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民主党厚労部門会議で「5分ルール」について厚労省に質問…保団連

 

グラフを示して厚労省に質問する本田理事(左端)。

 民主党の厚生労働部門会議が7月30日、衆議院の議員会館で開かれ、ヒヤリングを行った。本田孝也保団連理事は、保団連の全国調査の結果、外来管理加算5分ルールによる減収額は厚労省の試算を大きくこえ、年間680〜800億円と推計されることを報告し、厚労省が「5分間ルール」の目安として使用した「平均診療時間のグラフ」が、実際の診療時間とは全く乖離していることを保団連の独自データを基に解説した。民主党の長妻昭衆議院議員は「『時間外診療に関する実態調査』がベースになって『5分間ルール』が導入されたとしたら不適切ではないか」と述べた。山田正彦衆議院議員は「中医協が決めた『5分間ルール』の裏づけとなる資料を、次回の勉強会までに提出するよう」厚労省側に求めた。

 この日行われた民主党の厚生労働部門会議では、外来管理加算5分間ルール、後期高齢者医療制度の「天引き増税」、国民健康保険の児童の無保険問題についての3つのヒヤリングで行われた。このうち、「外来管理加算5分間ルールについて」は本田保団連理事が説明した。勉強会には、民主党議員や議員秘書、厚労省担当官、マスコミ関係者らが多数参加した。保団連からは、住江憲勇保団連会長、本田理事ら7人が出席した。

 ヒヤリングで本田理事は、「外来管理加算に関する保団連のアンケート調査によると、5分ルールの導入後に20%以上の算定率の低下が認められた。減収額は厚労省試算の年間約200億円を大きく上回り、年間680億円〜800億円と推計される」また、「中小病院に対する打撃も大きく、中には年間推計7,800万円の減収となった病院もある」などとの実態を、青森協会、東北ブロックでの追跡調査結果とあわせて報告した。
 その上で、本田理事は、5分の時間根拠となったデータは、「平均診療時間のグラフ」以外にあるのかと質問。「保団連が独自に調査した表示診療時間、外来患者数、医師数から厚労省と同じ計算式で作成したグラフを作成すると、5分以上の割合は厚労省のデータ9割とほぼ一致した。しかし、個々に確認すると、5分未満では、実際の診察時間と概ね一致するものの、5分以上では、初診、検査や手術、患者が途切れている時間が含まれ、実際の診療時間と全く乖離している」と述べた。

 これに対して厚労省の担当官は、中医協に提出した『5分間ルール』に関係する資料は「平均診療時間のグラフ」のみであることを認めたが、「中医協でさまざまな議論があって『5分間ルール』がきまった。この資料のみをもって決めたのではない」と発言した。本田理事は、「具体的な議論の内容が中医協議事録の中には見当たらない。いつ、誰が発言したのか」また、「時間外診療のデータから平均診療時間を算出した具体的な計算式について」「導入による200億円影響の試算式はどのようになっているのか」質問したが、厚労省担当官は「そのような詳細なお尋ねは想定しておらず、応えられるだけの準備をしていない」と即答をさけた。「保団連は6月10日に文書で質問を出しており、2カ月間何も調べていないということか」など本田理事はさらに追及した。「診療時間と診察時間のすりかえについて」の質問に対しては曖昧な回答しか得られなかった。
 こうしたやり取りの中、民主党議員から意見が出され、「『時間外診療に関する実態調査』で診療時間を決めるのは大雑把で、これは診察時間ではない。原課長がこのような誘導をしていたとしたら、非常に不適切である」(長妻議員)、「医療費を削るのが目的。ミスリードの資料を中医協に提出したと言われても仕方がない」(山井和則衆議院議員)などの発言があった。■