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「震災復興と医療再生」でシンポ 開く…ドクターズウォーク・プレ企画


 ドクターズ・デモンストレーション2011実行委員会主催の「震災復興と医療再生シンポジウム」が9月23日、仙台市内で開催されました。宮城県をはじめ全国から医師・歯科医師44名、報道関係者9名を含め161名が参加、被災地・被災者からの視点にたった震災復興と、国民医療再生の方向性について討論を行いました。
 同シンポは11月20日の「ドクターズ・デモンストレーション2011 震災復興・医療再生ドクターズウォーク」のプレ企画。用意していた席がすべて埋まり、慌てていすを追加するほどの盛況ぶりでした。11月20日の日比谷野外音楽堂での集会とドクターズウォークの行動に向け、弾みをつけるシンポジウムとなりました。

 司会の本田宏NPO法人医療制度研究会副理事長は、「世界一の高齢化の日本で人口一人あたりの医師数はWHO加盟国で63位と低位であり、このままだと医療崩壊はさらに進む。憲法25条が守られていないなら、私たちが守らせる行動を起こすべき」と提起しました。この後、5人のシンポジストが発言しました。
 桜井芳明宮城県医師会副会長は、「津波の被害を受けてもなお400名の住民が住み続けている地域があり、そこには診療所が必要。意欲のある先生はいるが、二重ローンを抱えるなど診療所再開にはハードルがある。医師会としても義捐金、医師確保などの支援を行っている」ことを紹介しました。一方で「行政が復興計画をすすめないと医療はどうにもならない。この機会に災害時の対応を含めて医療・福祉計画を抜本的に見直すべきではないか」と提起しました。

 宮城県塩釜市の災害拠点病院である坂総合病院の今田隆一院長は、全国の中でも特に医師・医療機関が不足している地域に震災がおきた。宮城県沿岸部では1000病床が失われるなど、震災によって「医療過疎から医療空白」になったと指摘しました。また、災害時においては急性期、亜急性期、回復期ごとの対応が求められ、復旧が進むにつれ精神的ケアが必要になるなど課題が変わる。あわせて復興に必要なのは、地域の総合力と憲法25条に基づく生存権・健康保障だと強調しました。

 北村龍男宮城県保険医協会理事長は、自ら被災しても診療を続け、診療所の再開に向けて奮闘している会員の姿を紹介しました。「宮城県保険医協会の会員アンケートによれば、5月の時点でも5割の医療機関が再開できていない。会員からも診療所再開のための公的支援の要望が多く寄せられている。民間医療機関への公的支援を求める共同アピールを募ったが、400人を超える賛同を得られ、県による民間医療機関への補助金の実現に寄与したと思う。さらに県は国に第3次補正予算での制度拡充を求めるとしているが、県の独自施策があってこそ、国を動かせるものである。また、患者の一部負担金免除の延長を求める署名活動を展開しており、多くの方々の協力をお願いしたい」と訴えました。

 細谷仁憲宮城県歯科医師会会長は、長年にわたる国の歯科医療費抑制の下で、歯科健診の立ち遅れ、保健所における歯科医療の未整備などが起きている現状を述べ、こうした中で災害時の医療情報連絡網に歯科が入っていない点など加わり、震災時における歯科支援活動や歯科医療機関の再開の遅れが生じていると指摘しました。その上で、@必要な歯科医療を円滑にできるよう、2012年診療報酬改定に反映する、A国民皆保険の維持・充実、患者一部負担を現状より下げる、B医療計画における歯科医療の役割を明確化することを提起しました。

 佐々木淳宮城県保健福祉部次長は被災地域の医療提供体制を確保するための宮城県の取り組みを紹介しました。その中で、「民間医療機関を再開しないことには地域医療の復興はない」として、地域医療再生基金を活用した民間医療機関への補助制度を他県に先がけて設けたと報告しました。また、医師確保・医師要請を含め、震災被害が甚大だった気仙沼、石巻の二次医療圏の医療提供体制を再構築していくとしました。