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TPPの負の側面知らせよう
―分析チームが報告書発表―

全国保険医新聞2016年2月25日号より)

 

 環太平洋連携協定(TPP)の協定文などを分析してきた「TPP分析チーム」が2月5日、東京都内で報告会を開催した。分析チームには、研究者や弁護士などが参画。保団連からも杉山正隆理事らが加わり、医療分野を担当した。

 報告会では、杉山理事が医療分野の問題点を報告。▽新薬の保護強化制度の導入による新薬価格の高止まり▽ジェネリック医薬品普及への障壁▽薬事行政への製薬企業の介入▽ISDS条項で国内制度が参入障壁として提訴される▽営利目的の病院運営が自由化―などの懸念を指摘した。杉山理事は「わが国の医療保険制度を揺るがす内容」「新薬やジェネリックの高騰で途上国の人が医薬品を入手できなくなる」などと述べた。

政府説明は不十分

  そのほか農産物、食の安全、知的財産など10の分野から報告された。
 食の安全について山浦康明氏(明治大学講師)は、「透明性の確保」の名目で、各国の食品基準策定に海外の利害関係者が関与できる仕組みが導入されるのではと指摘。日本の基準が米国大企業の圧力で緩められる懸念を示した。
 分析チームを代表して内田聖子氏(アジア太平洋資料センター事務局長)は、「TPPのマイナスの影響について、政府の説明は不十分」とした上で、報告書の内容の理解を広げるとともに、国内外の動きを注視してTPP阻止を実現しようと呼び掛けた。
 報告書「TPP協定の全体像と問題点」は、アジア太平洋資料センター(PARC)のホームページからダウンロードできる。

以上