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高額医療費の未償還、全国で68億円--首相「分かり易い方法検討したい」



 3月8日、参議院決算委員会で、畑野君枝議員(共産)が、高額医療費の未償還問題、負担増による受診抑制問題を取り上げました。

 畑野議員は、はじめに償還状況のデータを要求、辻保険局長は、昨年10月1日現在で、02年10月〜03年3月の累計で120万件、68億円が未償還となっていることを明らかにしました。畑野氏が多額の未償還金が出ていることへの見解を質すと、坂口厚労相は、該当者への通知や手続き簡素化に努力しているとして、理解を求めました。畑野氏は、「それだけ努力しても未償還が68億円もあるのは償還制という制度そのものに欠陥があるため。きっぱりやめるべきだ」と追及、小泉首相は未申請者の事情も勘案し「わかりやすい方法を検討したい」と答えました。

 続いて畑野氏は、健保3割負担化によって受診が抑制されていることを政府の統計で示し、負担増を元に戻すよう求めました。坂口厚労相は、受診が抑制されていることを認めた上で、医療保険制度を維持するためには3割負担が避けられない、重い病気の人には上限を設けているなどとしました。

 畑野氏は、神奈川県保険医協会の調査を引いて、中断が最も多いのは高血圧患者であること、中断すれば脳梗塞や脳出血など重症化のおそれが高いと指摘、法案審議の段階での小泉首相の「必要な受診は抑制されない」との答弁にも反するとして、見解を求めました。小泉首相は、「保険料を払うばかりで給付を受けない健康な人との公平」などの理由で負担増を正当化し、財源がないとの立場に終始しました。

 畑野氏は、負担増を元に戻すのに必要な財源は400億円、雇用保険財政で建てた「スパウザ小田原」のムダ遣いだけで455億円であるとして、国民の命と健康守るために財源を使うべきであると強く求めました。