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後期高齢者医療制度の廃止めざす「怒りの姨捨山一揆」開催


 後期高齢者医療制度の廃止をめざす「怒りの姨捨(おばすて)山一揆」が6月8日、長野県千曲市の姨捨観光会館駐車場であった。高齢者や医療関係団体のほか、商工会や教育関係者、僧侶ら300人以上が結集。「長生きは悪ですか?」などと書かれたプラカードやのぼりを掲げて怒りと不安を訴え、「廃止以外に解決策はない」とするアピールを採択した。
 パパン、パン―。午前10時半、のろしに見立てた花火が開会を告げた。会場から見下ろす平野は、上杉謙信と武田信玄が「川中島の戦い」で激戦を繰り広げた舞台へと続く。
 集会は、「姨捨山」の伝説が残る同地から、制度の廃止を全国に訴えようと、長野県保険医協会をはじめ県内の11団体が主催。実行委員長の山口光昭・長野医療生協理事長は、年齢による差別や、保険料の年金天引きなどの問題点を挙げ、「この国を現代版の姨捨山にしてはいけない。国の宝であるお年寄りを大切にできる社会や政治をつくろう」と呼びかけた。
 住江憲勇・保団連会長は「『高齢者の主病は1つ』という前提に立つなど、医学的常識も無視した、めちゃくちゃな制度。このままでは、お年寄りは安上がりの制限された医療に囲い込まれてしまう」と指摘。「政府の手先となって、そんな内容の医療を提供するのは、医師の倫理からも許されるものではない」と語気を強めると、会場から拍手がわいた。
 長野県保険医協会の鈴木信光会長は「政府は『地方では制度を応援している』というが、それは市町村役場のこと。そこに我々国民は入っていない。『社会保障を手厚くするには消費税の増税が必要だ』という話もあるが、大企業と天下り法人を優遇するバカな税制をなくせば、消費税すら必要ない。家族を分断し、人間の尊厳を踏みにじるこの制度は、絶対に廃止に追い込まなければならない」と訴え、参加者から「そうだ」と賛同の声が上がった。
 長楽寺の住職・佐野昇純さんは「姨捨山伝説は、お年寄りを大切にしようという教訓の物語。教えにならい、高齢者を敬える国づくりを進めてほしい」と話した。
 参加した人々は、紙や畳表を使った手作りののぼりやプラカードを掲げ、ハート型の風船を手に、シュプレヒコールを唱えた。
 長野市から参加した下條フジ子さん(77)は「今までさんざん働いて、戦後の日本を立て直したのに、こんなひどい仕打ちはない」。筑北村から訪れた斉藤静子さん(65)は「誰もが、他人事では済まされない。私もだまっていてはいけないと思って、参加しました」と語った。
 閉会後は、冠着山(別名・姨捨山、1252.2m)に登り、山頂の冠着神社に廃止法案の成立を祈願。「やっほー」とこだまを呼ぶのに代えて、「後期高齢者医療制度を廃止に!」と雄叫びを上げ、最後まで闘う決意を固めていた。