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※当会では定期理事会において以下の声明を発表いたしました。

【声明】患者、国民の声を無視して、医療保険制度改革関連法を
可決、成立させたことに強く抗議する

2015年5月27日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 2015年5月27日、参議院本会議において、医療保険制度改革関連法が自民・公明などの賛成多数によって可決、成立されました。参議院の委員会採決時には、野党議員からこぞって審議が尽くされていないとの意見が出され、法案のほとんどの項目について言及した附帯決議が出されたことからも、関連法の問題点が残されたままであることは明らかです。また、患者、国民から再三にわたり「審議を尽くせ」の声が寄せられたにもかかわらず、衆議院、参議院合わせてわずか37時間(参考人質疑を除く)の審議で可決、成立させたことは、議会制民主主義を破壊するものであり、強く抗議します。

 本法は、医療・介護総合法と同様に、国民健康保険法、健康保険法、高齢者医療確保法などの重要な法「改正」が一括して提案されました。一つひとつ徹底した審議が必要な法「改正」を一括し、国民にその内容を知らせることなく拙速に成立させてしまう手法は、国会審議を蔑ろにするものであり、許されません。

 法案の中身についても、わずかな審議時間ながら、与野党を問わず次々と懸念する点が出されました。「経済的困難を抱えている患者さんが、入院時の食事療養費の自己負担があがることで入院をあきらめることになり、さらに重篤化することにならないか」「患者申出療養制度で『6週間』でどのように安全性・有効性を確認するのか。本当に将来的に保険収載につなぐことができるのか」「今でも『払えないほど高すぎる保険料』や違法な差し押さえで苦しんでいる国保加入者をさらに増やすのではないか」。参議院参考人質疑では、患者団体から「患者や家族の声、生活実態を把握した上での議論なのか」との意見も出されました。

 こうした懸念に対し、政府は正面から答えず、「詳細は法案成立後に審議会等でつめる」との答弁を繰り返しました。

 患者さんや国民の困難な状況、切実な声を置き去りにする政府の姿勢に、私たちは断固抗議します。

 今通常国会では、戦争をする国づくりを進めるための、11本もの法律を一括りにした安保法制など、重大な法案が立て続けに審議入りしています。国民世論を無視し、数の力による乱暴な国会運営はもう止めるべきです。

 私たちは、いのちと健康を守る医師・歯科医師として、引き続き、患者さん、国民とともに、誰もが安心して受けられる医療を守る運動に全力を尽くすことを、ここに表明します。

以上