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厚生労働大臣    長妻  昭 様
厚生労働副大臣   長浜 博行 様
厚生労働副大臣   細川 律夫 様
厚生労働大臣政務官 足立 信也 様
厚生労働大臣政務官 山井 和則 様


2010年5月27日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

高額療養費制度の改善で負担軽減を求める要請書

 

前略 国民生活の向上に対する日頃のご努力に敬意を申し上げます。
私ども、全国保険医団体連合会(会長:住江憲勇、略称:保団連、会員数10万3千人)は、全国の医師・歯科医師で構成する団体です。

さて、今国会の審議において、高額療養費制度の限度額の引き下げや運用の改善が取り上げられ、長妻昭厚生労働大臣は、実施の方向で検討されることを表明しております。
東京大学医科研究所の研究チーム調査*によれば、がんや糖尿病など慢性疾患の治療を継続している患者のうち、約7割が医療費の支払いに負担を感じており、38%の人が治療中止を考え、そのうち83%が医療費の高さを理由に挙げています。高額療養費制度を利用していた人は半数に留まり、限度額自体が高額と感じている人が92%に達し、90%は限度額の引き下げを求めています。

当会では、所得の低い層や医療費負担が長期にわたる患者さんの実態をふまえ、高額療養費制度の改善で負担軽減を実現していただくよう、下記の事項について要請いたします。

一、 長妻厚生労働大臣が示された、70歳未満の一般区分について、一定所得以下の世帯は限度額を引き下げるとの検討方向について、すみやかに具体案を取りまとめ、今年度中にも実現してください。その際、国民健康保険の資格証明書や短期証の発行中止を前提とし、また通院については、限度額を入院の2分の1程度に引き下げてください。

一、 「所得の低い層」(「一般」区分の一定所得以下と、「低所得者」区分」)や、「高額の医療費負担が長期にわたる患者」については、限度額を現行水準の2分の1程度に引き下げてください。特に、限度額が高く利用できないケースが多い通院の限度額をさらに引き下げてください。

一、 高額療養費制度は国民の負担限度額を規定しているにもかかわらず、1%条項の「応益の仕組み」によって、重度で高度の治療が必要な人ほど負担が増える仕組みとなっています。この「応益の仕組み」を完全に撤廃してください。

一、 受領委任払いをすべての保険者が実施できるようにしてください。
70歳未満の入院医療費は医療機関での支払いが限度額まで済むようにという07年4月の厚生労働省通知の徹底を図ってください。
通院については、当面の措置として1医療機関での支払いは限度額までとし、複数医療機関受診については償還払いとしてください。

一、 同一保険者である場合は、1カ月の負担額が2万1000円未満であっても世帯合算ができるようにしてください。
同一世帯においては、異なる保険者であっても世帯合算できるようにしてください。
高額医療・介護合算療養費は、申請による償還ではなく、職権適用による償還としてください。

一、 月をまたぐと合算できない問題があるため、その治療が終了するところまでで合算できるようにしてください(治療が長期間にわたる場合は、一定期間で区切りをつけて合算してください)。

一、 「多数該当」は1年以内に3回高額療養費の給付月があった場合、4回目以降は減額をされます。1年以内という条件を緩和し、同じ疾患への治療で高額療養費の給付があった場合には、1年を超えても4回目以降ならば減額をしてください。

一、 高額療養費制度を使いやすくするため、手続きを簡素化し、広報活動を充実してください。



以上
*医療費負担に関する実態調査についてのアンケート結果(第1報 10年2月27日) 
東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーション部門
児玉有子、松村有子、岸友紀子、畑中暢代 各氏