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「時間外診療に関する実態調査」に8千万円

 

保団連の第二次情報開示請求(08.07.09)により、みずほ情報総研株式会社に委託された「時間外診療に関する実態調査」の費用が8千万円超であったことが判明しました。
「時間外診療に関する実態調査」は、平成19年7月に、岩手、愛知、京都、大阪、山口、熊本の6府県において実施され、その調査データが中医協における、外来管理加算5分ルールの時間要件の目安となった「平均診療時間のグラフ」に流用されました。
今回開示された資料は、「時間外診療に関する実態調査」の競争入札のための文書で、
この時のタイトルは

救急医療の提供体制等に関する実態調査 企画提案書作成要領

でした。 契約予定金額は
 本業全体で1億1千万円(消費税を含む)以内を予定している。
となっており、みずほ情報総研株式会社が落札し、厚労省保険局医療課によれば、実際に要した費用は8千万円を少し超える金額であったとのことでありました(詳細は引き続き開示請求中)。
この企画提案書の目的は、
 救急体制、在宅療養支援診療所、難病等の患者の医療について実態を調査し、今後の医療政策の資料とすることを目的とする。
とあります。
しかし、実際の調査は「救急医療の提供体制に関する実態調査」ではなく、「時間外診療に関する実態調査」として実施され、目的も、
“今後の時間外の診療体制のあり方を検討するための基礎資料とすることを目的に、”
 (厚労省の言う「下書き」、及び、日医からの協力要請文書に同封されていた文書より)
から
“今後の診療報酬改定の検討資料とすることを目的に、”
 
(実際に配布された調査用紙に同封されていた文書より)
と変化し、調査データの一部が外来管理加算の時間要件の目安のグラフとして使用されました。

それでは、本来の時間外診療に関する議論にはどのように用いられたのでしょうか。
中医協の議事録をひもとくと、平成19年11月2日および11月30日の診療報酬基本問題小委員会の中に本調査の結果が出てきます。
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07/11/02 中央社会保険医療協議会
第106回診療報酬基本問題小委員会議事録より
○事務局(原医療課長)
  そこで、私どもで今年調査をいたしました。3ページ(資料 診1−4の3ページ)をごらんいただきたいと思います。おおむね多くの医療機関は18時までに診療時間を設定されております。18時以降開いている、ここは診療所を聞いてみましたけれども、診療所の割合はどうかといきますと、
一番少なかったのが、実はここの岩手・山口・熊本の3県でございます。それから多かったのは大阪府・京都府・愛知県。いずれも50%を超えている医療機関で6時以降も開いておられました。
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ちょっと待っていただきたい。
標榜診療時間は調査を行うまでもなく、各医療機関から社会保険事務局に届出されていています。
事実、開示された企画提案書作成要綱にも、調査対象として、
  夜間診療を実施している診療所の割合が高い上位3府県(京都57.4%、大阪57.4%、愛知56.0%)および下位3県(岩手4.05%、熊本7.71%、山口5.6%)の診療所を対象とする。
と記載されています。
結果は事前にわかっていた。“実は”はないでしょう、原(前)医療課長。
「時間外診療に関する実態調査」の調査結果は、11月30日の診療報酬基本問題小委員会(第106回)でも勤務医の負担軽減策として議論され、最終的に「夜間・早朝等加算50点」が設けられました。
しかし、資料(診−4−1診―4−2)を見る限り、8千万円もかけて行う調査であったかどうか甚だ疑問が残ります。
診−4−2にある「診療科別にみた時間毎の開業割合」「管理者年齢と夜間診療の関係」は、社会保険事務局に届出されている全都道府県の全診療所の資料から作成可能であり、そのほうがより正確であったと思われます。                      ■