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厚生労働大臣 柳澤伯夫 様


麻しん(はしか)集団発生への実効性ある対応を求めます


2007年6月4日
全国保険医団体連合会 会長 住江憲勇
全国保険医団体連合会 地域医療対策部 部長 中島幸裕
全国保険医団体連合会 地域医療対策部会 医科歯科合同部会



 本年(07年)5月現在、南関東を中心に全国的規模で、麻しんの集団発生が相次ぎ、しかも、ワクチンの供給不足や抗体検査の滞りを生じるなど、対応にも窮する由々しき事態を迎えています。また、今回の流行は、従来の麻しんの好発年齢(0歳児〜2歳児)にとどまらず、高校生・大学生や一般成人にも拡大しており、これまでの流行とは質的に異なった問題を含んでいます。
麻しんが重篤で警戒すべき感染症であることは既に周知の事実です。北米・中南米、西欧・韓国において、予防接種対策等による「根絶」がほぼ達成されている実績に比べても、日本における立ち遅れは文化国家としてあるまじき姿です。日本では今だに年間10万〜20万人の発症が推計され、年間十数例の死亡報告があります。
昨年(06年)麻しんワクチン2回接種法が導入されたことは些かの進歩ではあったが、接種率は今なお低迷しており、また、1回接種法で終了した年長の世代に対しては何らの対策にもなっていません。01年、03年の流行、06年の茨城県・千葉県の集団発生をみても拡大の兆しは予想されました。「予見可能性」を認めるならば国の不作為が問われることになります。
 集団発生に際しての緊急対策にとどまらず、根絶を目標とする抜本的対策、さらには、毎年のように社会問題となるインフルエンザへの対策、ワクチンの停止状態にある日本脳炎等を含め、後手後手に回っている感染症対策への反省を求めるとともに、以下に提案する対策の実施を強く要望します。


[麻しん緊急対策]
麻しんワクチンの供給状況把握と財政的補助(公費負担)、麻しん抗体検査実施状況把握と財政的補助(公費負担)、緊急避難的に使用されているMRワクチンの供給状況把握と財政補助(公費負担)、MRワクチンの本来の接種者への供給確保、を行うこと。風評や社会的混乱を回避するとともに、学校や一般社会における科学的で適切な生活指導を提示すること。

[麻しん根絶対策]
社会的予防の条件とされるワクチン接種率95%以上、100%をめざし麻しん根絶を達成するための具体的方策を講じること。ワクチンの安全性と有効性を追究すること。国民のワクチンに対する信頼を回復すること。幼稚園・保育所・学校等においてワクチン接種歴の把握と勧奨を徹底すること。疫学調査・サーベイランス・システムをさらに充実させること。

[一般の感染症・ワクチン対策]
将来を予見し、積極的な対策をとること。