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各政党 御中


2010年5月31日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

貴党の政権政策・選挙政策に関する
保険医の重点要求(第一次)

 

 21世紀の日本の進路を決める参議院選挙に向けて、日夜ご奮闘のことと拝察いたします。
さて、私ども全国保険医団体連合会は、全国の開業及び勤務の医科、歯科医保険医10万3千人の団体です。
医療「崩壊」を修復し、地域医療の再生へ踏み出すために、以下の事項を今後の貴党の政策と行動に反映させていただきたく、要請いたします。

<被用者保険の被保険者となる雇用者を増やすこと>
雇用者の3分の1が非正規雇用で、被用者保険未加入も多いという事態を改善するために、正規雇用化など被用者保険の加入者を増やすこと。このことにより内需拡大だけでなく税・社会保険料収入を増やすことができる。

<窓口負担を大幅に軽減すること>
窓口負担を大幅に軽減し、手遅れ、重症患者の発生を防ぎ、そのことで医療費増嵩を抑えることができる。
当面、現役世代2割、65〜74歳は1割、義務教育終了までの子どもと75歳 以上の高齢者は無料、とすること。
合わせて、高額療養費制度の限度額を低所得者、高額の医療費負担が長期にわたる患者で引き下げ、負担を軽減すること。
上記のことによる保険財源の増加は、負担能力に応じて負担する企業と個人の保険料、及び公費で対応する。

<保険証は全国民に渡すこと>
国民健康保険証の取り上げを止め、国保料の支払いと引き替えにしか保険証を渡さないという制度は廃止すること。

<後期高齢者医療制度廃止の先送りはしないこと>
地域の医療費増が高齢者の保険料にはねかえる仕組みの後期高齢者医療制度 は、即時廃止すること。

<医療費総枠をOECD加盟国平均より引き上げること>
医療「崩壊」を食い止め、地域医療の再生へ、国民が受けられる医療の種類 と質、量を定めている診療報酬を10%以上引き上げ、医療費総枠をOECD加盟国平均より引き上げること。

<「混合診療(保険外併用療養費)」の拡大、原則解禁を行わないこと>
「混合診療」は、患者に対して保険外の負担を求めることが一般化し、患者の負担が不当に拡大することや、 新技術や新薬等が公的保険対象とされず、給付範囲の縮小につながるおそれがある。「療養の給付」及び「療養の不可分一体性」から、有効性・安全性が担保されたものは早期に保険導入を図ること。

<介護療養病床の廃止方針を撤廃すること>
介護型療養病床を廃止するという方針を撤廃すること。
12年の診療報酬・介護報酬同時改定では、医療と介護のサービスを同時に受けられるようにし、介護優先の考えを改めること。

<明細書交付義務化を止めること>
医療機関における診療項目の明細書交付の義務化を止め、当面、希望者のみとすること。

<入院患者の他院受診の制限を止めること>
入院中の患者の他院受診の制限(投薬制限、入院基本料減額など)を止めること。10年3月までのシステムに戻すこと。

<リハビリ日数制限を撤廃すること>
維持期・慢性期医療の軽視、切り捨て(介護への移行)を止めること。医療より介護優先の考えを改め、医療と介護サービスが同時に受けられるようにすること。

<海外歯科技工物を規制すること>
海外歯科技工を容認している平成17年通知を早急に撤回し、歯科技工士法と薬事法に準じた取り扱いとし、国民の安全を確保すること。

<事業税非課税、租特法26条を存続すること>
社会保険診療報酬に係わる事業税の非課税措置を存続させること。非課税措置が廃止された場合、医科、歯科の診療所で50万円から100万円の税負担が予想される。
租税特別措置法26条(及び67条)は、幅広い世代の診療所医師、歯科医師に 利用されている。地域医療再生のためにも、当面存続させること。

<税・社会保障共通番号を導入しないこと>
税・社会保障の共通番号制の導入しないこと。医療のIT化は、患者のプライバシー保護をうたったOECD8原則に基づき議論すること。

<消費税引き上げを行わないこと>
税や社会保障制度において、所得再分配機能が十分働いていない日本で、広く浅く逆進性の高い消費税をさらに引き上げることは、所得再分配をめざした社会保障の財源としてふさわしくない。経済政策としても、消費税引き上げの経済的マイナス効果が非常に大きく、消費税率5%に引き上げた1997年には、景気が一気に冷え込んだ。
※再分配効果は、「税による」は最下位、「公的移転による」ワースト3位(内閣府『2009年度年次経済財政報告』)

以上