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高速増殖炉「もんじゅ」運転再開のための改造工事の了承を撤回するよう求めます

福井県知事 西川一誠 殿 

                                           2005年2月8日
全国保険医団体連合会
公害環境対策部部長
野 本 哲 夫


 貴殿は2月6日に、95年にナトリウム漏れ火災事故発生後、運転を停止していた高速増殖炉「もんじゅ」運転再開の前提となる改造工事を了解し、高速増殖炉「もんじゅ」は運転の再開に向けて動き出しました。

 高速増殖炉は、技術的に安全性が未確立であり、多くの国で重大な事故を起こし、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス等各国で、開発を断念しています。

 また、2003年1月に名古屋高裁金沢支部は「もんじゅ」に対して「炉心崩壊などの事故が起き放射性物質が環境へ放出される具体的危険性を否定できない」とする判断を示し、国の設置基準は無効であるとの判決を下しました。しかし、国は最高裁に上告し、今年の3月から審理が始まる予定です。「もんじゅ」はまだ裁判で係争中の問題です。

 貴殿がこうした中で「もんじゅ」の運転再開への改造工事入りを決めたことは、国民、県民の命、健康を無視したものといえます。

 医師、歯科医師、約10万人以上で構成する本会は、国民の命と健康を守る立場から、「もんじゅ」再開に向けての改造工事の了解決定に強く抗議するとともに、「もんじゅ」の現地視察を行う等して、その危険性を強く認識しています。我々は下記項目について要請します。



一、 ただちに、名古屋高裁金沢支部の判決に従い、高速増殖炉の運転再開につながる工事の了承を撤回すること。

二、 高速増殖炉自体の開発計画をやめるよう国に進言すること。

                                                      以上