※全国保険医団体連合会では、下記の声明を発表し、総理、新型コロナワクチン接種担当大臣、厚生労働大臣及びマスコミ各社に送付しました。(PDF版はこちら[PDF:188KB]

【要請書】新型コロナワクチン不足を早急に解消し、
「新型コロナワクチン難民」の早急な救済を求める緊急要望書

2021年7月21日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 新型コロナウイルスワクチンが各地で圧倒的に不足しています。
 国からのワクチン供給量の削減によって、すでに多くの自治体ではワクチン接種の予約が取れない状況となっており、予約していた接種すら実施できなくなった自治体も少なくありません。接種を担当する自治体や医療機関・医療従事者は、予約を希望する方への対応だけでなく、予約の延期等の連絡・調整にも多くの労力・負担が強いられています。
 ところが政府は「足りないということは本来ないはず」、「医療機関に在庫がたまっている可能性がある」(6月22日:田村厚生労働大臣)、「極端に速く打っている自治体がある」、「より厳しく接種実績を見たうえで、配送したい」(7月9日:河野ワクチン担当大臣)など、ワクチン不足を自治体や医療機関に転嫁するかのような発言を繰り返してきました。
 しかし、6月初旬には河野担当大臣が「ワクチンは新型コロナウイルス感染収束の切り札」、「特に変異株の感染拡大もあり一日も早く接種を終える必要がある」、「ワクチンは希望する全ての国民の皆様に接種いただける量を確保している」と国民へのビデオメッセージで訴え、6月20日のテレビ番組では「12歳から15歳の児童・生徒へのワクチン接種を夏休み中に打ってもらい2学期は心配せず学校に行ける状況にできたらいい」と発言されるなど、高齢者へのワクチン接種終了を待たず全ての国民を対象にしたワクチン接種の推進を求めてきました。
 こうした政府の意向を受けて、多くの自治体では全ての住民を対象に接種を開始しましたが、7月末までに供給されるファイザー社製ワクチンは1億回分程度しかなく、モデルナ社製ワクチンは6月末までに当初予定の4,000万回分を大きく下回る1,370万回分しか確保できていません。自民党の政策責任者である下村博文政調会長は「足らないという風評が広がっている」と発言(7月13日)しましたが、2回接種を原則とするコロナワクチンの供給量そのものが足りないのは明らかです。
 政府は、「10月から11月の間に、接種を希望するすべての人にワクチンを接種したい」としていますが、変異株が猛威を振るい始めた中ではこの目標を前倒しする必要があり、そのためには、新型コロナワクチンの確保と接種体制の維持が不可欠です。今必要なことは早急に新型コロナワクチンを確保することです。ところが河野担当大臣は「世界的にワクチンの需要が高まり、全く打てていない国もある」として、追加調達はしない考えを示すなど、ワクチン確保の努力を放棄するかのような発言(7月19日)をしています。
 ワクチン不足を招来させ、その打開のための努力を放棄することは失政そのものです。
 新型コロナウイルスワクチン接種体制の確保については、様々な困難を乗り越えて、私たち開業医も日常診療を行いながら、自治体による集団接種会場への医師・医療従事者の派遣や、医療機関における個別接種体制の確保に取り組み、6月7日には1日に100万回の接種を達成し、6月下旬には1日に135万回の接種を実現してきました。
 また、新型コロナワクチンは2回接種が達成できたとしても、それでワクチン接種が不要となるわけではありません。韓国は5月頃から国内でmRNAワクチンが製造できるよう、ファイザー社及びモデルナ社と協議を進めています。「全く打てていない国」を解消するためにも、mRNAワクチンの国内製造に向けた協議を早急に進めるべきです。
 7月6日に当会は「新型コロナウイルスワクチン不足の早急な解消と、接種体制確保改善を求める緊急要請書」を提出し、ワクチン不足の早急な解消を求めてきましたが、改めて次の事項の実現を強く求めるものです。

一、 新型コロナワクチンの追加調達を早急に行い、ワクチン不足を解消し、「新型コロナワクチン難民」をなくすこと。
一、 ファイザー社及びモデルナ社と交渉を行い、mRNAワクチンを日本国内で製造できるようにすること。
一、 新型コロナウイルスワクチンを含めた国産でのワクチン開発を進めるため、財政支援を強化すること。

以上

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