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【抗議声明】菅官房長官の暴言に抗議し
発言の撤回と謝罪を求める声明

2015年10月4日
全国保険医団体連合会
女性部部長
板井 八重子

 

 菅義偉官房長官は、人気俳優の結婚報道に関し、テレビ番組で「この結婚を機にママさんたちが『一緒に子どもを産みたい』という形で国家に貢献してくれればいいなと思う。たくさん産んでください」と発言しました。

 「子どもを産む」ことが「国家への貢献」という考え方は、個人の上に国家を置き、国家の存立のために個人を犠牲にすることにつながる、非常に危険なものです。9月の安保関連法の成立により、日本は戦争のできる国へと転換させられました。安保関連法成立直後のこの発言は、戦前の日本が、戦争遂行のために「産めよ殖やせよ」のスローガンで出産を奨励したことを想起させます。産まれてくる子どもが、国家の存立を口実とする戦争で犠牲になる時代の到来を許してはなりません。
 またこの発言は、疾患などの理由により子どもを生みたくても生めない女性や、子どもを持つことのできない男女を精神的に傷つけるものです。
 さらに出産するかどうかを個人が選択する権利は、「リプロダクティブ・ライツ」として国際的に確認されています。しかし菅氏の発言は、結婚すなわち出産との価値観を押し付けるものです。
 安倍政権は「すべての女性が輝く社会」を掲げています。しかし政権の中枢にいる菅官房長官のこうした発言は、女性を子どもを産む道具や便利な労働力としてしか捉えず、女性が個人として尊重される社会づくりとはほど遠い安倍政権の姿勢を表しています。

 保団連女性部は、菅官房長官の上記の発言に抗議し、発言の撤回と謝罪を求めます。

以上