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高浜原発の「審査書」決定に抗議する

2015年2月13日
全国保険医団体連合会
公害環境対策部長 野本 哲夫

 昨年末に新規制基準に適合しているとする審査書案が了承され、パブリックコメントに付されていた関西電力・高浜原発について、原子力規制委員会は2月12日、事実上の再稼働認可となる審査書を決定した。福島第一原発事故の全容は未だ解明されておらず、原発事故に対する根本的な安全策も依然として確立されていない中で、審査書が決定されたことに強く抗議する。

 特に、高浜原発の場合、避難計画が義務づけられる30キロ圏内には、福井県だけでなく京都府、滋賀県も含まれ、舞鶴市は即時避難が必要な5キロ圏内にある。しかし、これらの自治体は地元同意の対象になっておらず、避難計画についても自治体まかせである。避難計画の策定は住民の安全性を確保するために不可欠であり、新規制基準による審査の対象とすべきである。

 高浜原発が立地する福井県には、大飯原発の他、美浜原発、敦賀原発、高速増殖炉「もんじゅ」など、原子力施設が集中して立地しており、毒性の強いプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)の使用は、原発事故時における放射性物質の拡散量が大きいことから重大な事故につながる危険性がある。

 福島第一原発事故では、当初、1キロ圏内から3キロ圏内へと避難地域が拡大し、最終的に30キロ圏内が避難区域となった。静岡県は、浜岡原発で重大事故が起きた場合、原発から31キロ圏内の86万人が避難し終えるまで32〜46時間かかるとシミュレーションしている。避難指示の18時間後に爆発した福島第一原発事故をふまえると、被ばくの可能性が高い。高浜原発でも、30キロ圏内を想定した場合、避難時人口は10万人単位となる可能性がある。

隣接する大飯原発の安全性をめぐる裁判で、福井地裁は昨年5月、福島原発事故の教訓をふまえ、原発の持つ本質的な危険性に言及。その上で、憲法上の権利である人格権を保障する立場から運転再開を認めない判決を言い渡した。高浜原発の運転再開は、この立場からも、認められるものではない。

以上