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歯科混合診療考えるシンポジウムを開催

歯科・混合診療シンポに全国から123人が出席しました。

 全国保険医団体連合会は、9月18日に、第2回「歯科混合診療を考えるシンポジウム」を東京都内で開催しました。10月から本格的な混合診療である保険外併用療養費制度が実施されるという状況下で、今後の歯科医療に及ぼす影響や問題点を掘り下げる目的で開かれたもの。33都道府県から歯科医師76人を含む123人が出席しました。

 住江・保団連会長の開会挨拶、宇佐美歯科代表の主催者挨拶の後、大沢文雄・「保険で良い歯科医療を」全国連絡会副会長、王宝禮・松本歯科大学薬理学教授、竹田・保団連副会長、田辺功・朝日新聞編集委員の4名のパネリストが歯科における保険外併用療養費について問題提起しました。

患者の望みは"保険範囲広げて"

 大沢文雄氏は、同会が8月に行った「歯科医療に関する患者アンケート結果」を紹介し、79.1%の患者が「健康保険の利く範囲を広げて欲しい」と答え、高齢者ほどその割合は高いと指摘。歯科技工士でもある大沢氏は、歯科技工士会が保険外併用療養費に前向きであるが、その背景には、歯科技工士の過酷な労働、技工の海外発注、保険技工が冷遇されている事情があり、それが保険外併用療養への期待に繋がっていると指摘し、良質な歯科技工物確保のためにも保険評価を高めることを強調しました。

歯科医学の到達点を保険導入すべき

 王教授は「保険外併用療養費制度に対する歯科医学会の動向―臨床薬理学者の一考察」として、昨年日本歯科医学会の12の学会が新検査、新技術、新薬等、口腔内科的発想の治療の保険導入要求を行っていることを紹介、また歯周病をはじめ、歯周組織再生、口臭、口腔乾燥症、漂白、禁煙に対する新技術、新薬剤が開発され臨床応用されているが多くの薬剤が保険適用外であるとし、現行の歯科の保険給付範囲では、歯科医療の質の向上は望めないとしました。そして「保険外併用療養の間違った一人歩きによっては、国民皆保険制度が揺るぎ、わが国の国民の健康が守れないことが危惧される」と警鐘を鳴らしました。

必要な医療はその都度保険に―−運動が重要

 竹田副会長は、歯科開業医の立場から、4月改定から8月9日の中医協答申までの保険外併用療養に関する一連の動きと問題点を整理。その上で@必要な医療はその都度保険導入する、A一時的に「評価療養」にするとしても順次、計画的に保険導入する、B永久に保険導入しない「選定療養」は認めない、C未確立な技術、審美性のみを目的とするものの保険外併用療養は認めない、D当面「51年通知」は存続させるなどを内容とする保険外併用療養費に対する基本姿勢を明らかにし、これに基づいての運動の必要性を強調しました。

背景に、歯科差額、差額ベッドなどの存在

 最後に発言した朝日新聞の田辺氏は、混合診療は保団連が指摘する通り保険制度の根幹を揺るがすもの。しかし一方で、歯科差額や差額ベッドの横行、高度先進医療がほとんど実施されていない中では、「真剣な患者たち」を納得させられず、それが混合診療拡大に繋がっている背景と指摘。また医療制限など現行保険医療が国民のニーズを捉えているかの問題もあるとして保険外併用療養を拡大させないためにも、保険給付の拡充が課題であるとしました。

 パネリストの発言を受けての質疑応答の中では、医療費の総枠を広げること、医科や患者と協力して運動する必要性の発言とともに、財源について質問が出されました。田辺氏はこれに対して、「例えば、戦争しないわが国の軍事費は世界第6位であり、こうしたところを削るだけでも財源はでてくる」としました。また田辺氏は、旧大蔵省の主計官が「ダム建設の公共事業費4、5000億円のうち400億円ほど削ると発表したところ、翌日に国会議員から抗議電話が何本もかかってきて閉口した。ところが医療費の方は1兆円削るといっても誰からも文句が言われない」と発言していたことを紹介し、国や財政担当者を執拗に追及する必要性を指摘しました。