ホーム

 

厚生労働大臣 舛添 要一 様
中医協委員 各位

 

2008年11月10日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

ハイリスク分娩・妊娠加算の施設基準への民間保険加入要件の追加を撤回すること

前略 国民医療改善に関するご尽力に敬意を表します。
 さて、11月5日に開催されました中医協総会におきまして、ハイリスク妊娠管理加算及びハイリスク分娩管加算の施設基準に、「日本医療機能評価機構が定める産科医療補償標準補償約款と同一の産科医療補償約款に基く補償を実施していること」の要件を追加することが決まった。
 これは民間保険に入ることを診療報酬上の施設基準にすることであり、当会としては、施設基準に民間保険への加入を要件とすることがないよう、この方針の撤回を求めるものである。
 また、厚生労働省は、産科医療補償制度の開始に伴って同制度加入施設で分娩した場合の出産育児一時金を1人当り38万円とし、制度未加入施設で分娩した場合は1人35万円とする方針を示している。
 そもそも、産科等における無過失補償は、必要な医療を提供する一環として偶発的に発生する事故を補償するものであり、公的に整備されるべきものである。
 今回の措置は、国が果たすべき役割を放棄するものである。
 今回の措置を許しては、今後こうした要件が他の施設基準にも取り入れられる恐れが高い。 こうしたことから、当会としては、下記の要求を行うものである。

一 民間保険への加入を施設基準の要件に追加しないこと。
一 国による無過失補償制度を早急に整備すること。
一 産科医療補償制度への加入の有無によって出産育児一時金の金額を変えないこと。
一 財政的措置を行い、救急医療制度、産科医療制度の確立を早急に行うこと。