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1.73%の引き上げでは医療崩壊は食い止められません
診療報酬のさらなる引き上げを求めます

2009年12月16日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 前略 国民医療確保に対するご尽力に敬意を表します。
さて、12月15日の記者会見で足立信也政務官は、2010年度診療報酬改定率について本体1.73%前後の引き上げを財務省に要求するとの方針を明らかにされました。
しかし、11月3日に都内で行われたご講演で足立信也政務官が「(06年度のマイナス幅である)3.16%を超えるぐらいのアップがないと絶対に無理だ」と述べられました通り、医療崩壊を食い止めるためには1.73%の改定率では全く不十分です。
1980年代から続く医療費抑制政策に加えて、小泉構造「改革」による診療報酬の大幅削減により、急性期病院だけでなく中小病院や医科・歯科診療所など医療提供体制全体が疲弊をしており、このままでは、地域医療の崩壊に歯止めがかかりません。
民主党の桜井充参議院議員が会長をされておられる「適切な医療費を考える議員連盟」では、マニフェストを守るために次期改定で3%の診療報酬アップを行うことや漢方薬を保険適用から除外しないことなどを12月4日に小沢幹事長に申し入れたと報道されています。これは、単に公約したから守るという趣旨ではなく、今の医療崩壊の現状をしっかりと認識された上で、患者や国民のために、3%の引き上げを求められたものと推察します。
診療報酬を引き上げれば、患者負担拡大や保険料引き上げにつながるとして引き上げに慎重なご意見もあります。しかし、医療崩壊を食い止めることと国民負担増の回避を対立させては日本の医療はよくなりません。
企業負担や国庫負担を引き上げて、診療報酬引き上げが被保険者の保険料の引き上げにつながらない施策を実施することや患者負担の軽減に取り組むことこそが政治の役割であり、社会保険制度の原理・原則にそった対応であると考えます。
また、医療への投資は、決して無駄な消費ではありません。
12月15日に閣議決定した「2010年度政府予算編成の基本方針」においても「医療・介護をはじめとした社会保障分野への投資は、幅広い雇用の受け皿を国民に提供するだけでなく、中期的には高い投資効果が期待できる」とされています。
診療報酬を引き上げれば、雇用の拡大と経済波及効果が期待できます。
医療崩壊を食い止め、雇用を拡大し、経済を活性化させるためには、少なくともネットで3%以上の診療報酬引き上げを行っていただけますよう、強く要望します。