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障害者自立支援法案の衆院厚労委採択に抗議し、根本的見直しを求めます

2005年7月13日
全国保険医団体連合会
副会長  住江憲勇



 本日13日、与党のみの賛成により、衆議院厚生労働委員会で修正案及び障害者自立支援法案が採択されました。

 本法案は、630万人の身体障害者、知的障害者、精神障害者、障害児に対して「自立支援給付」を行うことを定め、サービス利用に応じた応益負担(1割)の導入、食費・水光熱費等の自己負担化を狙うとともに、障害者施策をいつでも介護保険制度に統合できる仕組みに変えるものです。さらに、公費負担医療(精神通院医療・育成医療・更生医療)を「自立支援医療」などと呼び変え、1割負担(一定所得以上は3割)を強いるものであり、われわれは、本法案の白紙撤回・廃案を求めてきました。

障害者団体の調査によれば、作業所や一般企業で働いている障害者のうち76.6%は「年間収入が10万円未満」との指摘があり、また、厚生労働省が示したデータにおいても非課税世帯の割合は「精神通院医療」受給者で8〜9割、「更生医療」受給者で4〜5割にものぼっており、「応益負担」と称して自己負担を徴収する本法案は理不尽極まりないものです。

 障害者においては、排泄や入浴、食事等の日常生活動作における支援は命に直結する性格を有し、コミュニケーションや自由な外出等の支援は生きる意欲の源泉となるものです。こうした当たり前の生活をするために必要な社会サービスを受けることが「応益」であるとする法案は、障害者の自立を阻害することは明白です。

 委員会の審議過程においてこうした法案の骨格部分について重大な問題点が明らかになり、また、多くの障害者、障害者団体の強い抗議にも関わらず、討論を打ち切り、ほぼ無修正で採択したことに強く抗議します。

 同時に、参議院においては法案の骨格に係る諸問題を徹底審議し、障害者団体の意見も踏まえ法案の根本的な見直しを行うよう、強く要望します。

以上