ホーム

 

診療報酬―保団連の視点[医科A]
―初・再診料の引き上げを―

(全国保険医新聞2015年12月5日号より)

 

 医科外来の改善要求では、「初・再診料への包括評価の拡大を行わず、適正に点数を引き上げること」などを求めている。

 初・再診料等が入院外医療費に占める割合は、病院8・7%(200床未満12・4%、200床以上6・9%)に対して、診療所は20・6%(無床21・5%、有床15・5%)となっており(中医協資料、4月8日)、基本診療料は診療所の経営を大きく左右する。

 保団連による診療所(無床・内科系)への調査(2012年7月)では、1カ月当たりの再診料収入に対し、「看護師・医療事務員の給与総額」のみ比較した場合、外来管理加算を考慮しても、なお算定1回当たり6点以上が不足している。

 開業医は多大な借入金を負い、雇用管理、経理・会計、各種届出、税務、資金繰りに至るまで経営負担が重くのしかかる。日常診療の他、学校医・産業医、各種健診、救急対応から介護保険・保健所等の委員、防災・地域行事などさまざまな地域医療活動に従事しており、経営状況が地域保健に及ぼす影響も大きい。

 11月発表の医療経済実態調査では、病院の赤字幅の拡大とともに、一般診療所も収益が縮小し、地域医療全体の基盤も悪化している。今後も増える慢性疾患の患者を支え、地域保健の水準を維持・向上していく上で、初・再診料の引き上げが必要である。

以上