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※全国保険医団体連合会は、下記の要請書を総理大臣、厚生労働大臣、財務大臣ほか、マスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:138KB])。

【談話】医療改善にはほど遠い改定率
―2018年度診療報酬改定率の発表に関して―


2017年12月20日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 加藤勝信厚生労働大臣と麻生太郎財務大臣は12月18日、2018年度の診療報酬改定率について、本体を0.55%引き上げる一方、薬価等を1.45%(薬価1.36%、材料価格0.09%)引き下げる、また薬価制度抜本改革で0.29%引き下げることに合意した。全体では1.19%のマイナス改定とされた。
 「別枠」での対応として、大型門前薬局に対する評価の適正化を前回改定に引き続き行うこととした。この影響は国費ベースで60億円程度と報道されている。さらに、現在検討中の保湿剤の給付制限・保険外しが、前回改定の湿布薬同様に「別枠」で行われるならば、実質の引き下げ幅はさらに拡大する。
今回の薬価引き下げの▲1.36%は、前回の引き下げ▲1.22%よりも0.14%大きいにもかかわらず、本体の改定率は0.06%しか上乗せされていない。本来、医療機関等の交渉努力などで引き下げられた薬価財源は、本体部分に完全に充当されるべきものであり、本体財源への充当の慣行の遵守を強く求めるものである。
 11月の医療経済実態調査結果でも明らかなように、医療機関の経営が悪化している実態をみれば、大幅プラス改定を実施するべきである。0.55%の引き上げでは医療従事者の雇用・労働環境の抜本的改善には程遠い。医療の現場からは「経費切り詰めはもはや限界。赤字転落寸前だ」、「診療報酬が増えなければ、職員の給与を増やせない」といった切実な声が保団連に寄せられている。雇用誘発・経済波及効果の高い医療・福祉への大幅な財源投入は、「社会保障の機能としては、景気変動を緩和し、経済成長を支えていく『経済安定機能』がある(平成24年厚生労働白書)」ことからも重要である。度重なるマイナス改定の原因は、政府の社会保障費の自然増抑制策にある。今回も5000億円に抑え込む目標が、大きな足かせとなった。この撤回を強く求める。
 保団連は医療機関が提供する医療水準を担保できるように、医科歯科の初・再診料をはじめ医療従事者の技術を正当に評価すること、高薬価構造そのものにメスを入れ、薬価引き下げ等で生まれる財源を全額充当し、大幅引き上げを行うことを求めて運動に取り組んできた。財務省等から本体すらマイナス改定実施をと叫ばれてきた中でも、不十分ながらプラス改定となったことはこの間の運動の成果である。引き続き地域医療の再建、経済の活性化を求めて、診療報酬の本体10%以上の大幅なプラス改定と患者窓口負担の軽減を強く求めるものである。

以上