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厚生労働大臣 舛添要一 様
社会保障審議会 介護給付費分科会委員 御中


2008年11月10日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

介護報酬改定に対する緊急要望 〜医療系サービスは医療保険で給付すること〜

 

前略 介護確保に対する貴台のご尽力に敬意を表します。
 さて、10月30日に開催されました社会保障審議会介護給付費分科会において、医療保険で維持期リハビリテーションを行っている利用者が同じ医療機関で介護保険適用の通所リハビリテーションが受けられるよう、2時間未満の個別リハに特化した制度を創設することが事務局から示されました。
 維持期リハビリテーションについては、2006年診療報酬改定で、原則として発症から最大180日で医療保険給付が中止され、制限日数を超えた場合は維持期リハビリとして介護保険給付となりました。
 この結果、「介護保険のリハビリが受けられる場合でも、その内容が医療のリハビリテーションとは大きく異なるため、機能維持が図れない」、「介護保険給付の対象者でない患者や、近くに介護保険のリハビリがない地域の患者では、介護のリハビリすら受けられない」という事態を生み出し、寝たきりになってしまうケースや生活機能が低下し、命を落とす可能性が生じました。
 これについて、2006年の診療報酬改定直後から「リハビリ診療報酬改定を考える会」を中心とする48万の署名に象徴されるような患者と医療担当者の共同した日数制限撤廃の運動が取り組まれ、2007年4月には、不十分ではありましたが医療保険で維持期リハビリテーションが実施できるよう、異例の再改定が行われたところです。
 今回の方針は、維持期リハビリテーションを再度介護保険給付に戻すものですが、そもそも維持期リハビリテーションは医師の関与を前提としたOT・PT・ST等の専門職種による医療行為であり、医療保険から除外すること自身が大きな問題です。
 また、介護保険では区分支給限度額の枠内でリハビリテーションを実施することとなり、医学的な必要があっても介護保険給付がされず、区分支給限度額を超えるリハビリテーションは自費で行うことになります。これでは、医療の必要性ではなく、お金の有無でリハビリテーションが提供されることになってしまいます。
 なお、30日の給付費分科会においては、訪問看護について褥瘡の処置を特別管理加算の対象にすることも示されましたが、訪問看護についても同様のことが言えます。
私達は、開業医の団体として、患者の病態に応じて必要な医療の提供ができるよう、下記事項の実現を求めるものです。



一 維持期リハビリテーションや訪問看護など医療系サービスは医療保険給付とし、患者の病態に応じて実施できるようにすること。