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【医科社保情報】湿布薬の処方
―処方せん、レセプト記載上の注意点―

全国保険医新聞2016年4月15日号より)

 

 2016年診療報酬改定では、投薬に関連して湿布薬処方の取り扱い、処方せん様式などが変更される。以下、湿布薬等を中心に処方せん、レセプト記載上の注意点を解説する。

湿布は1日用量など記載

 湿布薬を処方する場合は、処方枚数に関わらず、1日分の用量か何日分に相当するかの記載が新たに求められる。

運用・記載上の留意点

▽院外処方では処方せんの処方欄に、用法及び用量は、1回当たりの服用(使用)量、1日当たり服用(使用)回数及び服用(使用)時点(毎食後、毎食前、就寝前、疼痛時、○○時間毎等)、投与日数(回数)並びに服用(使用)に際しての留意事項等を記載する。特に湿布薬については「1回当たりの使用量及び1日当たりの使用回数」、または「投与日数」を必ず記載する。

▽院内処方では、湿布薬投与の内訳について、レセプトの摘要欄に、「所定単位当たりの薬剤名」、「枚数としての投与量」を記載した上で、「枚数としての1日用量」または「投与日数」を記載する。

▽記載要領通知での「カルテ等の記載上の注意事項」の「処方・手術・処置等」についての記述に変更はない。

1処方70枚超は理由記載

 今回、入院外の患者に1処方につき70枚を超えて湿布薬を投薬した場合、調剤料、処方料、薬剤料(70枚超過分)、調剤技術基本料、及び処方せん料は算定できないとされた。ただし、医師が「疾患の特性等により必要性があると判断し、やむを得ず70枚を超えて投薬する場合」は「その理由を処方せん及びレセプトに記載することで算定可能」(点数表告示)とされた。なお、厚労省は技官会議(3月4日)で、審査は別と述べている。

運用・記載上の留意点

▽制限対象となる湿布薬は、貼付剤のうち、薬効分類以上の鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤となる。ただし、専ら皮膚疾患に用いるものは除く。

▽70枚は1処方についての制限であり、月単位での制限枚数は設けられていない。

▽70枚の判断は湿布薬の種類ごとではなく、処方された湿布薬全体の合計枚数となる。

▽1処方につき70枚を超える場合は、院外処方では処方せんの備考欄、院内処方ではレセプトの摘要欄に当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨について記載する(例えば、病名、部位や患部の広さなどが考えられる)。

処方せん備考欄上の注意

 後発品使用促進、分割調剤拡大、薬局と連携した残薬調整、かかりつけ薬剤師の創設などに伴い、処方せん備考欄の記載対象が増える。

運用・記載上の留意点

▽後発品の銘柄指定は理由記載
 後発医薬品を処方する際に、いわゆる銘柄指定で「変更不可」欄に「支」または「×」を記載する場合は、その理由を記載することが必要となる。

▽分割調剤の指示
 入院中の患者以外の患者に対する処方について、患者の服薬管理が困難である等の理由で、保険薬局に分割調剤を指示する場合には、分割の回数及び当該分割ごとの調剤日数を記載する。この場合、保険薬局に指示しておくベき事項等があれば具体的に記載する。

▽薬局での残薬確認時の対応指示
 保険薬局が調剤時に患者の残薬を確認した際に、当該保険薬局に対して「保険医療機関へ疑義照会をした上で調剤」すること、または「保険医療機関へ情報提供」することを指示する場合には、該当するチェック欄に「支」または「×」を記載する。
※処方せん様式が変更される。なお、指示する場合のチェックであり、チェックが必須・義務という旨の記載はない。

▽地域包括診療加算等の算定患者名の情報提供
 地域包括診療加算、認知症地域包括診療加算または地域包括診療料、認知症地域包括診療料を算定している患者について、保険薬局に対してその旨を情報提供するに当たって、処方せんへの書面の添付によらない場合は、当該加算を算定している旨を備考欄に記載する。
※新設された「かかりつけ薬剤師包括管理料」の算定対象となる患者の確認方法として追加。

処方せんは取り繕い・在庫使用も可

 処方せん様式の変更は4月1日より実施となるが、厚労省は「疑義解釈(その1)」で、従前の処方せんの取り繕いや在庫の使用でも差し支えないとしている。

疑義解釈(その1)厚生労働省事務連絡(3月31日)

問127 診療報酬改定等により処方せん様式が改正された場合、改定後に従前の様式を使用することはできないのか。
 改正後の処方せん様式に係る必要事項が記載されていれば、従前の様式を取り繕って使用しても差し支えない。なお、従前の処方せん様式の在庫が残っている保険医療機関において、既にある従前の様式をそのまま使用することも差し支えない。

以上