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※全国保険医団体連合会は、4月23日に理事会として以下の声明を発表しました。(PDF版はこちら)。

【声明】日本政府の核兵器禁止条約交渉不参加に抗議する

2017年4月23日
全国保険医団体連合会理事会

 

 3月27日から31日まで国連本部で、核兵器を法的に禁止する条約の交渉をする第一会期の会議が開かれ、115か国と私たちも参加するNGO核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)など220以上の市民団体が参加した。会議では、被団協の藤森俊希氏とカナダ在住のサーロー節子氏の2人の被爆者が演説し、参加者に大きな感動を与えた。その一方で、日本政府の高見沢軍縮大使は「日本の交渉参加は、核保有国と非核保有国の分断を深める」と述べ、交渉不参加を表明した。
 会議の初日、不在だった日本政府席にICANのメンバーによる「あなたがここにいてくれたなら」と書かれた折り鶴が置かれていた。このことは、ニュース報道やSNSにより世界中を駆け巡った。これは会議参加者を始め核兵器廃絶を望む世界中の人々の共通の思いではないだろうか。
私たち日本は唯一の戦争被爆国として、世界中の人々に市民の命や暮らしを奪う核兵器の脅威とその非人道性を伝える責任がある。
 保団連は、二度に渡る外務省要請を通じ、日本政府に核兵器禁止条約の交渉に参加すること、そして核兵器廃絶への行動を取るよう要請してきた。要請を通じて、核兵器廃絶を求める立場は堅持し、核保有国を巻き込んだ核兵器廃絶のプロセスを重要視する外交姿勢を確認した。
 岸田外相は、直前まで禁止条約交渉への参加に前向きな姿勢を示していたが、結果として核保有国への外交的配慮から、交渉不参加を表明するに至ったと説明している。こうした態度表明は、被爆国の政府として核廃絶を願う世界の人々と日本や世界の被爆者や市民を裏切る恥ずべき行為であり強く抗議する。交渉会合を巡り、米国を初め核兵器国とその同盟国約20か国の国連大使が議場外で抗議行動を行う一方、交渉会合は、核兵器の禁止に向けて活発な議論が行われ、次の第二会期が終わる7月7日には条約が採択される可能性が出てきている。
 日本政府には、まず交渉のテーブルにつくこと、そして、「核保有国と非核保有国との分断を深める」という消極的な態度ではなく、米国をはじめ核保有国に強く核兵器禁止条約制定に向けて具体的行動を取ることを求める。

以上