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中原「過労死認定」をひとつの光に掲げ続けよう

                                   

                    2007年3月14日 全国保険医団体連合会
副会長 津田 光夫

      

「中原利郎先生」を覚えているでしょうか? 都内のある病院で自死した小児科医です。彼の過労死認定に対する東京地方裁判所の判決が本日出されました。

 昨年の保団連夏季セミナーに過労死認定を求める奥様と、それでも小児科医になるという娘さんが出席され、多くの医師、歯科医師の心情を揺さぶり、支援の輪がまた広がった件です。

いま日本中で、都会や過疎地を問わず小児科医がおかれている現状は極めて厳しいものがあります。さらに、産婦人科医や緊急の呼び出しの多い診療科などでは、そこに働く医師のほとんどが過労死寸前の状態にあるといっても過言ではありません。

 今回の原告勝訴の判決は、現今の医師不足、医師労働問題から日本の医療を憂える人々に肯定的な労基法サイドの合意を与えるものであり基本的に歓迎します。

この国の医療が現在の水準を保ち、さらに発展する医療技術を安全に取り入れてゆくならば、総医療費を増やし、医療に携わる技術者の総量を増やす以外にないことを物語っています。

国は控訴することなく、速やかに過労死認定を認めるべきです。

 最終的な判断はこの訴えを起こされたご遺族や『支援する会』の判断に委ねられますが、われわれは引き続き日本の医療の核心を占める医師不足問題のひとつに位置づけ、重大な関心をもって支援を続けるものです。