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【解説】ゼロ税率 ―医療機関の消費税問題 保団連の提案―

(全国保険医新聞2015年9月5日号より)

 

国民も医療機関も負担なく

 保団連は医療機関の控除対象外消費税(損税)の解決策として、「ゼロ税率(免税)」を提案している。
 日々の診療に必要な医薬品や医療器具の仕入れ、水光熱費の支払いなどは課税取引であり、医療機関が消費税を支払う。しかし、保険診療が非課税であることで、仕入れに支払った消費税額は控除できない。また、保険診療は公定価格であるため、窓口負担に上乗せして患者に転化することもできない。仕入れに支払った消費税は医療機関が損税として負担することになる。
 ゼロ税率は、実務上、保険診療を課税売り上げとみなし、消費税ゼロ%で計算する。課税売り上げとして取り扱うため、仕入れなどに支払った消費税額を全額控除することができる。損税は還付申告によって解消される(図参照)。

図 ゼロ税率(=免税)で医療機関、患者の負担は解消

 

診療報酬対応の矛盾は全て解決

 損税はこれまで基本診療料など診療報酬に上乗せする形で補填が図られてきた。しかし、医療機関ごとに経費構造は異なり、仕入れにかかる消費税にも格差がある。たとえ、ほとんどの医療機関が算定する初再診料に上乗せしても、設備投資の多い診療科や病院などの負担は解消され切らず、不公平が残った。また、診療報酬への上乗せは、患者負担が増えることにもつながった。
 ゼロ税率では、医療機関の損税を合理的に解消できるだけでなく、患者負担の問題も解決される。
 昨年末に出された与党税制改正大綱では、「抜本的な解決に向けて適切な措置を講ずる」ことを目指して、損税の実態の正確な把握を行い、10%への増税に向けて税制上の措置を「総合的に検討し、結論を得る」としている。

以上