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厚生労働大臣 柳澤伯夫 殿

2006年9月27日
全国保険医団体連合会 会長 住江憲勇
全国保険医団体連合会 理事会

特定疾患治療研究事業「潰瘍性大腸炎・パーキンソン病 対象除外」の中止を求める緊急要望



特定疾患治療研究事業は1972年(昭和47年)の発足以来、医療・福祉の両面で大きな役割を果たしてきました。当会としましても関係各位のご尽力に深く感謝申し上げます。

さて、本事業の目的として「特定疾患治療研究事業実施要綱(昭和48年4月17日衛発第242号)」では「研究事業」かつ「患者救済・福祉事業」であることが規定されています。ところがきわめて遺憾なことに近年「患者救済・福祉事業」部分の後退傾向が徐々に露呈してきており、その流れとして1998年(平成10年)以降患者負担が導入され、今回特定疾患対策懇談会(8月9日)において、「潰瘍性大腸炎・パーキンソン病の重症者限定案」が提起されています。

1995年(平成7年)12月、本事業の対象疾患の必要条件として「@希少性、A原因不明、B効果的な治療法未確立、C生活面への長期にわたる支障」の4要件が盛り込まれました(「公衆衛生審議会成人病難病部会難病対策専門委員会」)。しかし、「@希少性」は、事業目的に照らし、これを要件とする必然性が認められません。厚生労働省は特に「希少性要件」導入の理由について、「症例が比較的少ないために全国的な規模で研究を行わなければ対策が進まない」と記載していますが、これをもって必要条件とするには甚だ無理があります。

1997年(平成9年)、さらに「希少性」要件について「国内の患者数が概ね5万人未満を目安とすることが適当」と具体的数値が設定されました(「特定疾患対策懇談会 特定疾患治療研究事業に関する対象疾患検討部会報告(平成9年3月)」)。しかし、事業目的に照らし、「希少性要件」導入には無理がある上、さらに「5万人未満を適当」とする根拠はありません。

以上、「患者救済・福祉事業」部分を縮小しようとする動きの中で、今回の「潰瘍性大腸炎、パーキンソン病重症者限定(中等・軽症者の対象外し)(案)」が提案されています。当会は、医療と福祉を守る立場から、以下の理由をもって「対象除外の提案」の撤回を要望いたします。

<要望書提出に至った理由>

◎ 特定疾患治療研究事業は、昭和47年の事業発足以来、国民も医療担当者も広く「患者救済・福祉事業」として受け止め、その役割を担ってきました。従前の公的助成対象者を突然対象から外すことは、社会秩序を著しく混乱させるものであり、全く不適切な施策という他なく、断じて容認できません。

◎ 事業目的に照らし、「希少性要件」を設定する根拠、「5万人未満を適切」とする根拠はありません。ひたすら福祉後退を是とする財政主導の「対象外し」とみるほかありません。

◎ 事業半ばにおいて実施要綱の定める目的をなし崩し的に変更することは、民主主義の秩序を堅持する立場からも断じて容認できません。

<要望事項>

特定疾患対策懇談会(8月9日)における「対象除外の提案」の撤回を強く要望いたします。

以上