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青森県・六ヶ所村再処理工場本格稼動に反対します
六ヶ所村では2006年3月31日から実際に使用済み核燃料棒を切断し再処理のアクティブ試験が行われました。12月中旬に第2段階が終わり、その間洗浄水漏れ、放射性物質検出、ウラン試薬漏れ、二度の作業員体内被曝、工事作業員ヤケドなどの事故をおこし、日本原燃の発表で3月31日〜12月6日まで約330兆ベクレルの放射性物質が海洋放出されました。第2段階では更に燃焼度の高い燃料棒の再処理が行われ、今後多くの放射性物質が海洋と大気へ放出されようとしており、取り返しのつかない環境汚染が心配されます。
再処理とはプルトニウムの抽出を目的としています。地上に存在する物質でもっとも毒性の強いプルトニウムは半減期24000年、化学反応性に富み、空気に触れると二酸化プルトニウムの微粒子となります。プルトニウムは鉄と類似した性質のため、胎盤の壁を通り抜ける、血液中のたんぱく質と結合し肝臓や骨髄に運ばれ、肝臓癌、骨髄癌、白血病を発生させます。英セラフィールド周辺の子供達の抜去歯からプルトニウムが検出され、英仏再処理工場周辺では小児白血病が多発しています。プルトニウムの海洋汚染はアイリッシュ海に留まらず遠く北極海にまで到達しています。地球規模の海洋汚染にノルウエー政府はイギリス政府に再三の抗議をし、アイルランド政府は国際海洋裁判所に提訴しました。
海洋汚染の調査を目的に、2002年8月、市民団体の手で行われた1万枚の葉書海流調査では、津軽暖流に乗った葉書は三陸海岸沿いを南下、東京湾まで約1ヶ月で到達しました。放射能汚染は青森県だけの問題ではありません。再処理では放射能の海洋放出に濃度規制はないため、六ヶ所村もまた地球規模の汚染源となるのは必至です。
水俣病の悲劇を思い出しましょう。1959年に熊本大学医学部研究班は水俣病の原因物質は水俣湾周辺の魚介類中に含まれる有機水銀と結論づけました。しかし行政は1968年にチッソ水俣工場廃液中のメチル水銀と認めるまで規制を行わず、チッソは工場排水を流し続けました。その間に被害は拡大しました。この水俣病一大公害の教訓を今こそ学ぶべきです。
日本の電力会社は英仏に30トン、国内と合わせて40トン以上のプルトニウムを保有しています。よってこれ以上プルトニウムを増やす再処理は即刻中止すべきです。六ヶ所村で作られる「混合酸化物(ウラン+プルトニウム)」は日本原燃が言うように核不拡散性に優れてはいない、IAEA(国際原子力機関)によれば混合酸化物もまた核兵器への転用が可能な物質とされています。日本政府は核を持つ魂胆でしょうか。
ただ1つの原爆被ばく国日本。我々は平和を愛し、人々の病を癒し、全ての人に健康と幸福を求める医師、歯科医師の集団として六ヶ所村再処理工場本格稼働中止を強く要望します。合わせて日本の原子力政策の根本的な見直しもここに求めるものです。