ホーム



九条の会・医療者の会発足3周年記念講演会



「九条の会・医療者の会」は、発足3周年を記念して11月10日、東京・千代田区の中央大学駿河台記念館で講演会を開催しました。今回は、命と健康を守ることを使命とする医師、医学者らが、戦争と憲法9条について語りあうことを目的として開催しました。

「医療者の会」の呼びかけ人で、産婦人科医の堀口雅子氏は、自らの戦争体験をふまえ、九条の大切さを訴えました。

また、旧日本陸軍731部隊の少年兵だった千葉県在住の篠塚良雄さんが証言。篠塚さんは、1939年に15歳で同部隊の少年隊に入隊。末端要員として細菌の運搬から始まり、細菌をばらまくために使うノミの大量生産、中国人らへの生体実験や解剖などに従事したという当時の体験などを語った。篠塚さんは「入隊時は恐怖心はなく、やりがいがある仕事が待っているような気がした。次第に人間としての本来の善悪の区別が付かなくなっていた」と当時を振り返り、戦争の非人間性を告発しました。

篠塚さんと各地で証言運動をおこなっている"人間と性"教育研究所所長の高柳美知子さんは、戦前、戦中の軍国主義教育のもとで若者が戦争にかりたてられたことを紹介しながら、若い世代に歴史の真実を受け継いでいきたいと訴えた。

福島県立医科大学講師の末永恵子さんは、旧日本軍の中国・熱河省侵略にかかわり、医学・医療の実態がどうだったのかを告発。熱河省侵略と米国のイラク戦争の開戦名目が類似している点を指摘し、医療が戦争遂行の宣伝目的に使われたと紹介しました。最後に、国家の道徳性と医療関係者の論理性の基本を支えるのが憲法9条だとして、憲法9条を変えるのではなく生かすという一点での共同の重要性をよびかけました。

「15年戦争と日本の医学医療研究会」幹事長の莇昭三さんは、15年戦争中の医学犯罪と今日の私たちの課題と題して報告しました。莇さんは、先の参議院選挙の結果をうけ、「今、世論が政治を動かしつつある」として、選挙での改憲賛成政党や改憲反対政党への投票動向も紹介しながら、「九条の会」への参加をよびかける必要があることを強調しました。

莇さんは、15年戦争中(1931年〜45年) 、日本の医学者・軍医による「医学犯罪」が行われた事実は明確だが、政府、関係者及び医学界はその事実の存在と問題点を今日まで不問にしている。戦後60年、過去の歴史(事実)に率直に向き会うことが重要だと述べました。