でも取り上げられ、政府もその是正を約束していますが、なかなか改善されていません。
 なぜでしょうか。

高い新薬

 今までの薬剤とたいして変わりなく、新薬として扱う意味もないのに、少しだけ中身を変えた「ゾロ新」と呼ばれる新薬(ゾロゾロ出てくる新薬という意味)に高い薬価がつけられています。「ゾロ新」の中には、「ローカルドラッグ」と呼ばれる日本だけでしか承認されていない薬も多く、7割が外国では未承認という調査結果もあります。

高価格がその後も

 新薬は発売されて何年か経つと特許期間が切れて、他のメーカーが同じ薬を売り出します。開発メーカーの薬を「先発品」、他のメーカーの薬を「後発品(ジェネリック)」と呼びます。ところが、何年たっても「先発品」は高価格が維持され、同じ成分の薬であるにもかかわらず「後発品」と大きな価格差があります。

   

 
6 安心、安全、あったか医療を保障する 診療報酬の改善・引き上げの提案

@薬や医療機器などの高価格を是正する

A看護師、薬剤師、歯科衛生士、歯科技工士など医療従事者の技術と労働を評価した診療報酬体系にする。看護料、調剤料、歯科衛生指導料、補綴(ほてつ)技工料などを人件費に見合ったものに設定する。

B看護師等の人手不足の解消のために、配置基準の上限を引き上げ、患者:看護師比1:1、1.5:1看護を新設する。

C3分間診療などをなくし、ゆとりを持って診療ができるようにする。そのために、医師の増員を保障する初診料、再診料を設定する。

D院内感染防止、医療安全管理、蓐瘡(じょくそう)対策のための費用を診療報酬で加算点数として評価する。

E高度先進医療以外の特定療養費制度を廃止する。差額ベッドなどの保険外負担を解消するために、診療報酬引き上げなどの手当てを行う。

F小児医療、歯科の補綴などの不採算部門を解消する。

G歯科の初診料、再診料、処置料、手術料などを医科と同じ評価にする。

医療従事者の自己努力も

 患者・国民のみなさんの願いに応えた医療を実現するためには、制度の改善だけでなく、医師、歯科医師をはじめ医療従事者の自己努力と研鑚が欠かせません。最新の医学成果を身につける努力や医療行為についての相互検討、患者さんへの説明などに努めなければなりません。
 また、ミスや過ちを起こさないために、その防止策をたて、過った場合には全体の教訓にし、繰り返さない体制作りが必要です。


7 診療報酬を引き上げると患者負担が増える?

 「保険で安心して医療を受けられるためには、診療報酬の引き上げが必要なことは分かりました。そうなると患者負担も増えるのではないでしょうか?

 たしかに、その通りです。03年4月からは、サラリーマンも3割負担に引き上げられました。しかし日本のように医療費に対して定率で何割などという患者負担を課しているところは、先進国ではフランスを除いてありません。この結果、日本の患者負担は、先進国ではトップクラスです

02年10月からの高齢者の1割負担(一定所得以上は2割)、03年4月からの健保3割負担は撤回すること。さらに、次のように患者負担を軽減することを提案します。
@高齢者の窓口負担を月単位の定額制にもどす
A健保家族の外来、国民健康保険の負担を2割に改善する
B就学前児童の医療費無料化を国の制度として行う

 患者負担の軽減は、早期発見、早期治療を促し、
 長期的には医療費の効率化につながります。

 

   

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