ホームニュースリリース・保団連の活動医療ニュース 目次

 

中医協総会、遠隔診療のあり方議論
―18年改定へ 外来の検討始まる―

全国保険医新聞2017年2月25日号より)

 中医協は2月8日、総会を開き2018年診療報酬改定に向けて外来診療に関する検討を開始し、遠隔診療の取り扱いが議論された。慎重な対応を求める診療側委員と推進を求める支払側委員との間で議論は平行線をたどった。

対面診療の補完が基本

 診療側委員の中川俊男氏(日本医師会副会長)は、医師が遠隔地の患者等に対して情報通信機器を介して診察する遠隔診療は、「あくまで直接の対面診療の補完」だとし、基本的な考え方の確認を求めた。
 中川氏はさらに、患者の病状安定の判断についても、「かかりつけ医に定期的に受診して診察・検査等を行って判断されるもの」であり、単に病状が安定している患者であれば遠隔診療を行ってもよいとの考えには、否定的な意見を述べた。
 中川氏の発言は、支払側委員の幸野庄司氏(健康保険組合連合会理事)の「病状が安定している患者で、その患者から求めがあった場合を想定して、遠隔診療を推進してもいいのでは」との発言を受けたものだ。

どこまで許容、今後の論点か

 遠隔診療を保険診療として行えるとされる場合は厚労省通知で示されているが、例示に留まっている。例示されない範囲が、どの程度まで許容されるかを巡って、今後も議論が続きそうだ。

遠隔診療に係る厚労省の基本的な考え方など

 厚労省は、@診療は、医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本とした上で、A遠隔診療を、あくまで直接の対面診療の補完とし、直接の対面診療に代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合に認めている。
 遠隔診療の具体的な事例としては、1997年の医政局長通知に、@直接の対面診療を行うことが困難である場合(例えば、離島、へき地の場合など)、A病状が安定している患者(長期に診療してきた慢性期患者など)に対し、患者の病状急変時等の連絡・対応体制を確保し、患者の療養環境の向上が認められる遠隔診療を実施する場合(例えば、在宅酸素療法を行っている患者など)と、該当する地理的条件や疾病内容を例示している。

以上