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熊本県知事の川辺川ダム建設計画への反対表明を歓迎する… 国土交通省は直ちに建設計画の中止を

2008年9月12日
全国保険医団体連合会
公害環境対策部長 野本哲夫

 

 国土交通省が熊本県相良村に建設を計画している川辺川ダムについて、蒲島郁夫熊本県知事は9月11日の県議会で反対を表明し、建設中止を求めた。
川辺川ダム建設計画に対しては、建設予定地の相良村村長や、ダムの恩恵を受けるとされた人吉市の市長が相次いで反対を表明するなど、反対する地元住民をはじめ県民世論が高まっている。こうした中で、熊本県知事が反対を表明したことは、建設中止への大きな力となるものであり、熊本県知事の決断を歓迎する。
川辺川ダムは、1996年に治水を目的に旧建設省が計画を発表。その後、2003年に福岡高裁の川辺川利水訴訟で農水省が敗訴、判決が確定し、農水省は2007年、利水事業から撤退した。さらに、同年、電源開発も発電事業から撤退し、多目的ダムとしての機能はほとんど失われていた。
本会は、計画当初から、川辺川ダム建設に反対し、公共事業のあり方を根本的に見直すことを求めてきた。この立場から、今回の知事の反対表明を歓迎するとともに、国土交通省に対して、県民の意向を尊重してダム建設を中止し、ダムによらない治水対策をすすめること。さらに、全国のダム建設計画を再点検し、必要性の低いダム建設から撤退するなど根本的な見直しを強く要望するものである。