ホーム

 

厚生労働大臣 長妻 昭 様

   2010年7月14日  
全国保険医団体連合会
社保・審査対策部
医科部長 八木 秀満
歯科部長 田辺  隆

指導、監査に関する改善を求める要請


貴職におかれましては、日頃の保険医療行政に対するご尽力に敬意を表します。さて、指導監査等に関する業務が地方厚生(支)局に移管され、2年を迎えようとしています。
この間、厚生労働省は指導、監査等の取扱いについて「平準化」を押し進めるとともに、行政事業レビュ−の対象事業に「医療給付費の適正化」として、「保険医療機関等への指導・監査」の改革案を示しています。さらに、この改革案の具体的な事業目標として「個別指導を年8000件行う」との方針が示されていますが、これは、「構造改革」路線のもとで経済財政諮問会議がすでに打ち出してきたもので、政権交代後もこの方針が受け継がれていることを示しています。
まさに医療費削減を目的に指導、監査の強化を図っていると言っても過言ではありません。

本来、指導、監査は、患者が適切な医療を受けることができるようにするために運用されるべきもので、医療費抑制策を前提とする指導、監査の強化を進めるべきではありません。
本会は、本年1月に開催した第42回大会で「指導、監査改善要求」(別添)を決定しました。指導、監査の実施等にあたっては、「指導、監査改善要求」など以下の項目について要望致します。

−記−

  1. 指導は、集団指導、個別指導の2つとし、高点数を選定基準とする集団的個別指導は廃止すること。

  1. 指導対象カルテの指定については、厚労省の従前の通知で示す「実施日の概ね1週間から10日前に通知」に戻すこと。また、指導当日の持参物は必要最小限の範囲にとどめること。

指導対象カルテの指定については、厚労省の従前の通知では「実施日の概ね1週間から10日前に通知」することとなっていたが、2008年9月30日付通知で「実態に即していない」との理由で削除された。このことにより、新規個別指導時には3週間前に通知されていた大阪府の歯科で1日前の通知となった。医療機関の準備等にも支障が生じる事態となっている。「懇切丁寧に行う」という指導の主旨からも逸脱するものであり、早急に文言の復活を求める。なお、指導実施通知と同様の方法で通知すること。
また、指導当日の資料等の持参物については、被指導者側の任意の協力による必要最少限の範囲にとどめるとともに、個人情報保護の観点から患者の同意の得られないものについては、持参する必要のないことを関係機関に周知すること。

  1. 個別指導時の弁護士の帯同・録音等について、各都道府県事務所に周知徹底をはかること

個別指導時において当事者本人が希望する弁護士の帯同と録音・録画は被指導者の権利を守るため、当然の権利として認めていることを実施通知に明記するなど各都道府県事務所に周知徹底すること。また、本人が希望する同僚の帯同を認めるとともに、立会人の位置づけ、役割について、予め関係者に周知徹底を図り立会人の機能発揮が適切に行われるようにすること。

  1. 保険医療機関等の取消期間については2年を限度とすること

保険医療機関等の取消期間については2年を限度とし、訴訟で司法判断が出されているように、不正請求等の内容、質、量等によって、期間を定めること。また、期間決定の判断基準について公開すること。

  1. 各地方厚生(支)局、各都道府県事務所との懇談・要請が実現できるよう、本省として周知徹底をはかること

地方厚生(支)局移管後、各地で地方厚生(支)局に要請を申し入れていますが、多忙を理由に懇談が未だ全ての厚生局で懇談が実現していません。指導、監査の実施にあたっては、関係者の意見要望を反映して実施できるためにも、懇談、要請が実現できるよう、厚労省として周知徹底をはかること。

  1. 診療報酬改定時の地方厚生(支)局主催の説明会実施にあたっては、医療機関等参加者の要望を踏まえた改善をはかること

今年度、初めて地方厚生(支)局主催で全国的に診療報酬改定内容の説明会が開催されました。行政主催の説明会による改定内容の周知は、本会としても要望してきたものですが、今回の開催にあたっては、各地から、通知方法、開催日程、会場など改善を求める意見等が寄せられており、次回改定時に改善をはかること。

  1. 指導大綱の見直し、医療指導監査業務等実施要領の作成など省内で準備がすすめられているが、関連する実施通知、スケジュールなど公開すること。

以上