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※全国保険医団体連合会は、下記の要望書を厚生労働大臣ほか、マスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:166KB])。

【要望書】インフルエンザワクチン不足の解消と
ワクチン安定供給体制の早急な構築を求めます


2017年12月7日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 国民医療の確保と充実に向けた日頃のご尽力に敬意を表します。
 インフルエンザが流行期に入っていますが、現在、多くの医療機関ではインフルエンザワクチンが足りず、接種希望者に優先順位をつけたり予約を断ったりしており、例年通りの接種ができない状況です。
 東京保険医協会が10月に会員医療機関へFAXアンケートを行ったところ、744件の回答を得、そのうち65%はインフルエンザワクチンが足りないと回答。例年通り接種できている医療機関は33%にとどまり、7割近くは例年通りの接種ができていません。
 大阪府保険医協会が11月に会員医療機関へ行ったFAXアンケートでは、732件の回答を得、そのうち74%はワクチンが足りないと回答しています。例年通りの接種ができているのは22%にとどまり、8割近くが例年通りの接種ができていません。
 岩手県保険医協会が11月上旬に会員医療機関へFAXアンケートを行ったところ、91件の回答を得、そのうち20%はワクチンが足りないと回答しています。東京と大阪より不足との回答は少ないですが、本来ならばワクチンは不足なく供給されなければなりません。岩手県では沿岸部の医療機関を中心にワクチンが不足しており、県内で偏在が生じています。
 9月15日に厚労省が発出した通知では、卸販売業者に対し「ワクチンの偏在が起こらないよう配慮」を求め、都道府県に対しては「ワクチンの供給に滞りが生じた場合には、貴管内の在庫調査及び地域間の融通を行うこと」としていますが、アンケート結果からは、ワクチン不足は改善されていません。
12月中旬には供給が安定するとの報道もありますが、アンケートに記載された意見では、入荷の目処が立たないとの意見が多数寄せられています。
 昨年から今年にかけて、麻しん・風しん混合ワクチンや日本脳炎ワクチンが供給不足となり、希望者が接種できない事態が発生しました。インフルエンザワクチンも含めると3種類のワクチン不足が立て続けに発生しており、そのたびに医療機関は接種希望者への対応に追われ、混乱が生じています。頻繁に起こる供給不足に対し、怒りの声も寄せられています。
 インフルエンザワクチン供給不足の一因として、製造株決定の通知発出が遅れたためとの指摘がありますが、供給不足の原因究明とワクチンの供給体制を抜本的に改善しない限り、再度このようなことが起こることは明らかです。一刻も早い安定供給体制の構築とともに、ワクチン不足の現状を把握し混乱を解消するよう以下の項目の実施を求めます。

一、

インフルエンザワクチン供給不足を早急に解消して下さい。

一、

インフルエンザを含む各種ワクチン不足の原因究明と再発防止を行って下さい。国の責任による安定供給体制を早急に構築して下さい。

以上