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医師・看護師が足りない! 地域医療確保でシンポ開催

「医師・看護師が足りない」シンポに240人が参加しました。

  2月23日、東京都千代田区内で「医師・看護師が足りない!地域医療の確保に向けた緊急シンポジウム」が開催されました。安全・安心な医療の確立と地域医療の確保のために、取り組むべき諸課題や行政・医療関係者・国民の責務について、有識者の提言や討論により問題点を掘り下げることが目的。国民医療研究所や全国保険医団体連合会を始めとする7団体で構成された実行委員会が主催、240人が参加しました。保団連からは、住江会長と事務局が、また保険医協会では埼玉、千葉各協会事務局から参加がありました。

 シンポジウムの第1セッションでは、パネリストからの現状分析や問題提起がなされました。

 岩手県宮古市長の熊坂義裕氏は、深刻な医師不足問題を抱える北東北3県の中で、産婦人科医や小児科医が皆無となった宮古市の例をあげ、崩壊寸前の地域医療の現状を紹介。「医師の絶対数は現時点でほぼ充足しているとする厚生労働省の見解は誤りだ。OECD諸国の人口当たり医師数と比較すれば日本は最低水準。医療政策の誤りを正すには国民が声をあげなければならない」と訴えました。

 京都大学医学部付属病院看護部長の嶋森好子氏は、先進諸外国との比較による看護師1人当たりの患者数や病床数、変則勤務の実態を提示。平成18年度診療報酬改定において、入院基本料に7:1看護体制が導入された影響や問題点にも触れ、日本の看護師不足について「医療従事者が医療現場でどのような働き方をしているか、客観的データを提示することで広く現状理解を求めるべき」と述べました。

 山梨県医師会勤務医部会長の飯田龍一氏は、県下の病院や行政に実施した勤務医の労働実態アンケート結果を報告。大学病院勤務医の18.4%が1日平均労働時間12時間超であること、非常勤医が宿日直の60〜70%を担い、宿直明けも続けて通常勤務、などの労働実態を明らかにしました。また、現在の医療問題全般について「医療行政は破綻しており、その原因は国家理念と長期的展望の欠落だ」と批判しました。

 神戸市看護大学副学長の林千冬氏は、看護師の定着率の低下要因として「絶対数不足の上に偏在が重なり、さらに医療過誤の責任問題等が拍車をかけている」とし、患者・家族のニーズに即した医療提供の観点から充実した体制構築の必要性を訴えました。

 第2セッションではフロア発言も含めた討論が展開。参加者の勤務医師から「財政政策に基づく低医療費政策への反対、これを本日シンポジウムでのコンセンサスとしたい」との発言に、満場の拍手が送られました。これを受けて熊坂氏は「経済大国日本での医師不足自体が不可解。税制・社会保障を変えていくべき」、飯田氏は「医師の絶対数増加に加えて、知識と技術獲得による医師のプロ意識向上が重要」、林氏は「医師、看護師、患者が連携して現状を変えよう」と強調しました。