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【声明】国は、原爆症認定の東京地裁判決を尊重し、
控訴を断念せよ

2015年11月5日
全国保険医団体連合会
非核平和部長
永瀬 勉

 

 原爆症の認定が却下された被爆者17人について、遺族や本人が国の処分取り消しを求めた東京訴訟(第1次)の判決が10月29日、東京地裁で出された。

 17人の原告(死亡原告を含む)全員に、国の認定却下処分を違法として取り消す全員勝訴の判決を下した。

 原告のうち12人は、2013年12月16日の「新しい審査の方針(平成25年新方針)」の積極認定に関する疾病、被爆距離ないし入市時間に該当しない原告である。

 判決では、8人の原告については、非がん疾患を申請疾病としているが、判決は積認定対象疾病以外の狭心症・脳梗塞・甲状腺機能亢進症について放射線起因性を認めた。

 9人の悪性腫瘍の原告については、積極認定の範囲外であってもその被爆実態に照らし放射線起因性を肯定した。

 「新しい審査の方針」は目安の一つであるが、「国の基準外でも被爆状況や疾病の性質などから放射線が原因と認められる場合がある」と指摘した。その上で、17人の被爆状況や疾病について個別に検討し、いずれも原爆症に当たると認めた。

 今年は、被爆70年である。被爆者の高齢化は進んでいる。

 国・厚生労働省は、判決を真摯に受け止め、控訴を断念すべきである。その上で、被爆者の立場にたった援護行政への抜本的な見直すべきである。

以上