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厚生労働大臣 小宮山 洋子 様
介護保険部会委員  各 位
民主党 社会保障と税の一体改革調査会
会長 細川 律夫 様
同事務局長 長妻  昭  様
同 医療・介護ワーキングチーム
座長 柚木道義 様
同事務局長 梅村 聡  様

公費負担拡大で介護保険制度の改善を求める要望書
…介護保険部会「社会保障・税一体改革」論議に対する要望…

2011年10月25日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 前略 介護保険制度改善に対するご尽力に敬意を表します。
 さて、社会保障審議会・介護保険部会は、社会保障・税一体改革に関する論議を2011年10月13日に開始し、11月26日までの4回の会議で部会としての結論を得る予定であるとされています。

 10月13日の部会では、社会保障・税一体改革に沿って、@全額国庫負担(来年度ベースで1900億円)で実施してきた介護職員処遇改善交付金を介護報酬内に組み込む(国庫負担500億円、地方負担500億円、保険料・利用料負担1000億円)、A介護報酬内化に必要な財源確保のために、ア)40歳〜64歳の介護納付金を各医療保険加入者数に応じた人数割から、加入者の所得に応じた総報酬制とする、イ)重度化予防に効果のある給付の重点化を行う、ことが提起されました。

 そもそも政権与党の民主党は、2009年総選挙における「民主党の政権政策Manifesto2009」において「介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる」ことを国民に約束しています。
 今回の検討内容は、国民との約束を反故にするだけでなく、2009年に自公政権が創設した介護職員処遇改善交付金の考え方(被保険者や利用者、地方負担によらず国が責任をもって処遇改善を行う)からも大きく後退するものです。

 高齢者は、これまで懸命に働き、日本の発展に寄与してきました。そもそも高齢者が人間の尊厳にふさわしい生活を送るためには、日本国憲法の理念に立って、@公的年金による十分な所得保障、A行き届いた保健・医療・介護サービス、B安全で快適な居住と地域の環境の確保等3本柱の総合的な施策が不可欠です。
 そして介護は私的な問題として解決すべきものではなく、憲法13条と憲法25条に基づく国民の生存権を保障するものとして公的に国が責任を持って解決すべきです。
 保団連は、こうした立場から次の実現を強く求めるものです。

一 介護職員処遇改善交付金は、その全額を国庫負担で実施し、その対象範囲および支給金額を引き上げ、介護労働者の賃金を4万円引き上げること。
一 介護保険に対する国庫負担割合を引き上げ、利用料や保険料の負担拡大を行わないこと。低所得者の保険料を軽減すること。
一 給付の重点化を止め、必要な介護サービスが受けられるよう介護報酬及びサービス範囲拡大すること。また、区分支給限度額を引き上げること。
一 介護療養病床廃止を撤回すること。