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【中医協ひろい読み】 入院医療の機能分化、 短期滞在手術等基本料

(全国保険医新聞2015年11月5日号より)

 

 10月14日の中医協総会では、「入院医療における機能分化」、「短期滞在手術等基本料」のあり方について議論を進めた。

進捗評価をめぐり議論対立

10月14日中医協資料「総-2」の「入院医療について(その3)」より
10月14日中医協資料「総-2」の「入院医療について(その3)」より

 厚労省は、7対1病床について、前回改定以降、経年的に減少しているが、入院患者数や病床利用率に大きな変化はないと評価した。
 中川俊男委員(日医副会長)は「平均在院日数の短縮等により入院患者数は減少している。これ以上の急激な削減は医療現場の大幅な混乱を招く」と主張。「『7対1病床削減が機能分化を推進』との図式は誤り」として、病床削減ありきの議論を強くけん制し、評価の表現見直しを求めた。
 これに対して白川修二委員(健保連副会長)は、「病床数は一定減少しているが、患者1日、1入院あたりの単価は増大し、病院経営全体は安定している」と指摘。その上で「今のままの減少幅では時代の変化に追いつかない」と述べ、7対1病床の一層の削減を求めた。

短期滞在3の対象拡大へ

10月14日中医協資料「総-2」の「入院医療について(その3)」より
10月14日中医協資料「総-2」の「入院医療について(その3)」より

 厚労省は前回改定以降の短期滞在手術基本料3の手術の実施動向を報告した。その上で、▽水晶体再建術は基本料3への包括に伴い、両目手術から片目手術へのシフトが見られた点を踏まえ、片眼・両眼手術の評価を分ける▽ヘルニア手術等は、乳幼児等の症例が多く、年齢により出来高点数が大きく異なることから、年齢に応じ評価を細分化する▽短期滞在手術中の人工透析は包括対象外とする▽「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」等、在院日数が短く、出来高点数のばらつきが少ない3手術を新たに基本料3に加える―ことを提案し、承認された。
 なお、7対1入院基本料を届け出ている平均在院日数に、短期滞在基本料の算定患者を含めた結果、在院日数が平均1.0日減少した点も報告されている。急性期病床の平均在院日数要件見直し等を含め、今後の動向が注視される。

以上