全国保険医団体連合会
3月15日、北陸電力は1999年の定期検査中におきた志賀原発1号機の臨界事故を8年間も隠していたことが明らになりました。 制御棒の3本が抜けて臨界に達し15分間にわたって制御不能となり臨界状態が続きました。 1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故につながりかねない可能性がある原発事故でした。 重大なことは、1999年から発覚した今年の3月15日まで、国、自治体、住民に事故そのものを隠していたことです。 また、国による定期検査の最中でもあり、国が報告があるまでこの事故を知らなかったという原子力行政の責任は重大です。 国は、国民のいのちと健康を守るために原子力を平和的に使う義務と責任があります。 この事故からすぐ後に東海村のJCO臨界事故がおきて、尊い生命が奪われるとともに多くの住民が被曝し、心身の不調を訴えています。 私達全国保険医団体連合会の医師、歯科医師は事故の後、東海村を訪れ、原子力事故がいかに悲惨で深刻な実態をもたらすかを現地で確認しました。 また、北陸電力の臨界事故隠しが発覚した後、1991年、88年には中部電力浜岡原発3号機と東北電力女川原発1号機、東京電力で福島第二原発3号機、柏崎刈羽原発1号機で1993年、2000年に、同様に制御棒が抜け落ちるという事故が起きていたことを3社が公表しました。 原子力の平和的利用は国民の生命、健康を守ることが最優先です。北陸電力に対して営業許可取り消し処分を行い、このような悪質な事業者を社会的に締め出すことを要求します。 電力会社は経済性を優先して国民を無視していると言わざるを得ません。国民の生命と健康を守る医師、歯科医師として今回の事態は許せないことであり強く抗議するものです。今後徹底的な事故の原因究明及び情報公開を求めます。 また、国に対しては、原発推進の経済産業省から完全に独立した規制機関を早急に確立することを要求します。 以上 |