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※全国保険医団体連合会は、下記の要望書を厚生労働大臣宛に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:117KB])。

【要望書】日本脳炎ワクチン不足の解消とワクチン安定供給体制の
早急な構築を求める要望書


2017年10月31日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 国民医療の確保と充実に向けた日頃のご尽力に敬意を表します。
 現在、日本脳炎ワクチンが一部医療機関で不足しているとの声が上がっています。
 大阪府保険医協会が今年6月に会員医療機関へ行ったアンケート調査では、186医療機関中47%の医療機関でワクチンの在庫が不足し、39%の医療機関で対象児に接種を待ってもらっていると回答しています。また東京保険医協会が9月に実施した会員医療機関へのアンケート調査では、432医療機関中58%の医療機関でワクチンが足りないと回答しています。さらに47%の医療機関で、定期接種期間内に接種が完了しない可能性があると回答しています。
 医療機関ではワクチン不足によって接種できない保護者への対応に追われ、日常診療に大きな負担となっています。会員アンケートからは、厚労省に対し現状把握や早急な対応を求める意見、また接種期間の延長など期間内に接種が完了しなかった子どもへの対応を求める声が多数寄せられています。
 製造会社による供給停止や突発的な感染症の流行による需要急増など要因は様々ですが、昨年度の麻しん・風しん(MR)ワクチンをはじめ、ワクチン供給体制をめぐる混乱は過去にも繰り返されてきました。そのたびに医療現場と接種すべき子どもに影響が及んでいます。
 今回の日本脳炎ワクチン不足の対策として、ワクチン販売・卸会社等と連携のうえ、厚労省が現状把握を行うべく調整を進めているとの報道もあります。現状把握を行い原因の究明をすることは必要ですが、安定したワクチン製造・供給体制が行われるよう抜本的な改善を行わない限り、再び同様の事態が発生することは明白です。
  一刻も早い安定供給体制の構築とともに、ワクチン不足の現状を把握し混乱を解消するよう以下の項目を求めます。

一、

期間内に定期接種を打ち終えることができなかった場合、接種期間を延長するなど確実に定期接種を打ち終えることができるようにして下さい。

一、

国の責任による安定供給体制を早急に構築して下さい。

一、

ワクチンの不足や偏在について、現状を把握し早急に解消するよう努めて下さい。

以上