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全国保険医団体連合会は11月16日、塩崎 恭久厚生労働大臣宛に下記の要請書を送付しました。

【要請書】4種混合ワクチン不足回避のための早急な対応と
ワクチン製造等の正常化を求める

2015年11月16日
全国保険医団体連合会
地域医療対策部
医科担当副会長 齊藤 みち子

 

 前略 国民の医療と健康を守る取り組みに敬意を表します。
 報道によれば、4種混合ワクチン(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ混合ワクチン)を製造する2社(化学及血清療法研究所「化血研」のクアトロバック、阪大微生物病研究所「阪大微研」のテトラビック)のうち、64%のシェアを持つ「化血研」が国の承認を得たものと異なる方法でワクチンを製造していたことが発覚し、厚労省は安全性が確認されるまで同社のワクチンの出荷自粛を要請していますが、解除の見通しは立っていないとされています。
 4種混合ワクチンは、12月14日から新たに北里第一三共ワクチン株式会社製造のスクエアキッズが出荷される見込みですが、すでに4種混合ワクチンが入荷できない医療機関が増えています。
 4種混合ワクチンで防げる病気のうち、特に百日咳は感染力が強く、現在大人の百日咳が増え、集団生活する児童での百日咳集団感染事例が問題になっています。乳児が罹患すると、重症となり、時に命に関わります。新ワクチンが流通する12月中旬まで接種を待つことは、取り返しのつかない事態を生じさせます。
 こうしたことから、当会として、下記に掲げる事項の早急な対応を求めます。

(4種混合ワクチン不足回避のための特別対策)

一. 「化血研」における4種混合ワクチンについて、品質点検を行い、ワクチンそのものに問題がないことが確認できれば、出荷自粛要請を解くこと。
一.ワクチン不足解消までは、1回〜3回目の接種を優先することが重要であり、そのことを国民にご理解いただけるよう広報すること。

(「化血研」及びワクチン製造等の正常化)

一. 「化血研」が組織ぐるみで10年以上にもわたり、国の承認書と異なる方法で血液製剤等を製造し、製造記録を偽造していたことはゆゆしき問題である。必要な再発防止策をとること。
一. 「化血研」以外にも、血液製剤やワクチン製造メーカーなどに対する監督を強め、こうしたことが発生しないよう、注意を喚起すること。
一.このような事態を招かないために、ワクチン流通問題におけるワクチンビジョンを作る日本版ACIPを早期設立すること。

以上