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医療特区問題で厚労省と懇談……神奈川協会



神奈川県保険医協会は8月19日、医療特区での株式会社の診療所開設問題で、厚労省の医政局と懇談しました。厚労省からは医政局総務課企画法令係長が対応しました。

懇談では、バイオマスター社が提出したとしている臨床データは症例個々のものではなく、試薬の一覧などが記してある再生医療技術の標準作業手順書(マニュアル)と技術一般の説明書類のみで、そこに症例総数、副作用・事故の有無、臨床試験後の期間などが記されているにすぎないものであることがわかりました。また厚労省の安全性の確認についても、高度先進医療の有識者などに非公式に意見を聞き、(開設を)否定するだけの「危険性が確認されない」との判断で同意したことが明らかにされました。

神奈川協会は、@厚労省内に倫理審査委員会を設置し特区申請のあった先端医療を監視下に置くこと、A医療保険の共同指導にならい、厚労省主導で医療監視を実施すること、B明らかになっていない臨床データの公開、Cバイオマスター社の医療に関し、事故・副作用や反倫理性が判明した時点で、速やかに内閣府に意見具申すること―を求めました。厚労省は、@は自由裁量権の否定に連動するとし、Aは過度な行政介入への批判を免れないと、各々難色を示しました。

また神奈川協会は、米国が日本政府に対し、医療特区を先端医療に限定しないことや、医療保険(高度先進医療)への株式会社の参入を公式に求めていることも指摘し、医療特区方式の拡大で、先進的な技術や医薬品が自由診療のまま固定され、医療保険の空洞化に連動する危険性が高いと説きました。 

 厚労省は、株式会社の危険性は十分承知している、医療保険への参入は反対であり、「今後も株式会社の医療参入については慎重であり続ける」、10も20も全国各地で医療特区の申請がでたら、「ゼロベースからの論議となる」と述べました。