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【中医協ひろい読み】薬価の中間年改定―薬価制度改革―

全国保険医新聞2017年2月25日号より)

 中医協薬価専門部会が2月8日に開催され、薬価制度の抜本改革を定めた「基本方針」の具体化に向けて、現行2年に1度の薬価改定の合間に追加する中間年改定について議論した。全面的な毎年改定を目指す支払側と限定的な改定に留めたい診療側で意見が分かれた。

簡易調査を提案 厚労省

 基本方針では、国民負担を抑制するため、全品対象に毎年薬価調査を行い薬価改定するよう求めている。中間年は「大手事業者等」を対象に調査し、「価格乖離の大きな品目」について改定する。また、薬価調査の結果の正確性・手法を検証し、薬価調査自体の見直しも検討するとしている。
 厚労省は、@中間年の調査について▽簡易調査で負担軽減▽調査の手法・客体(現行は卸等全数、病院・診療所・薬局は一部抽出)▽公正な取引への影響等、A調査結果の正確性について▽公表事項の拡大▽機密性の高い情報への留意、B手法の検証では▽任意調査としての配慮▽効率化―を検討課題にあげた。

大手卸を中心に 日医

 中間年改定のみを切り出す論点に対し、協会けんぽの委員は、「現行の薬価改定の課題を洗い出した上で、中間年改定の在り方を議論すべき」と薬価改定全体を検討するよう求めた。対して、厚労省は、「乖離率が大きい品目を改定するため、中間年は本調査とは別物で整理している」とした。
 日医副会長の中川俊男氏も、厚労省の提案を支持した上で、基本方針の趣旨に沿った調査を提案。「経済財政諮問会議で塩崎厚労大臣も4大卸で卸高75%」と述べており4大卸中心に調査する。乖離幅の大きい品目も「以前の薬価調査で想定できる」として、「極力負担が少なく簡便・限定的な手法で行うべき」とした。結果の正確性にズレが出た場合は、「通常の薬価改定で修正すればよい」とした。

本調査の縮小版で 健保連

 大手卸への限定調査に対して、健保連委員は、本調査とのバランスからも「調査客体は本調査と同じのままで、さらに抽出率を縮小した形で行うべき」とした。今年9月の薬価調査結果でズレがないようであれば、抽出率縮小の形で実施すれば良いとした。また、2019年10月の消費税10%実施予定から、消費税対応で18年の薬価調査が必要になるとして、「中間年調査の導入は2021年以降が現実的」として、拙速な議論は必要ないとの認識を示した。

以上