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※当会では定期理事会において以下の声明を発表いたしました。

【声明】審議はまだ12時間余りです。拙速な採決をせず、
「医療保険制度改革関連法案」のさらなる審議と廃案を求めます

―参議院厚生労働委員会での委員会採決の動きに対して―

 

 現在、参議院厚生労働委員会で医療保険制度改革関連法案の審議が行われています。
 衆議院での審議は、わずか19時間(参考人質疑を除く)。患者自己負担増が1200億円にものぼる「入院時食事療養費」の自己負担引き上げは、全体でわずか10数分しか議論されませんでした。協会・医会、保団連からすべての参議院議員に訴えたこともあり、参議院厚生労働委員会では、患者負担増の問題を質問する議員は徐々に増え始めました。それでも、5月22日(金)時点での審議時間は、まだ12時間余り(参考人質疑を除く)で審議の不十分さは否めません。

 与党からも、衆議院で賛成した政党からも、法案に対する懸念が次々に出されています。
 「経済的困難を抱えている患者さんが、入院時の食事療養費の自己負担があがることで入院をあきらめることになり、さらに重篤化することにならないか」
 「患者申出療養制度について、『6週間』でどのように安全性・有効性を確認するのか、予想しなかった医療事故や副作用が起こった場合、患者およびかかりつけ医の責任とされるのではないか。本当に将来的に保険収載される保証はあるのか」
 「今でも『払えないほど高すぎる保険料』や違法な差し押さえで苦しんでいる国保加入者をさらに増やすのではないか」
 他にも様々な論点が残っています。それにも関わらず、厚生労働大臣をはじめとする政府側答弁は「法案成立後に関係審議会等で詳細は決める」との答弁に終始しています。

 私たちは、患者さんに寄り添い、いのちと健康をまもる医師・歯科医師です。
 私たちのもとには、全国の23万をこえる患者さんなどから「患者負担増や保険のきかない医療を広げる計画はやめて」との請願署名が届けられ、この間、国会に提出をしてきました。難病・患者団体も「患者負担の増大等への影響」を危惧し、私たちと共に法案廃案の声をあげています。
 こうした患者さんや医療従事者、国民のみなさんの声を無視し、十分な審議もつくさずに厚生労働委員会での採決を近日中にも行うことは、とうてい許されません。
 議会制民主主義の立場からも立法府としての役割、責任発揮とはいえるものではありません。

 私たちは「医療保険制度改革関連法案」のさらなる審議と廃案を求めます

以上

2015年5月24日 全国保険医団体連合会14〜15年度第17回理事会