ホーム


国営諫早湾干拓事業工事差し止め仮処分に対する国の異議申立て却下について

                                        2005年1月13日
全国保険医団体連合会
             公害環境対策部部長
                       野本哲夫                                                                                        

 佐賀地裁は、1月12日、国が同地裁に対して求めていた、国営諫早湾干拓事業の工事差止め仮処分決定の取り消しについて、国側の申立てを却下しました。

 佐賀地裁は、今回の国側の異議に対して、再度、諫早湾干拓事業と有明海異変・漁業被害の因果関係を認定するとともに、今回はさらに「漁業被害を将来的に防ぐための第一歩としては工事の差し止め以外に他の有効な代替手段」はなく、工事差し止めは「現時点での唯一の最終的な手段」と明確に述べました。また、国側が主張する「工事中断で賠償や経済損失が生じる」などについては「あまりに硬直した解釈」等と国側の異議申立て内容を否定しました。

 保団連は、これまで現地視察等を行い、諫早湾の干拓事業は、有明海の環境に大きな悪影響を発生させるとともに、自然を破壊する無駄な公共事業であることを指摘し、工事の中止を求めてきました。

 全国保険医団体連合会の医師、歯科医師は、関係者の方々とともに、今回の佐賀地裁の決定を歓迎し、国に対して以下のことを訴えるものです。

一、 国は、再度にわたる司法の判断を真摯に受け止めて、福岡高裁に抗告しないこと。

一、 干拓事業の中止、排水門の開放、有明海の再生のための事業に即時に取りくむこと。

一、 全国的に、無駄な公共事業の見直しを実施すること。

                                      以上