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外来管理加算で200億円。幻の試算式…9.18厚労省交渉

 

厚労省保険局医療課(手前)と交渉する保団連役員(右から竹崎副会長、本田理事、住江会長)

 

 9月18日、外来管理加算5分ルールに関する厚労省交渉が行われた。保団連からは住江憲勇会長、竹崎三立副会長、本田孝也理事、事務局が、青森協会、神奈川協会からは事務局が参加した。厚労省側は保険局医療課の佐々木健課長補佐、堀岡伸彦主査が出席した。
 冒頭に5月に行われた5分ルールに関する全国アンケートから、21協会の自由意見をまとめた134ページの資料を手渡し、医療現場が大変な混乱に陥っている実情を訴えた。
 佐々木課長補佐は興味深く目を通しながら、「貴重なご意見として読ませて頂く」と誠意ある対応をみせた。
 続いて、6月10日に保団連から厚労省に提出した質問状に対する回答を求めた。
 外来管理加算の時間要件の議論が始まった07年11月2日の中医協資料の「外来管理加算は、(中略)懇切丁寧な説明や計画的な医学管理等といった医療行為を行うことを包括的に評価したものであり、(中略)計画的な医学管理を行った場合に算定できることとされている」に関して、当時の点数表では外来管理加算の算定要件に「懇切丁寧な説明」は入っていない点について質問すると、中医協資料の文章が通知と異なる事実を認めた。
 「時間外診療に関する実態調査」のデータをもとにつくられた、「内科診療所における医師一人あたりの、患者一人あたり平均診療時間の分布」に関しては、この平均診療時間に、初診や検査、回診、訪問診療の時間、さらには患者が途切れている時間等、諸々の時間が含まれることを認めた。また、問題のグラフは、診療時間と患者数の割合をとり、それに医師の人数を掛けることで算出したことを述べたが、中医協の議論の中で時間要件の5分の目安になったかどうかについては明言を避けた。
 保団連のアンケート調査の結果、外来管理加算5分ルールによる減収額は厚労省の試算を大きく上回り、年間680億円〜800億円と推定されている。
 この点について、「08年1月30日の中医協で、原(前)医療課長が『この外来管理加算とデジタル加算合わせまして約200億円強というふうに見込んでおります』と発言しているが、この200億円強の算出式を、具体的に数値をもってお示し頂きたい」との質問に対しては、「中医協は公開の会議で、資料も公開して行っている。議論の経過というのは皆さんご承知されている。計算の内容・方法等も議論の中でしっかりやっていただいた上で、結果的にその額が出てきている。そういう結果が医療現場にどういう影響を与えているかについては、中医協で今後検証部会、基本問題小委員会で議論されていくことになっている」と回答。それは答えになっていないと、再度試算式を問うも、同様の回答。
 08年7月9日の中医協で、藤原委員の「時間外診療に関する実態調査」の不正流用に関する質問に対して、原(前)医療課長は「5分で切った場合にどの程度の財源が要るかということにつきましては、私どもで行いました時間外診療に関する実態調査のデータを使いながら算出をした」と「時間外診療に関する実態調査」のデータをもとに試算を行った事実を認めている。
 「時間外診療に関する実態調査のどのデータを使い、どのような計算式で200億円を試算したのか」「それとも試算式自体が存在しなかったのではないか」とさらに粘り強く追及したが、「中医協の議論は公開の場で公開の資料でやっており、それの結果として1号側、2号側が合意したもので、事務局は決定に入っていない」と答えにならない答弁を繰り返すのみであった。答えたくても答えられない事情があるのだろうと推測するよりない。
 時間切れとなり、続きは次回の交渉に持ち越された。