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国会議員 各位                     

2012年5月10日
全国保険医団体連合会
会長 住江憲勇

消費税増税法案の審議入りに抗議し、
徹底審議のうえ廃案を求める


6割を超える増税法案成立反対の国民の声を押し切り、5月8日、消費税増税を含む「一体改革」関連法案が衆議院で審議入りした。国民の命と健康を守る立場から、私たちは消費税増税法案の審議入りに抗議し、徹底審議の上廃案にするよう求めるものである。

政府・民主党は、消費税増税のほか年金・育児など7本の重要法案を一括審議するとして「一体改革」特別委員会を設置した。本来、国会は各法案を十分に審議して問題点を明らかにし、国民の意見を豊かに反映する審議を行うのが役割である。重要法案を7本もまとめて付託したのでは、国会の審議機能が十分に発揮されるとは到底いえない。抜け穴だらけの労働者派遣法「改正」、障害者自立支援法の延命・恒久化、子ども手当の減額などのように、民自公3党間による密室談合で審議が推移しかねない事態を強く懸念する。

何より、国民が政権交代に託したのは貧困・格差を拡大させてきた新自由主義・構造改革路線政治・財政運営・経済運営からの脱却である。消費税増税は、こうした願いに真向から背く議会制民主主義を破壊する行為といわざるをえない。

今、先進諸国では、新自由主義に対する反省から、富裕層に応分な負担を求める方向での税財政改革を模索している。我が国でも“バフェット・ルール”のような応能負担に基づく所得再分配機能の徹底の観点からの議論こそ進めるべきであり、庶民・中小業者に負担を強いる消費税増税は世界の流れにも逆行するものといわざるをえない。

現在、デフレ脱却を目標に日銀が金融緩和を懸命に進める一方で、政府から国民に増税しようとするのは政策上の不一致も甚だしい。特に、貯蓄世帯が減少し、国際情勢も急激に悪化している中、景気変動に配慮しない“安定”徴税たる消費税の増税は、あまりにも無謀な政策選択である。

野田首相は増税法案成立に「政治生命をかける」というが、どこの国に自らの政治生命と引き換えに「経済、国民生活、仕事を破壊する」首相がいるのか。改めて消費税増税法案の審議入りに強く抗議し、徹底審議のうえ廃案を求めるものである。

以上